国際連携と情報共有がテロから国と命を守る【対談】中山泰秀×潮匡人氏

 世界がテロの脅威にさらされている今、テロを未然に防ぐには何が必要か。自由民主党 治安・テロ対策調査会副会長の中山泰秀衆議院議員と作家で評論家の元航空自衛官・潮匡人氏に話を聞く。

中山泰秀(なかやま・やすひで)昭和45 年10 月14 日生まれ。衆議院当選4回。外務副大臣等歴任。シリア邦人人質事件においてヨルダン現地対策本部・本部長を務める。毎年ロサンジェルスで開催される「ミルケン会議」における、日本の政治家初のパネリスト。早稲田大学大学院卒業。ブリガムヤング大学ハワイ校客員教授。追手門学院大学客員教授。

身近にあるテロ

潮「昨年はパリのテロで始まり、パリのテロで終わった。そして最近ではベルギーと相次いでテロが起こっている。これはISIL、いわゆるイスラム国による犯行だと、彼ら自身の声明でも明らかにされています。このように先進国においても悲劇が繰り返されることは悲しいかな現実です。ですから私たちは、ひとつひとつきちんと情報を収集して、事実を踏まえた上で冷静な判断をすることが、大切だと考えます」

中山「もはや現代の戦は、1国のみで防衛にしろ攻撃にしろ解決できる時代ではないという事を、その変化をしっかり理解しておかなければなりません。従ってテロ対策における同盟国間での情報共有は、必要不可欠といえます。ヨーロッパでもそれぞれの国が得た情報を、EUとしてしっかり共有できていたとすれば、パリやベルギーのテロ被害を未然に防げる可能性があった事は否めません。他方で連携しにくい理由のひとつとして、インテリジェンスの特性上、その国固有の過去に培ってきた伝統やノウハウ、人員、予算、情報取集、分析、管理等が動いているので、例えバイであろうがマルチであろうが、苦労して集めた情報を、そうやすやすと出したがらない、という観点からも共有するのが難しい。政府のテロに対する取り組みとして、外務省に国際テロ情報収集ユニットを創設しています。法治国家である日本が、法を無視して攻撃を仕掛けてくる者に対して、法律のありようも含めて、万全な体制を整備構築していく事が急務と考えています」

潮「いわゆるソフトターゲットが狙われるというのが、ISIL の犯行のトレンドになってきている。これらのテロに対して、それを100%未然に防止するということは、いかに安倍政権が最大限適切な努力を払おうが、過大な期待を持つべきじゃない。100%の安全は、残念ながら私たちが生きているこの社会では願ってもかなわないことだと思います」

中山「かつての戦争は、国家 vs. 国家の戦い。これからの戦争は、1人 vs. 国家の戦い。現代の戦は技術の進歩によって、距離、時間等の概念がなくなってきています。一度テロリストがインターネット技術を使えば、クリックした瞬間に戦場の血生臭さを茶の間に届ける事ができる時代。ISIL が具現化させた恐怖のシナリオは、テロリズムとハイテクを掛け合わせ、世界中の人々を恐怖のどん底に陥れたこと。さらにインターネットを通じ巧みに、兵士の勧誘までしている。私たちが新たな時代の変化に直面しているという現実を理解し、意識改革する事が必要だと思います」

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