ファーブルになりきって昆虫とふれあえる!東京ドームシティ『体感する昆虫展TOKYO』

 代表作『昆虫記』で知られるフランスの博物学者、ジャン=アンリ・ファーブルが2023年に生誕200周年を迎えることを記念し、文京区の東京ドームシティ「Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)」にて『ファーブルに学ぶ!体感する昆虫展TOKYO』がスタートした。

Gallery AaMo『ファーブルに学ぶ!体感する昆虫展TOKYO』より「ファーブルの世界」

 同展はどんな苦難にも学びの意欲を失わず、自分の目で見た確かな事実しか信じないゆるぎない精神と、豊かな感受性を持ち合わせたファーブルの業績や人生をたどるもの。入り口に入ってすぐの展示室は「ファーブルの世界」と題し、ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」より貸し出された70点の昆虫標本やファーブルの遺品の展示、生誕地のサン・レオン村のラベンダー畑を再現している。

ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」館長で、同展を監修したフランス文学者の奥本大三郎氏

 ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」館長で、同展を監修したフランス文学者の奥本大三郎氏は、幼少の頃に父親が捕まえたオニヤンマをきっかけに昆虫の魅力に開眼。

 展示した標本の見どころを「ヒカルゲンジオオイナズマは、1980年にフィリピンで発見された珍しい蝶で、特に新鮮な個体は紫色の光があってとてもきれいです。源氏物語絵巻が似合うので一緒に展示しています。その隣のナポレオンタテハは、ナポレオンという名前が付けられていますけど、実際に見てイメージとぴったりするでしょうか。カマキリ、トンボ、バッタ……いろいろな標本がありますが、それぞれよく見るととても味わい深いです」と解説する。

 ファーブルの遺品については「ファーブルは儀式が大嫌いな人で、19世紀中頃のフランスの正装といえばシルクハットとフロックコートですが、ファーブルはプロヴァンスの農民が被る黒いつば広帽を愛用し、教師をしていた学校の行事で校長先生に怒られたといいます。学校を退職した後、シルクハットに土を入れてバジリコを植え、収穫後に踏み破ってしまったそうです」という逸話を披露。このエリアでは、少年時代に聖歌隊で音楽を学んだファーブルが残した楽譜から再現した曲が流れている。

ファーブルの愛用品を展示したコーナー
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