塗りつぶされていた部分が明らかに…本来の姿に修復されたフェルメールの名画を東京で初公開

 

『ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展』が2月11日から上野・東京都美術館にて開幕。大規模な修復プロジェクトによってキューピッドの画中画が現れ、フェルメールが描いた当初の姿となった《窓辺で手紙を読む女》が展示される。同作が所蔵館であるドレスデン国立古典絵画館以外で公開されるのは世界初。

 17世紀オランダを代表する画家、ヨハネス・フェルメールは、写実的かつ綿密な空間構成と美しい光と影の表現で世界中から愛されながら、現存する作品はわずか35点とされている、寡作の作家でもある。初期の傑作《窓辺で手紙を読む女》は、手紙をモチーフにしたフェルメール作品の中でも代表的な名画とされてきた。女性の背後の壁に、実はキューピッドの画中画が描かれていることは、1979年の調査で判明していたが、長らくフェルメール本人が塗りつぶしたものだと考えられてきた。

 しかし、2017年から始まった専門家チームによる修復プロジェクトにより、実はこの上塗りはフェルメールの死後、何者かによって行われたものであることが明らかとなり、フェルメールの描いた姿に修復されることとなった。

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