東京の創業支援施設「TOKYO創業ステーション」4周年イベントを実施

未来を創る起業〜TOKYO創業ステーションThanksイベント〜

 東京の創業支援施設「TOKYO創業ステーション」が今年1月27日に4周年を迎え、周年記念として「未来を創る起業〜TOKYO創業ステーションThanksイベント〜」が3月10日、オンラインで開催された。


「TOKYO創業ステーション」は、起業に興味がある人から、具体的に起業の準備を進めたい人まで、都内で起業を目指す人をサポートする創業支援施設。TOKYO創業ステーション 丸の内の1階には、コンシェルジュ起業相談(事前予約制)やラウンジ、キッズスペース、イベントスペースなどを備え、初期の起業準備者も気軽に利用できる「Startup Hub Tokyo」がある。


 今回の4周年イベントは、起業準備者が起業に向けた意欲をより一層高めること、また、事業化を進める人にさらに成長するヒントを得てもらうことを目的に「未来を創る起業」をテーマに行われたもの。


 基調講演は、“スタートアップの必読書”として知られる『起業の科学』『起業大全』の著者でもある、株式会社ユニコーンファーム 代表取締役・ 田所雅之氏による『スタートアップの失敗の90%を潰す10のポイント』。国内外で計5社を起こした連続起業家であり、膨大な数の新規事業アドバイス・メンタリングを手がけてきた田所氏は、3200社のスタートアップの成功と失敗を分析した『Startup Genome Report』の資料と合わせたデータを基に、


「失敗するスタートアップは“思い込みを信じる”→“プロダクトを作る”→“見たいものを計測”→“さらに思い込みを信じる”というネガティブな循環にハマっていることが多い」など、スタートアップの失敗と成功を分けるカギとなるポイントを分かりやすく解説。


 続いて、株式会社メイツ代表取締役CEOの遠藤尚範氏が『メイツの起業ヒストリー〜ITの力で教育のアップデートを目指す〜』をテーマに講演。遠藤氏は、2010年に「理想の学習塾」を志し、学生起業により大学の仲間たちとメイツを立ち上げ、現在では首都圏26教室、関西4教室で学習塾を展開。さらに、学習塾管理システムrecoや学習塾専用アプリを自社開発している。「ITの力で教育のアップデートを目指す」とする遠藤氏は「民間教育の実態に対する憤りから始めた」と、塾講師のブラックバイトの経験をきっかけに起業した背景を振り返り「最初は“理想の塾”というあいまいなところから始めたのですが、実際に運営を続けるうちに、地域密着型の学習塾と個別指導型の塾というターゲットごとの2プランを見出した背景を語った。


 またこの日は、「Startup Stage」や「TOKYO STARTUP GATEWAY」などビジネスコンテストで高く評価された、新鋭起業家によるデモデーも開催。超小型人工衛星網を用いた健康医療ビジネスを展開する株式会社スペーシスの鎌田尚充氏、スマホナビを利用した体感誘導サービス『LOOVIC』を手掛ける山中享氏、農業を身近にするプラットフォーム『GamifyAgri』を手がける原田そら氏、粉末状化粧品を水溶性の絵具に変える「SminkArtキット」を展開する株式会社モーンガータの田中寿典氏、「次世代型全自動歯ブラシ」の開発・製造・販売を手掛ける株式会社Genicsの栄田源氏が登壇。学生起業家を含めた若手起業家たちが熱意あふれるデモンストレーションを見せた。