THE RAMPAGE 岩谷翔吾、最新作はダンス小説! タイトルの『一人分の夜を生き直す』に「最も表現したかった部分が込められている」映画化決定の『選択』に続く2作目

 

どんな夜があっても、朝起きたらお腹は空いている


――本作はダンスバトルで優勝した蓮と大和という2人の青年の人生が交錯していく様を描いていますが、ストーリーを書く上で大切にしたことは?

岩谷翔吾:誰しも「あの時、もし別の選択をしていたら」と思う時があると思うんです。けど、どんな夜があっても、朝起きたらお腹は空いているし、仕事に行くし、誰かと会っていたりする。そんな誰もが抱えている忘れられない過去や悩みとどう向き合いながら生きていくのかというのを軸にしながら、その中で揺れ動く人の心を丁寧に描くことを大切にしました。

――岩谷さん自身は「やり直したい」と思ったことはありますか?

岩谷翔吾:僕自身は特にないです。大なり小なり悩みはありますが、過去に執着しているタイプではないんです。でも、生きるってこういうことだよなって思います。

――本作の執筆で最も苦労したことは?

岩谷翔吾:完成までに2年かかりましたが、苦労は特になかったです。物語の結末は決めずに書いていたので「どこに着地するんだろう?」とは思っていたのですが、最後は蓮と大和が僕をゴールまで運んでくれました。タイトルもなかなか決まらなかったのですが、執筆のラストスパートの時に最後から2行目の「一人分の夜を生き直す」って言葉がスッと出てきて。そして、自分が今回の小説で最も表現したかった部分が「一人分の夜を生き直す」に込められていたので、その瞬間にタイトルもこれでいこうと決めました。あと、執筆の後半からは自分の想像を超えて、小説に出てくる登場人物たちが物語を動かしてくれた気がします。その人物が生きてきた背景などを細かく設定して頭の中でイメージを膨らませていくと、その奥にあるものが見えてきて、憑依じゃないですけど、作品の中に自分が入り込む感覚があったんです。そのゾーンに入れば、物語は勝手に動いていくんだなと思いました。

「クラブを抜け出して…」に書きながらキュンキュン

 

――逆に本作の執筆で最も楽しかったことは?

岩谷翔吾:作中に穂乃果という女性が出てくるのですが、その女性のエピソードを書いている時は楽しかったというか、キュンキュンしました(笑)。クラブを抜け出してあるものを食べにいくシーンは特に。

――その部分、何かからインスピレーションを受けたのでしょうか? 実体験とか?

岩谷翔吾:実体験はないですけど、実際にクラブから少し歩いたところにそのお店があったような記憶があるので、書いている時にパッと出てきました。で、書いてみたらすごく良いエピソードになったので、穂乃果との掛け合いのシーンが僕は好きです。