人間は愚かで美しい!実在の事件を基にした映画「ストックホルム・ケース」【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.10「ウィルス・ブルース」の初日(11月18日)まであと1週間。絶賛稽古中です。
 
 今回は台詞がある役だけで200以上出てきます。我ながらよく書いたと思います。そういうわけで稽古も大変なんですが、俳優さんたちも楽しんでくれているようなので、後は演出家としてきっちり完成させるだけ――というプレッシャーをかけ、あと1週間頑張ります。

 では今回も始めましょう。人生相談も引き続き募集中です。
黒田勇樹
 僕!ストックホルム症候群が大好きなんですよ!

 簡単にいうと「誘拐や監禁をされた人間が、時間が過ぎるとともに”犯人側に共感”してしまう」という心理現象なんですが…

 実によく「人間の本質」を表したものだと思いませんか!?

 家族にも社会にも仕事にも政治にも恋愛にも!

“目の前”にいて“会話”ができて“立場”も“考え方”も違うのに“寄り添わなければ”

「生きていけない!!」

 そういう、ちっちゃなストックホルム溢れてませんか!?

「人間」が大好きなので、この現象、「セルフハンディキャッピング」と同じぐらい大好きです。

 僕の主戦場である劇場なんて、お金取って2時間閉じ込めて「自分たちのやりたいこと」やって、最後には共感した観客たちが拍手喝さい!もはやほとんど毎公演、小規模なストックホルム!

 今回は、そんな「ストックホルム症候群」の語源となった事件を基に描かれた映画「ストックホルム・ケース」を観てきました。

 さて、作品の方はどうだったかというと…

「そう!これ!俺は映画館に、こういうのが観たくて来てんだよ!」と、叫びたくなるような傑作でした。

 音楽の使い方やら、画の切り取り方、俳優陣の演技、どれも素晴らしいのですが何よりも、

“人間”しか出てこない!

 シェイクスピアの時代から、創作とは“自分の歩まないもう一つの人生”で「悲劇」と「喜劇」しかありません。皆、創作を通して「人間の“愚かさ”と“美しさ”」を追体験しているのです。

 時に映画には「ストーリーに都合よく動く人物」が出てきがちで、自分も作る側として“いたしかたない”と、思ってしまうところがあるんですが、この映画の登場人物は…全員ちゃんと人間!

 実話を基にしているからこそなのか、脚色が抜群に上手かったのかはわかりませんが、主人公を始めとする加害者側、被害者たち、警察関係者、政治家、マスコミ…全員、どこか愚かでどこか美しい。創作がこの構造で「面白いストーリー」を作るのは至難の業。

 もの凄く個人的な感情で表現すると

「ユッケとか生シラス丼食ってる時と同じぐらい“今、俺は、生きてる!”って感じる映画」でした。

 仮面を被らないと生きづらい今の世の中で“人間の本質”に触れたい皆様、是非、劇場へ!
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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23

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