「日本の俳優は“そんなことできない”と言わないの?」小野田少尉青年期役・遠藤雄弥がフランス人監督から聞かれたこと

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 コロナの影響により遠藤は現地に行けなかったものの、本作は第74回カンヌ国際映画祭2021 「ある視点」部門オープニング作品として上映され大きな反響を得た。

「カンヌに行けなかったのは残念でしたが、本当にたくさんの方に鑑賞していただいたとのことで、あんなに長くスタンディングオベーションも頂いたことに感無量です。アラリ監督がどんな思いであの場に立っていたのかと考えると、グッときますね(笑)。監督2作目で、異国の俳優たちと、セリフも全編外国語で…って本当にチャレンジだったと思います。出演者からは唯一、小野田の同窓生役の森岡龍さんが現地に行ったのですが、作品が本当に受け入れられていたと教えてくれました。後半で、小野田と小塚が戦況を考察し始めて勘違いしていくシーンでは笑いも起こっていたとか。やっぱり僕らでさえ小野田さんの史実を聞いて戦争が終わって30年もジャングルに潜伏していたということに驚かずにはいられませんし、フランスの人たちにとっては僕ら以上に信じられない話に映ったんじゃないかな。まだ僕らは同じ日本人だし、当時の史実なども見聞きしているので、一心に任務を果たそうとしていたんだろうなと思いますけど、海外の人からすると、やっぱり日本人てマジメだよねって思うのかもしれません(笑)。海外の方のいろいろな反応を聞いてみたいです」

 本作での“大冒険”を終えて、今後も海外作品への挑戦に興味は。

「本当に刺激を受けた現場でしたが、同時に、海外チームとの撮影でも、映画作りにおいて本当に大切なことは変わらないなとも思いました。もっとハードルの高いものだと思っていたんです。でも意外と思いは通じる、芸術は国境を超えるということを今作で確信できた。今は海外配信できる映像サービスも増えていますし、より日本と海外のクリエイターが一緒に作品作りをする機会も増えていくと思うので、僕もまた新たなチャレンジができたらと思っています」