「共感度ゼロ要素が多すぎるのに面白い」と話題の映画『本気のしるし』〈劇場版〉!“迷惑すぎるヒロイン”役・土村芳を直撃

©星里もちる・小学館/メ~テレ
『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞。今秋の第33回東京国際映画祭では特集上映が決定するなど年々、評価が高まる深田晃司監督。

「深田監督とも初めてご一緒させていただいたんですが、作品は以前からずっと拝見していたので今回は本当にうれしかったですし、勉強になりました。印象的だったのが、監督がとてもセリフを大切にしていらっしゃることでした。撮影前のリハーサルのときも、“その部分は、このセリフの前に一間だけ間が欲しい”といったように、セリフの一音一音まで気を配っている印象がありました。実際、その間のおかげでシーン全体の伝わり方や言葉に込める感情の度合いがガラッと変わるんです。心地よい緊張感がありながら全員がのびのびと表現できる現場の空気を作っていただけていたんだと思います。

 新型コロナウイルスの影響で通常開催が見送られたものの、本作は第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選出。現地からも絶賛の声が届けられている。

「映画というのは言葉や文化を越えて伝わるものなんだと感じて、改めてうれしかったです。カンヌ国際映画祭というと、きっと映画作品が世界中から集まり、垣根を越えて映画人が集い交流する場ですよね。残念ながら今回、本作の皆さんと一緒にカンヌに伺うことはかないませんでしたが、いつか私も訪れる日が来ればいいな、と願っています。そして、深田監督をはじめ、この作品に携わった皆さんとの出会いは私にとって本当に大切なものになりました」

 3時間52分(途中休憩あり)という超長尺の映画だが、すでに見た人からはあっという間だったという声が多数。

「劇場版を見てくださった方からは、まったく長く感じなかった、夢中で見てしまったという声を多く頂いています。出てくる登場人物はみんな、この先どうなるのか追わずにいられない個性豊かな人々ばかり。ぜひ劇場で楽しんでください」
(本紙・秋吉布由子)
『本気のしるし』〈劇場版〉
監督:深田晃司 出演:森崎ウィン、土村芳、宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉他/3時間52分/ラビットハウス配給/10月9日(金)より全国公開 https://www.nagoyatv.com/honki/
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