元サッカー日本代表・鈴木啓太、ネクストキャリアの原点は「満員の埼玉スタジアム」

 元サッカー日本代表でAuB(オーブ)株式会社代表取締役の鈴木啓太が30日、丸の内のTOKYO創業ステーションにて行われた配信イベント「ネクストキャリアの見つけ方」に登場し、自身の起業家としての原点を語った。相手役はStartup Hub Tokyo 丸の内コンシェルジュの木村佳晶。
「ネクストキャリアの見つけ方」に登場したAuB 株式会社代表取締役の鈴木啓太(写真右)とStartup Hub Tokyo 丸の内コンシェルジュの木村佳晶
 サッカー選手を引退後、アスリートの腸内環境の解析を手がけるスタートアップを起業したことを「そうなる運命だった」と表現する鈴木。その原動力となるのは現役時代の所属チーム、浦和レッズの本拠地である埼玉スタジアムが真っ赤なサポーターで染まった一枚の写真だ。「僕は16年間サッカー選手として、運良くこの中でプレーしてきました。(満場の)6万人の観衆の前で何かを表現できることはなかなかない」と述懐する。ところが、最盛期には1試合あたり約4万5000人だった平均来場者数は年々減少し、2013年頃には約3万5000人程度に落ち着いていた。不思議に思った鈴木はある時、その理由をサポーターに直接聞いてみたのだという。

「返ってきた答えは『Jリーグが始まった時は40歳だったけれど、20年経って60歳を超えると身体が疲れてしょうがない』。そういう理由でスタジアムに来る人が減っていくんだ、と衝撃的でした。人間“歳を取ると疲れてくる”というのは重要な理由のひとつだな、と思ったんです」

 Jリーガー時代には、サポーターが不適切な横断幕を掲出したとして史上初の無観客試合も経験しており「スタジアムというのは人がいて、共感したり感情が揺れ動いたりするから素晴らしい。そこにお客さんが来られないのは、年齢による疲労の蓄積といった要因も背景にあると見えてきた」という鈴木。そこで、2015年頃からネクストキャリアを考え始めた時に、自身がアスリートとして毎日コンディションを整えてきた経験とサポーターの健康寿命を向上させたいという使命、幼い頃から母親の影響で身についていた腸に良い生活習慣が“アスリートの腸内環境の解析”という事業内容につながった。

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