被災地で本当に“役立つ”情報は何か。【故郷の誇り胸に、福島が歩んだ10年】

3.11 復興、その先へ


 福島第一原子力発電所の事故から10年が経つ。福島県いわき市には、現在も原発周辺地域から避難した人の仮設住宅が並び、原発作業に従事する人が行き来する。いまだ続く風評被害など様変わりした暮らしのなか、福島の誇りを見失うまいと、未来へ向かい活動する3人に話を聞いた。



【安部正明】いわき市民コミュニティ放送取締役局長。2011年3月11日の東日本大震災ではスタッフ9名で24時間体制の生放送を約20日間続けた。FMいわき公式ホームページ http://www.fm-iwaki.co.jp

被災地で本当に“役立つ”情報は何か。

コミュニティラジオ放送局の教訓 


いわき市民コミュニティ放送 取締役局長 安部正明さん


 被災したときに本当に役立つ情報は何か。情報の伝え方を学び、生かすこともまた、震災の記憶を伝承することにつながる。地域住民にもっとも寄り添ったコミュニティラジオ、FMいわきの安部正明さんに話を聞いた。


 「あのいわきのラジオはいい」。リスナーからそう信頼されるメディアがある。JRいわき駅からほど近い、いわき市民コミュニティ放送、通称・FMいわきだ。福島第一原子力発電所から約30〜70kmの距離に位置するいわき市では、ほとんどのメディアが放射能の影響を懸念し退避するなか、市内で唯一現場に残り、約20日間に渡っていわき市民や原発周辺地域から避難してきた人たちのために、24時間生放送で被災状況を伝え続けた。


 3月11日から4月30日まで、FMいわきが伝えた情報は放送回数で約9000回に上る。被災直後は安否情報から電気、ガス、水道などのライフラインの状況、放射線量の値など被害・避難関連情報を中心に、数日後からは加えてスーパーやコンビニの営業時間、ボランティア窓口、ATMの再開、入浴サービスに迷い犬・猫の情報に至るまで、被災状況に合わせて刻一刻と変化する情報を伝え続けた。


 



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