バンタム級トーナメントに参戦の伊藤空也「決まった以上はやるしかない。こんなチャンスはもう二度とないかもしれない」【RTU】

 アジアの有望なMMA選手にUFCと契約するための道を切り開く「ROAD TO UFC」。その4回目「シーズン4」が5月22~23日にスタートする。この2日間では4階級32名の選手が出場するトーナメントのオープニングラウンドが行われ、日本からは8選手が参加。また、非トーナメント戦のワンマッチにも2名の選手が参戦する。大会を配信するU-NEXTから出場選手のコメントが届いた。

 現Eternal MMAバンタム級王者の伊藤空也(BRAVE GYM、17勝8敗1分)はバンタム級トーナメントに参戦。23日の「エピソード3」第3試合でシン・カイ・シオン(シンガポール、6勝1敗)と対戦する。なお大会の模様は23日20時からU-NEXTで配信される。

伊藤空也(©U-NEXT)

 RTUトーナメント出場が決まった時の心境は?
伊藤空也(以下、伊藤)「正直、今回のRTUに選ばれることには全然期待はしていなくて、オーストラリアのEternal MMAのベルトを獲ったから、今年はその王座を防衛するのかなって感じでいました。そういうなかで決まったので、自分でも正直びっくりしたんですよね。だから決まった以上はもうやるしかない。本当にこんなチャンスは僕のこれからのキャリアで考えたらもう二度とないかもしれないなというのがあったので、僕にそういう巡り合わせが来たんだなと思って。決まったからには意味があると思いました。だから、“やるしかない!”って感じですね」

 UFCというのは、伊藤選手のなかでどのような位置付けでしたか?
伊藤「UFCって、出たくて出られるもんじゃない。まずもう、本当にまず弱い奴って。絶対いないから、全員が超人だと思っているので。本当にそういう意味では夢の舞台というか、そこに出られるだけですごいと思っているんです」

 バックボーンである空手の経験について教えてください。
伊藤「実は保育園の頃から、空手を無理やりやらされていたんです。そこを休会して何もやってなかったんですけど、小学6年、中学上がる頃にもう1回やってみようとなって、今に至るって感じですね。最初は、今振り返ってみても運動がそんなに好きじゃない子だったんですけど、運動一家だったので親の方針で近所の空手道場に連れて行かれていた感じだったのだと思います。再開した頃というのは周りがみんなスポーツをやっているなかで自分は何もなかったから、もともと空手をやっていたからというのと、プロレスや格闘技を見るのは好きだったので、縁があったというか自分もやってみてもいいかなと思って、休会していた空手道場にもう1回通い始めた感じですね」

 MMAの世界に入りプロになった経緯は?
伊藤「当時通っていた空手は禅道会空手という、どちらかというとMMA寄りの空手の流派だったんですよね。今はいろいろあると思いますが昔は顔面ありの空手があまりなかったというのもあって、顔に当てることに抵抗なくやっていたのはMMAでは生きてきたと思います。だから、先輩たちがDEEPやZSTに出ているような選手ばかりで、自分もそれを見て影響を受けて、そういう舞台に出て試合をしてみたいなと憧れるようになり、仕事をしながらプロになったというきっかけですね」

 そこからBRAVEへ移籍することになった経緯というのは?
伊藤「自分の弱点でもあり、今後MMAでやっていくうえで必要なものとしては絶対にレスリングであり、グラップリングであると、そこは自分にとっての穴だったので、僕がこれから先ベルトを狙っていくにしても、上へ行くためには絶対的な穴であるから、だったらそこが強いジムに行ったほうが早いなということで、移籍を決め、宮田会長に連絡しました。宮田さんにとっては多分、移籍が入ったのが僕が初めてだったと思うので、そういう戸惑いはあったでしょうね。あと、僕は弟子入りという形で入ったので、今はもうジムの若い選手たち、地方から来るような子たちは寮とかあるんですけど、当時は寮がなくて、僕、ジムに住んでたんですよ(笑)。そういう意味で、生活そのものが格闘技、という意味で整っていたので、いろいろ面倒を見てくれました」

 BRAVE勢にはレスリングのイメージを抱きがちですが、今さまざまな団体で打撃ベースの選手たちが活躍していますよね。伊藤選手ご自身も2団体のベルトを持っています。
伊藤「僕自身はやっとこうやって形になってきたというか、レスリングの強みがやっと出てきましたよね。結局、レスリングやグラップリング、つまり寝かされる状況になってもそこで自分には自信があるわけだから、思い切って打撃で行けるというのはあるかもしれないですよね。僕と、たとえば野村駿太や木村柊也のような選手たちはスタイルが違うかもしれないですけど、僕の場合あまりKOパンチのようなものはなくて、削って削って、そこで最後凌ぎ勝つっていうスタイルだから。そういう面ではもう彼らはモロに伝統派空手育ちですから、今、形になって花咲いてるんじゃないかなって感じがしていますよね」

 UFCファイターで、現在のご自身の階級で気になる選手はいますか?
伊藤「ピョートル・ヤン選手ですかね」

 対戦相手であるシンガポールのシン・カイ・シオン選手はフリーニンジャ・スタイルと言われていますよね。この「フリーニンジャ」についてはどう解釈していますか?
伊藤「『フリーニンジャ』って多分、僕もそれを試合を見ていて思ったんですけど、結構何でもできる選手ですよね、とにかく動くんで、そういう面じゃないかと思います。打撃だけじゃなくて、そこからテイクダウン来て、テイクダウン来たかなと思ったら、今度は寝技行って、また打撃に戻って、みたいな。結構トータル的に何でもできるというか、止まることがなかったから、そういう部分を称したのかなって思います。すごい噛み合うんじゃないかなって思いました。何でもできるし、全然何で勝負しても大丈夫っていうか。そういう練習を僕はしてきてるので、やってみたら面白いかなと思いました」

 どんな試合をしたいと思っていますか?
伊藤「結構キツい試合になると思うので。で、見てもらう人たちには、気持ちの強さとか、最後に粘り勝つような部分、そしてエキサイティングな試合が見せられればいいと思います」

 応援しているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
伊藤「日本代表として試合が決まりました。アツい試合を届けますので、画面越しになるとは思いますが、当日は日本から応援よろしくお願いします!」

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