小池百合子のMOTTAINAI クールビズ・山の日 ライフスタイルは自分で選択

 関東地方もいよいよ梅雨入り。

 6月1日には、群馬県館林市で36.3℃を記録し、早々に猛暑日の到来です。また、北京で40℃以上を記録した中国の熱波の影響で、北海道で真夏日が続くなど、予想できない動きが出ています。

 では、今年の夏はいったいどうなるのでしょうか。消費税率アップ後だけに、気温が影響する景気動向も気になるところです。

 様々な観測を総合すれば、今年は5年ぶりにエルニーニョ現象の発生が予想されています。

 エルニーニョは、東太平洋の赤道周辺で海面水温が上昇する現象のこと。西太平洋では、逆に水温が低下することから、今年の日本は梅雨が長引き、冷夏となる予測もあります。

 高知県四万十市で史上最高の41.0℃を観測するなど、うだるような猛暑となった昨年のことを考えると、冷夏は歓迎したいところです。88歳だった母も、体調を崩し、死期を早めましたし…。

 今年は、私が環境大臣として始めた「クールビズ」導入から10年。先日も、東京で開かれた国際会議の会場で、多くのビジネスマンから、「小池さん、ありがとね」と声をかけられました。10年が経過し、誰が始めたかも忘れられるほど定着している中で覚えてくださっている方もおられるのか、と感激。

 ただ、5月1日からの「クールビズ」、6月1日からのアロハもOKとする「スーパークールビズ」の仕分けはワタクシ的には、いまだにしっくりきません。

 そもそも意識改革を起こし、一人ひとりのライフスタイルを見直しつつ、気候変動への配慮を呼び起こすことが、当初の目論見でした。「政府が個人の服装にまで口を出すのは気色悪い」と批判もありましたが、そうでもしなければ、地球温暖化対策が進まないことから始めた一種のショック療法です。

 これまでの社会的呪縛から逃れ、暑ければ「クールビズ」「スーパークールビズ」にすればよいのであって、日にちを決めて、それに「従う」ではまだまだ呪縛からは解き放たれていないようです。

 先日、2016年から、毎年「山の日」として国民の祝日とする法律が成立しました。「海の日」があるなら、「山の日」があってもよいだろうと、関係者が運動した結果だとか。法律の賛否を問う衆議院の本会議場を、実は私はそっと抜けだしました。

 次は「陸の日」でしょうか。

 そもそも日本の祝日は多すぎます。7月20日を「海の日」とする際も、違和感を覚えた私です。もっと自由に休む時は休んで、有給休暇もしっかり取って、自らのスキルアップに使うなり、家族との時間を活かしたりする。みんなでへとへとになるまで働いて、みんなで一斉に休んで、みんなで交通渋滞に巻き込まれ、さらにへとへとになる。

 もういいじゃないですか。

 一人ひとりが自信をもって、自らの選択で生きてほしい。そう願っています。

(衆議院議員/自民党広報本部長)