満月の夜には何かが起きる!スタイリッシュムービー『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』を観た!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 先週の相談で交通事故の件を書かせていただいたんですが、励ましの声をたくさんいただくと同時に、勉強になったという声もいただきました。少しでも皆さんのお役に立ててうれしいです。

 とりあえず今は11月4日に初日を迎える、ボクらの罪団 第七犯公演『Island-売春島-』の稽古に励む毎日を送ってます。何度も恐縮ですが、ご興味のある方はぜひ。

 では今週も始めましょう

『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』 監督・脚本:アナ・リリ・アミリプール 出演:ケイト・ハドソン、チョン・ジョンソ、クレイグ・ロビンソン、エド・スクライン、エヴァン・ウィッテン 11月17日(金)より全国公開 配給:キノフィルムズ © Institution of Production, LLC

 時々、突然理不尽に“カッとなる人”に出会うことってありませんか? 理由は様々だし、相手にも事情があることは、ある程度想像できるのですが、全てに正面からぶつかっていると疲れちゃうし、心や時間に余裕がないとき筆者は、夜空を見上げて「あ〜、今夜は満月かな?」とか、思うようにしています。そして、やっぱり、だいたい満月。

 科学的根拠はゼロですが古くから“狼男”を始めとして「満月の夜には人がおかしくなる」という伝承は多く残っているので、あながち間違いとは言い切れないのではないでしょうか?

 あとは、低気圧とか、寒暖差とか…「相手だけのせいにせず、自然現象に責任を押し付ける」のは、人を憎まず生きていけるのでオススメです。

 話がそれましたが、今回鑑賞したのは『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』。
 そんな“満月の夜”に不思議な力を得て、入院させられていた精神病棟から逃亡する女の子の物語。映像と音楽がとてもオシャレで、ハイテンポに進んでいくのですが、注目したのは「主人公がアジア系の女性」で、それ以外にアジア人が、ほとんど出てこない。

 舞台はアメリカで「何を考えているのかわからない主人公」をアジア人が演じていて、それを取り囲む、アメリカに住む人々の感情表現の豊かさのコントラストが、実に素晴らしい。

 本来、物語を作るときは「主人公の成長」(堕落していく話でも、それはマイナス方向の成長)をメインに描くのですが、この作品は巧みに、逃亡生活のバディを、チンピラ、アバズレ、少年…と、変えていくことで、感情表現をしないという態度は変わらないのに「人との関わりかた」で成長を見せるし、衣装というかビジュアルを、どんどん変えるけど、見失わない。

 これもまた“逃亡”が、起因する行為なので、無駄がなく、全然うるさくないのが演出の妙。

 ラストは…公開前だから、まだ言えない! 泣いちゃった! 皆様、ご注目下さい!

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23