間宮祥太朗 × 桜井日奈子 ネガティブキャラが愛おしい!映画『殺さない彼と死なない彼女』

撮影・星野雄飛

もし小坂や鹿野がクラスメイトだったら…?


桜井「私、間宮さんとだったらすぐ仲良くなれると思います。今回、鹿野と小坂の2人のシーンが多かったので、現場でもよく間宮さんとご一緒させていただいたんですが、一見クールな方かなと思いきや、コンビニでガムを買ってくれたり、空き時間にクイズで場を明るくしてくれたり。クイズで遊んでいたときのテンションもけっこう高くて(笑)。私も楽しい雰囲気が大好きなので、明るいノリも受け止めてくれる人なんだと分かって、すごく安心しました。もっとテンションの高い間宮さんを見てみたかったです(笑)」

間宮「自分ではわりと大人しくしていたつもりなんですけど(笑)。僕も、桜井さんがクラスにいたら体育会系つながりで、すぐ仲良くなれたと思います。運動部系であれ文科系であれ、まとっている雰囲気が明るい人のほうが男女関係なく友達になりやすいし。あと、これはこちらの勝手な注文ですけど、男子のノリが苦手じゃない女子だと助かります(笑)」

 では、もし小坂や鹿野とクラスメイトだったら?

桜井「小坂だったら…合わないかもしれないですね。小坂って、いつも教室の隅で、周囲に対して壁を作ってるというか、声をかけちゃダメなのかなという雰囲気を出してたりするので。私だったら、そっとしておいたほうがいいのかなと思ってしまうかも」

間宮「僕は別に、鹿野に普通に声をかけるのはためらわないと思いますけど、鹿野のほうが僕みたいなタイプを避けるんじゃないでしょうか(笑)」

 繊細で複雑な気持ちを抱え、孤立しがちな小坂と鹿野。そんな2人が引かれ合った理由とは…。

桜井「私は、鹿野と小坂は2人ともが少し変わっていたからじゃないかな、と思います。ちょっと周囲から浮いていて、孤独感を抱えていて…お互いに似たような空気を感じ合っていたんだと思う。だから無意識のうちに引かれ合ったんじゃないかなと思います」

間宮「それと、2人はお互いに足りないものを補い合うことができる存在だったんじゃないかな。この人といるときは、自分の嫌な部分をちょっとだけ受け入れることができる、というか、肯定できることを、たぶん頭ではなく心の奥底で感じていて、一緒にいると気持ちがラクで居心地がいい。だから表面的にはぞんざいな態度をとりつつも、気づけば一緒にいるんでしょうね」

 自分自身のことも気になる相手のことも素直に“好き”なんて言えない…そんな複雑な気持ちは大人にだって、よく分かる。

桜井「私も自分の嫌いなところがたくさんあります(笑)。仕事でも人間としてもまだまだ未熟だと思うことばかりで。まあ、言い出したらキリがないんですけど」

間宮「僕は自分自身を好きか嫌いでとらえたことがないですね。好きだろうと嫌いだろうと自分は自分、というか。そういうことを考えるのって人間くらいなものでしょうね。例えば犬は、この人好き、この人が苦手、とかあっても自分のここが嫌い、なんてことで悩まないだろうし(笑)」

桜井「間宮さんて、考え方がおもしろいというか、感心させられてばかりです」

間宮「そうかな(笑)? もちろん僕も、仕事の面で反省することは普通にありますけど、でもそれで自分を嫌いになる必要は無いと思うんです。人によって求めてくることは違うし、誰かに何か言われたからって、自分を無理にその形にはめようとしなくてもいいんじゃないかな」

桜井「そっか…そうですよね!」

 ネガティブな言動に隠された優しさと、タイトルに込められた切なくも温かな結末に、共感&感動必至。

(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)
©2019映画『殺さない彼と死なない彼女』製作委員会
『殺さない彼と死なない彼女』
監督:小林啓一 出演:間宮祥太朗、桜井日奈子他/2時間3分/KADOKAWA、ポニーキャニオン配給/11月15日(金)より全国公開 
【『殺さない彼と死なない彼女』公式サイト】http://korokare-shikano.jp
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