「川越でジャズ映画」へと導いたヘルシンキの灯り【映画『リ、ライト』】

【こころに残る映画ができるまで】vol.1 一ノ瀬晶監督①


 2016年より、こころに残る映画にこだわって製作活動を続けているunit.TOTLOT。2020年11月、最新作となる長編音楽映画『リ、ライト』の撮影を無事完了しました。たった12日間で撮り終えた駆け足の撮影の舞台裏とは? ジャズ界のトップミュージシャンが参加した熱いライブシーンとは? 今作が初プロデュース作品となる、新米プロデューサーの遠藤佳代子が、個性あふれるキャストやスタッフ、参加ミュージシャンの面々にインタビューを敢行、その全貌を少しずつ明かしていきます。第1回目にフォーカスするのは、観る人のこころにほんのり灯を灯すような物語世界を描く、監督の一ノ瀬 晶です。
一ノ瀬監督

初めての映画製作は、あえて8ミリフィルムで撮った大学時代


「フィルムが好きなんですよ」と笑顔で語る一ノ瀬監督。

「子どもの頃、時代劇や刑事ものをよく観ていたからかもしれませんね、あの絵のタッチが好きです。僕が大学生の頃は、当然ビデオが主流の時代でしたけど、あえて8ミリフィルムを使って映画を撮るサークルに入りました。フィルムって、とにかくお金も時間もかかる代物。3分ちょっとの尺で3000円、現像に最低2週間。バイトで稼いではお金を注ぎ込んでいました」。監督にも夢を追う若者の時代があったんですね!

 その分、「真剣勝負!」だったと、一ノ瀬監督は言います。「撮り直しはできないので、1シーン1シーン確実に、丁寧に!デジタルのように現場確認もできませんから、現像が上がるまでは『あのシーンはどうなってる?』『ピン大丈夫かな?』とヒヤヒヤでした。撮影後の編集も、まさに『切ったり貼ったり』というアナログ作業だったんです」。切ったり貼ったりでは、絶対に失敗できないですよね。不器用な私にはハードルが高そうです(汗)

「そう考えると、今は撮り直しもできますし、コストもずいぶん下がって、映画製作が身近になりましたね。僕はあのフィルムの絵が好きですけど、映画や映画製作に興味を持つ人たちが増えるのは嬉しいですし、デジタルとフィルム、両方にいいところがあると思っています」。

 そう思えるようになったのは、恩師だった宮崎晃監督の言葉もあったそうです。

「フィルムにこだわる僕に、師匠が言いました。『こころに残る映画を撮るために大切なのは『HOW(何を使って撮るか)ではなく、WHAT(何を撮るのか)。映画の中の物語世界が素晴らしいものであれば、どちらでもいい』ってね』。

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