平井卓也デジタル改革担当大臣に聞く―「デジタル庁」創設への道のり

 菅義偉政権が誕生して約2カ月が経った。官房長官時代から口にする「携帯料金引き下げ」などさまざまな独自政策の中、最も注目を集めているといっても過言ではないのが「デジタル庁」の設置だろう。そのデジタル改革担当大臣に就任した平井卓也衆議院議員に話を聞いた。(聞き手・一木広治)
平井卓也デジタル改革担当大臣(撮影・蔦野裕)

デジタル化の障害になりそうな規制は河野大臣が取り除いてくれる。
河野大臣とはコインの裏表の関係


——デジタル庁創設への世論の期待などを肌で感じることはありますか?

「僕にとってはデジタル庁の創設というのは今までやってきたことの一つの集大成というか、もともと検討してきたプランでした。ちょうど1年前にIT担当大臣を辞めたんですが、その時の退任会見で“総合調整機能の上に乗ったIT担当大臣だと、多分DX(デジタルトランスフォーメーション)はできない。もっと強い権限を持ったデジタル担当大臣を作るべきだ”と言ったんですが、1年経ってその役が僕に来るとは全く思っていませんでした。デジタル庁の設置を総裁選の公約に掲げた菅総理が誕生し、“前例主義にとらわれないように規制改革のシンボルとして、成長戦略の柱にせよ”という指示が出て、日程的にみると来年には作るということになった。今回はIT基本法を見直して、なぜデジタル化を進めるかといったことから国民に説明したうえで、新しい設置法では今までの霞が関の前例にとらわれないアジャイル的なガバナンス機構を作らなければいけない。なので“Government as a Startup”という標語を掲げさせていただきました」

——この標語は平井大臣自ら考えたもの?

「そうです。本当は“Government as a Service”ということを目標にしていたんですけど、どう考えても今回やることはスタートアップと一緒だと思ったので。全部、フロムスクラッチだということです」

——今後の進捗は?

「総裁選が9月でしたから、それから1カ月。今の準備室は関連法案の準備室で、それが通ればデジタル庁の準備室に変わります。そこからは本当に時間がないですね」

——ベンチマークにしている国や都市などについて教えてください。

「アメリカもそうだしイギリスもそう。特にデンマーク、シンガポール、エストニアは参考にさせてもらっています」

——デジタル庁のゴールや最終目標は?

「まず最初にやらなければいけないのが、国と地方のシステムを根本的なアーキテクチャを含めて作り変えるという大プロジェクト。これは一気にやるしかない。デジタル庁はPoC(Proof of Concept)をやっている時間はなくて、いきなり実装しなければいけない。すべての基幹システムを一気にクラウドに持っていくということは、各省庁に任せていてはできません。人モノ金を全部集めてきて、作って乗り換えてもらう。これからはそれも大変なんです」
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