素敵なババアであれ。〈後編〉【SOD女子社員・負け犬女の働き方改革】#14

前回に引き続き、渋谷のバイブバーやアダルトショップワイルドワンの広報をつとめるYukaさんへのインタビュー。
こちらも昨年行われた「イケメンフェスティバル2019」より、ワイルドワンの出展ブースの様子。左がYukaさん、右がフェッティーズRさん。Rさんの緊縛体験も人気だった

今回の話し相手:株式会社ワンルドワン広報 Yuka


L.Aからのインポートアパレルショップを15年経営の後、転職し現職。都内に5店舗あるアダルトショップとバイブバーの広報活動、バイブバーのプロデュース、イベントを企画したり、イベントに参加させてもらったり、コラムやグッズレビューを書いたりもしています。
https://www.wildone.co.jp/user_data/shopinfo.php
(前回の記事はこちら… https://www.tokyoheadline.com/503150/


―――前職から通して、仕事をしていく上で一番挫折したことって何ですか?

 自分の劣化ですね。

 店をたたんだくらいの頃です。辞めたきっかけとして、自分の見た目はもうこれ以上、人前にさらすようなビジュアルじゃないって思った瞬間、「もうこの仕事辞めたいな」って思ったんですね。もうこれ以上オシャレして華やいだ自撮りをアップしても、みっともないだけになっちゃうかなと思ったり。本当に自分で自分の劣化が受け止めきれなくなって、すごくつらかったです。若い人の美しさを見て、もう私にはあの綺麗さは戻ってこないんだって。


―――その気持ちって、どうやって解消していったんでしょうか。

 やっぱり今となっては、「魅力的な人間であれ」って思えるようになったことですね。素敵なババアになろうと。今はそういう方向性が見えてきたんで、私は今この劣化具合でいいんだって思って、自分のこと好きになれました。

 バイブバーのスタッフ、みんないい子で仲良くしてくれてて、そういう人たちと一緒にいられる“おばさんの自分”がすごい幸せだなと思えるようになったからかもしれない。イケてるババアになったらみんなが遊んでくれるんだと気付いて(笑)。あとはこのイケてるババアをキープすればみんなと仲良くできるんだ、なんて素敵なんだろうと思いますね。

 あとババアだからこそ乗れる相談って結構多いなと思うんです。実際に自分が感じた膣の衰えだったり、体の変化だったり、経験を経て分かることが増えて、それを女性のお客さんと共感できることが増えました。「おばさんだから、経験積んでるから、なんでも教えてあげるわよ」ってスタンスじゃなくて、辛さを共感できるというか。


―――これまでアパレルの世界では、キラキラした憧れの存在であることで支持を得てきたと思うんですが、今はどちらかというと逆というか、つらいよねと共感できる存在であることで支持を得るみたいな。

 でも実は、アパレルやってるときも、お客さんから悩みの相談受けることがめちゃくちゃ多かったんですよ。服買いに来るついでに私と話して、いろんなことを相談してすっきり帰っていくみたいな。この人に全部ぶちまけちゃえ、みたいなキャラクターなんだと思います私。そこを生かしたいなと思ってるんです。

 私自身も人生が渋滞してるんで、自分の連載でも書くことがいっぱいありすぎて、もう2年くらい続いていますがまだネタがあるかもしれない(笑)。書いていくとそのときのことが回想できて、それも楽しいんですよね。

 コラムとかを通して人となりが分かってくると、攻撃しようっていう気持ちもなくなるのかもしれないですね。実際、コラム書いてるおかげか、バイブバーのアカウントにスケベな人からのDMが一切こなくなったんですよ。今は質問箱もやってるんですけど、ふざけた質問も来ません。ただエロを普及してる人っていうよりも、一人の人間として、恋愛したり、友達と喧嘩したり、セックスでつまずいたり、セックスレスになったり、人間性が見える人の意見のほうが、見ている方にはすっと入ってきたりするのかもしれないですね。「性の伝道師」みたいな人も、パーソナリティってあんまり見えてこなかったりしますし。


―――人格もパーソナリティも分からないまま、模範演技や模範解答を知っても、自分に合わなかったり、誤解したまま溝が深まることもあると思います。普段から私はよく言っているんですが、それ「じゃない」人たちが苦しくなっちゃうのではということを懸念しますね。だから私も人間性が見えることは大事かなって思います。

 人にアドバイスするっていうことはすごく大きいことだと思うんです。自分の意見を一方的に押し付けたくないから、私の場合はこうですっていうのをちゃんと伝えたいなっていつも思って。この間、質問箱に「イッたことがないんです」というのが来たんですけど、イクっていう経験ってその人にしかないから、共有できないじゃないですか。全く同じ感覚を自分が経験してるかどうか確かめられない。だから「私の意見なんで他の人はどうか分かりませんけど」っていう前置きをした上で、自分の場合はこうだったというポイントをお返ししたんですけど。人によってみんな違うし、一個にまとめるっていうのは不可能なんで、難しい。正解はないですからね。だからこそ、リアルに経験したエピソードから、悩んでる人が何か励みにしてくれればいいなと思って書いてる部分はあります。


―――最後の質問なんですけど、このインタビューの最初のところで「夢を見つけろよ!」って怒られたという話があったじゃないですか。結局、夢は見つかりました?

 どうですかね~夢はないんですよね。叶っちゃったからもう。ただ、今毎日すごい幸せで。すごい充実しちゃってるんだよな~。


―――アパレルを辞めたときに想像してた、平和な余生みたいな感じにはなってますか?

 今ね、結局何やっても幸せになれるマインドなのかなって感じで。例えば、今この仕事辞めても、違う仕事で充実できるような気がするし、何やってもハッピーに生きていけそうな気がする。

 私この仕事してから、いろんな人に出会って、今まで自分が苦手だったジャンルの人に出会うこともすごく多くなったんですね。今までは関わらなくてもよかったけど、そういう人とガチで向き合わなきゃいけなくなった。でもそれを経験して乗り越えたから、いろんな人のことを許せるようになった気がします。いろんな人のことを温かい目で見れるようになった。たぶん今後どの業界にいっても、他人に嫌悪感を抱くことなく、ハッピーに生活できそうな気がする。だから、この仕事してよかったと思います。

 あとは子育てがひと段落したっていうのも大きいですね。自分の人生がようやく自分の中に降りてきた感じなんで、今すごい穏やかな気持ち。

 夢って必要なのかな?って思ってますよ、今。



 今私は35歳だが、自分がこれまでにしてきた仕事を振り返ったり、転職を考えたりするとき、「若くて綺麗なときに、仕事でも何か実績を残さなきゃ!」という全く根拠のない価値観に追い詰められていたことに、最近気づいた。

 今回Yukaさんのお話しを伺って、似たような焦りを他の人も感じるのだということ、そして、30代40代はまだ通過点に過ぎないということを確信した。

 私たちは若さにこだわる必要も、焦って実績を作ろうとする必要も、夢に向かって突き進む美学を持つ必要もないのだ。
田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL’S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL’S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL’S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。
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