DJ KOO「小児がんがどれだけ社会的な支援を必要とするか知ってほしい」<2月15日は国際小児がんデー>

左から、DJ KOO、一般社団法人Empower Childrenの広津崇亮代表理事  撮影・蔦野裕
 小児がん――15歳未満の子どもたちがかかるがんを総じて呼ぶ言葉だ。日本では、毎年2000~2500人の子どもたちが小児がんと診断され、病と闘っている。毎年、2月15日の国際小児がんデー(International Childhood Cancer Day)には、世界各地で、小児がんの啓発活動が行われている。そのひとつに「LIVE EMPOWER CHILDREN 2021」がある。アーティストが同じ思いのもとに集結し、心をひとつに、チャリティーライブを行う。今年で2回目を迎える本公演について、出演アーティストを代表し、DJ KOO(TRF)と主催の一般社団法人Empower Childrenの広津崇亮代表理事に聞く。



――最初に、一般社団法人Empower Children(以下、EC)の活動についてお聞かせください。

 広津崇亮(以下、広津):ECは、「エンタテインメントは、子供たちの『生きる力』をつくる。」をコンセプトに、2018年スタートした団体です。小児がんの子どもたち、そしてご家族が置かれている現状をより多くの方に知っていただくとともに、みなさんから寄付を募って、子どもたちやご家族のサポート、高額になる治療費の支援、治療研究の支援など、さまざまな活動を行っています。

――小児がんの子どもたちやご家族は、どのような「大変さ」と向き合っているのでしょうか?

 広津:小児がんの治療には社会的な支援が必要で、ご家族の負担が大きくならざるを得ないんです。例えば、大人なら1人で病院に行けますが、子どもには難しいですよね。抗がん剤治療は大人にとっても大変なことで、子どもならばなおさら。家族によるケアが必要になってきます。そのために病院の近くにご家族が宿泊できる施設を作る取り組みが行われていたり、病院とご自宅の間のような施設であるケモハウスもひとつのサポートになっていると思います。そして、高額な医療費です。治療は長くなりますし、最先端の治療を受けるために海外に行かれる方もいらっしゃいます。

 そうした「大変さ」をサポートするために、ECは、2020年に小児がんの子どもたちを音楽で元気づけるためのチャリティーイベント「LIVE EMPOWER CHILDREN 2020」を開催しました。団体を設立してから最初のゴールとして設定していたのですが、準備に2年もかかってしまいました。

――イベントの反響はいかがでしたか?

広津:うれしいことに、「ライブが良かった」というお声をたくさんいただきました。イベントには寛解したお子さんたちも招いたのですがとても楽しんでくれていましたし、病院で治療中の子どもたちもタブレットで楽しそうにライブを見てくれていたので、このイベントをやって良かったと思いました。

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