寺島実郎が語る「激動の時代、東京の『都市新中間層』に伝えたいこと」

 コロナ禍はようやくピークアウトの兆しが見えたが、ウクライナ情勢は本格的な冬の訪れの前にますます混迷を極め、我が国日本も急速な円安に体力を奪われる一方だ。

 いわば明治維新や戦後に匹敵するほどの激動期に向かおうとしている今の日本を、一般財団法人日本総合研究所会長で、多摩大学学長の寺島実郎氏はどう見ているのだろうか。YouTube配信で圧倒的な再生回数を誇るTOKYO MXの冠番組「寺島実郎の世界を知る力」の収録現場であり、氏の活動拠点でもある東京・九段の「寺島文庫」を訪ねた。

TOKYO MX「寺島実郎の世界を知る力」でメインを務める寺島実郎氏(撮影:蔦野裕)

世界が混迷を深める中、より体系的で深い情報が求められている

──まずは、この番組の見どころについて、ご説明いただけますか?

「ひと言で言えば、世界や日本で起こっているさまざまな問題の “ここが勘所” という部分を凝縮して伝える番組です。例えば、中国やアメリカに関する情報でも、何が一番プライオリティの高いポイントなのかを私なりのアングルで提供しています。それを視聴者が各々で考えを深めるヒントとして受け止めてもらい、さらに一歩深めるために関連する文献にあたるなどしてもらうと、なお良いと思っています。今はネットで何でも調べられますが、物事の相関関係をしっかり捉えるためには文献にあたるというアナログなアプローチもやはり重要です。そのきっかけに、この番組がなってくれればと思っています」

──この番組は、YouTubeの見逃し配信の再生回数が延べ750万回を超えています。人気の理由をどうお考えですか?

「アクセスの3割は海外からです。おそらく海外に展開している日本人のビジネスパーソンが、日本から送られてくる情報の薄さに不安を感じているからではないでしょうか。既存の地上波の報道番組はどうしても断片的にならざるを得ず、1人語りで1時間などという形式は一般的にはあり得ません。しかし、世界情勢がますます混迷を深めるなか、より体系的で深みのある情報が求められています。そこでこの番組は、そうした従来の地上波番組へのアンチテーゼとして2020年のコロナ禍が始まった時から実験的に始めたものでしたが、予想以上の反響に自分でもいささか驚いています。地上波放送で視聴できる東京を中心とした100キロ圏を飛び越えて、いつでもどこでも繰り返し視聴できるYouTubeならではのメリットだと思います」

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