藤井聡が語る「たばこ税の増税に見る、禁煙ファシズムと日本経済」

 10月1日に、たばこ税の増税が行われた。2018年の税制改正によって、2022年10月までに紙巻たばこは3段階、加熱式たばこは5段階での増税が行われ、紙巻たばこは今回で最後の増税(加熱式たばこは2022年10月に5回目の増税)となる。

 たばこの価格には、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税という4種類の税金が含まれており、一般的な紙巻たばこの場合、税負担率は6割に達する。賛否あるたばこ税の増税や、昨今の喫煙を巡る社会情勢について、元内閣官房参与で京都大学大学院教授の藤井聡氏に聞いた。

京都大学大学院・藤井聡教授(撮影・蔦野裕)

禁煙ファシズムとダイバーシティを求める社会の矛盾

 

――昨今の喫煙を巡る社会情勢について、どのように考えますか。

「“禁煙”ということが世の中にはずっと言われてきています。喫煙を過剰に抑圧し、禁煙を推進する、ある種の全体主義的な苦しさを感じますよね。最近の流行り言葉であるダイバーシティの視点から言って、喫煙者を過剰に排除するのは正しいことなのか、という論点があります。

 まず一つ、喫煙自体は非常に長い歴史を持っています。古くは水たばこから、紙巻たばこ、加熱式たばこに至るまで、人間の生の充実に貢献する生活嗜好品として、歴史を築いてきました。この歴史的に証明されているものを、昨今の禁煙風潮で抑圧していくというのは、文化保存の観点から、恐ろしい問題があることだと感じています。健康に害があるものを全てやめるというのは、人間であることを失ってしまう、極めて非人間的なことなのですね。これはファシズム的な行いで、長い歴史の中で使われてきたものを軽々に失って良いはずがありません。

 とはいえ、一方で、受動喫煙の健康上の問題もあるので、分煙を一定程度導入することに関しては適切であると思います。食事を楽しむためのレストランでは対策が必要ですし、逆にバーなど喫煙を楽しむ場所は、食事と全く違う場ですから、それこそ文化の一つとして、共有していってしかるべきではないかと僕は思います。居酒屋なども喫煙席と禁煙席という分煙が設けられてもしかるべきだと思うのですね。

 健康被害を最小化しながら、社会の中でどうやって受け入れ、組み込んでいくのか。全てなくせばいいという問題でもない。ただただ健康のために、身体的健康を重視しすぎて、精神的健康を疎かにしがちではないかと思います」

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