五輪パラの表彰台は史上初のオールリサイクル

オールリサイクル素材で作られた表彰台(写真:Tokyo 2020)

 東京2020大会の開幕まで50日となった6月3日、セレモニーで使用される表彰台や楽曲、衣装、メダルトレイが披露され、大会が掲げるコンセプト「持続可能性」を意識して作られたアイテムが並んだ。

 五輪パラリンピック史上初めてのオールリサイクル素材となった表彰台は、市民参加型プロジェクト「みんなの表彰台プロジェクト」によって集められた使用済プラスチック約 24.5トンをもとに、合計 98 台を製作。デザインを担当した野老朝雄は「プラスチック素材という我々の生活から出たものが、人が乗っても大丈夫なものになりました。素材の研究や3Dプリンターなど、テクノロジーの力だと思う。次世代につながるバトンになれば」と話した。

 衣装は、現代の祭典にふさわしい「新しい礼服」をコンセプトに、「かさね」「おり」「結び」「染め」といった和装の伝統技術を取り入れ、暑さ対策など、洋装の機能性も兼ね揃えたデザイン。多様性も表現し、パンツスタイルとワンピーススタイルのいずれかをボランティア自身が選べるようにするという。メダルトレイは、伝統的な扇子をモチーフに、リサイクル可能な再生素材を使用。ベースカラーは、コアグラフィックス「藍」の最も深い色目を採用し、表彰台や衣装との調和を目指した。ファッションディレクターの山口壮大は「和服と洋服の良いところを取り入れながら作りました。和服が織りなす佇まいは情緒的。動くたび揺らめく美しさを感じていただければ」とデザインに込めた思いを話した。