UFC2戦目の中村倫也「今年中にバスンとここから抜けて行こうと思っている。まずヴェラ選手にしっかり勝つのが最低条件」【UFC】

(©U-NEXT)

 ではそういった大きな課題そのものは対戦相手が誰であろうとも変わらないとして、今回対戦相手が変更になったことは、準備する面で影響はどれくらいありましたか?
「対戦相手は変更になりましたけど、4週くらいあってそんなにショートノーティスというわけではなかったので、ちゃんと準備はできました。ただ、対戦することになったカルロス・ヴェラ選手のスタイルがすごく異質なので、最後まで何が飛んでくるか分からないっていう意識は持って戦います」

 異質という表現がふさわしい、テコンドーを幼少期から習い、10代後半にカポエラを始めたという足技系の選手かと思いきや、フィニッシュはギロチンチョークなどのサブミッションが多い相手です。
「テコンドーも含めたら格闘技キャリアとして30年以上やっていると思うので(※ヴェラは現在36歳)、ヘタクソに見えるけど絶妙にやられないようなスキルを持っている印象です。そのなかで彼なりの足技を生かしたスタイルを得意として、テイクダウンはあまり気にせず下からの仕掛けで首と足を使って、プレッシャーをかけてくるというゲームだと思うのですけれど。もちろん彼が対戦してきたような相手に自分のようなスピードだったり爆発力を持っている選手は多分いないと思うので、その辺りでサプライズを起こせる自信はあります」

 戦績で位置を測るわけではないのですがカルロス・ヴェラ選手をTUF31で破ったブラッド・カトーナ選手は、中村選手がRTU決勝で戦った風間敏臣選手を倒したギャレット・アームフィールド選手に最近敗北しています。中村選手を含む、現在1〜2戦のUFCのプロスペクトの一団のなかで、ご自身の位置をどのように見ていますか? 言い換えると今回の対戦相手を、これから上を目指すなかでどのように捉えているでしょうか。
「現時点でそのあたりを一掃できるほどの地力があるとまでは考えていないですけれど、今年中にバスンとここから抜けて行こうと思っているので、まずヴェラ選手に対してしっかり勝つっていうのが最低条件だと思っています」

 余談ですが、前戦は経済学専攻の銀行員、今回は会計学専攻の金融業界経験者と、中村選手の対戦相手、エリートが続きますね(笑)。
「ハハハハ! そうなんですね! まあ、頭も良くて金融系の仕事をしていたならライフプランのなかに『勝利ボーナス』なんて入れてないんじゃないかな?」

 話は変わりますが、先月の「ROAD TO UFC シーズン2」でまた新たに日本人選手が契約を勝ち取りました。ご自身もRTU出身である中村選手の感想を伺えますか。
「(フライ級の)鶴屋(怜)君が、21歳とかで契約して、彼はこのUFCのランカーとかにもガンガン絡んでいけるレベルだと思うし……ってなると、これから10年くらいは彼もUFCで戦っていけるわけじゃないですか。デイナ代表も彼を褒めていたらしいし“日本人の存在感がだんだんUFCのなかで無視できなくなってきているんじゃないか?”といううれしさはあります」

 では日本人選手がどんどん活躍していくであろうこの先、ご自身としてはそのなかでどんなふうに存在感をアピールしていきたいですか?
「僕はその中で競争しようとは思っていなくて、(日本人)初のチャンピオンっていうことにもこだわってない。僕自身がなれればいいので。フライ級の平良(達郎)君にももちろん行ってもらいたいし。僕は僕で、バンタム級で、今後、誰が日本から来るかは分かりませんけど、ひとつずつ勝って“僕は僕”でやっていきたい、背中を見せていきたいと思います」

 それでは「UFC298」の試合を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「UFCをご覧のファンのみなさんからは、いつも力をいただいています。ありがとうございます。今回の試合は、自分にとって上位に食い込んでいくためのステップアップの試合のひとつとして、フィニッシュして次につなげるという目標を掲げて今まで作ってきました。それをみなさんに披露するのがすごい楽しみです! みなさんもぜひ楽しみにしていてください! 試合はU-NEXTで見られるので、ぜひご視聴をお願いします」

 なお大会の模様は日本時間18日午前8時30分からU-NEXTで見放題ライブ配信される。

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