今年も始まったショートフィルムの祭典!SSFF2023!まずは“これぞショートフィルム!”音楽家の苦悩を描いた『LOOK AT ME』に注目せよ!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 先週の土曜日(13日)からTOKYO MX2 にて放送が始まった「J-BOT ケロ太」、皆さんからたくさんのご感想と激励の言葉をいただいております。ありがとうございます。

 これからもどんどん面白くなっていくと思いますので、ぜひ今週からでもご覧いただければです。間もなくYouTubeでの見逃し配信も始まりますので、第1話を見逃しちゃったって方も大丈夫ですから。

 では今週も始めましょう。

インターナショナル特別上映 『LOOK AT ME』

筆者は、そこそこの映画ジャンキーで地方の映画祭などに行くと、日に15本ぐらいは、確実に観ます。そして、作った人たちを探して捕まえて朝まで語り合います。

 勿論2時間の映画を15本観ていたら30時間超えちゃって1日におさまらないのですが、そこで活躍してくれるのが“ショートフィルム”、1本5分から15分、長くても30分程度の作品たち。そんなショートフィルムの祭典SSFF2023が、今年も開催されるとのことで、早速出展作品を観させて頂きました。

 決して15分のショートフィルムは、2時間の映画の8分の1の面白さではないということ。しっかりと濃縮された“1本の映画”を観た読後感が、そこにはありました。

 今回鑑賞した『LOOK AT ME』は、チャリティイベントで、タップダンスにドラムで伴奏をつけるミュージシャンと、それをディレクションするプロデューサーの対立を描いた16分のストーリーなんですが…まぁ、良かった!!

 ほとんど台詞がないのですがタップダンサーも主役の1人で「音楽で表現する者」「身体で表現する者」、そして「プロデュースする」という「表現に関わる者ども」の苦悩やら葛藤やらが、ドラムの音に彩られていく、素晴らしく素敵な映画。

 結局、映画という媒体は、音と光なので、音楽を題材にするのはとても強いし、主人公が煙草も吸うから、煙と火で「絵を見るだけで、感情が伝わる」。
 筆者は職業柄、タイムを取りながら映画を観るのですが「え、まだ7分!?」と、思ったほど濃厚でした。
 前半、ほとんどBGMがなく、中盤でようやく鳴ったBGMに、ドラムが入ってくる瞬間は、まさに会心の一撃。
 長編映画とショートフィルムは、文学でいう小説と短歌みたいな関係なんですかね。

 まだまだ面白そうな作品が沢山あるSSFF2023、注目です!

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
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