今どきの女の子たちの視線を通して描かれる“在日コリアンの今”映画『トロフィー』が、とってもインクルーシブだった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 黒田勇樹です。

 東京は早くも真夏みたいな暑さで、これからもうちょい後に本当の真夏が来るのかと思うと…。いや、考えるのはやめましょう。

 そろそろ発表になるかと思うのですが、9月の芝居に向けてこの暑い中、頑張ってます。皆さんもお気をつけて。

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

「在日コリアン」という言葉自体で一歩身構える方も多いかもしれません。筆者は「なんか、別に人間は人間」という、ボーッとしたスタンスで暮らしているので「これだから埼玉のヤツらは!」と「これだから朝鮮のヤツらは!」が、同じ温度です。

 今回、鑑賞した「トロフィー」は、在日コリアンの少女と日本人の少女の友情物語を軸に、日本における環境や、コリアン同士での関係などが、非常に緻密に描かれていきます。ただ、あくまでも青春ストーリーなので、表現が重くなりすぎない。
「チア☆ダン」「フラガール」と同じジャンルといっていいでしょう。
 ここが、表現としてとても上手だし、素敵でした。
 コリアン同士でも北か南かなど、事情は複雑に絡み合っているということなどあまり想像していなかったので、学びもある。

 帰化とか在日とか、韓国とのハーフとか、今までざっくり「韓国人」と認識していた人たちに対しての解像度がかなり上がった気がします。

 特筆すべきは、その自然な演技。主演の少女2人に加え、父親を演じる井浦新さんを始めとした家族、それを取り巻く人々。皆とても自然な演技をされていて「劇的」というよりは「これが日常」ということこそが、衝撃的という印象でした。

 弟役をやっていた千就も、とっても良かった。井浦さんに引けを取らずの自然体で無垢に「北朝鮮て悪い国なの?」とか、聞く姿など可愛いのにゾッとする素晴らしい演技でした。

 監督ご自身が在日3世ということなので、だからこそ出来たインクルーシブルな空気感だったんだと思います。

 タイトルになっている「トロフィー」は、主人公の参加するダンス大会のものを指すのですが、きっとそれ以上に意味のある「目に見えないトロフィー」が、あると思わせられる作品でした。その正体は是非劇場でご確認下さい。

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