米倉涼子『かげろう絵図』に臨んで時代劇の大切さが分かった

米倉涼子

 松本清張の傑作時代サスペンス『かげろう絵図』がスペシャルドラマとして放送される。主演は米倉涼子だ。

「どろっとしている時代劇を見てみたい、感じてみたいなと思っていたので、すごく楽しみにしていました。松本清張さんの作品って、どろどろしていて、重厚で、見ごたえがあって。でもどこかさっぱりしている、すっきりしそうなところがあると思います。松本清張感がどういう形になって出来上がってくるのか楽しみにしていただければ」

 米倉が演じるのは、殺された父の敵である現政権の悪事と裏事情を探るために大奥に滑り込む勇敢な女性、縫(ぬい)。

「撮影は新鮮でした。時代劇の経験は大河ドラマの『武蔵 MUSASHI』のみで、田舎の娘の役でしたから、大奥とは別世界なんです。着物はまくりあげてるし、草鞋を履いていました。だから今、寝屋に入るときにいろいろ人が見張っていることだとか、着物の裁き方のようなちょっとしたこと、すべてが新鮮でした」

 撮影中、頼りになったのが、山本耕史、夏川結衣、津川雅彦といった共演者だ。

「津川さんは心の支えでした。時代劇はどうしておけば大丈夫とか、作品の世界に踏み込む前の段階から支えになってくださいました。山本さんや夏川さんからは、時代劇は落ち着いていなきゃいけないんだなってことを。みなさん余計な動きをしないのに、すごく何かが伝わってくる。その感じを教えてもらった気がします」

「イキイキと体を動かせるもの、ミュージカルとかに興味があって、これまで時代劇には全然興味がなかった」という米倉だが、この作品に出会ったことで、時代劇に対する思いも変わった。

「着物をこう着ると美しいとか、持ち道具さんが持ってきてくださる道具だとか、知らない世界がこんなにもあるんだって思いましたし、日本人であるかぎり、時代劇って大事だなってことも思うようになってきました。機会があれば、また京都に行って新しい思いを感じたいと思っています」

 フジテレビ系にて4月8日午後9時から。