GENERATIONS 小森隼 「新しい“ジェネ、知ってるよ!”を作りたい」アジカン後藤と“踊れる邦ロック”な新曲

 

 「僕が偶然出会った曲に背中を押されたあの感じを」


ーーそれは……まず後藤さんにお願いしなくちゃっていうことになりますね。先月の「Two Steps Back」の生配信イベントでは、熱烈なラブレターを送って快諾されたとお話になっていましたが、その後は後藤さんにお会いして?

小森隼:リモートだったんですけど、自分の思い、なぜ後藤さんにお願いしたいのかとか。そして、先ほどお話した自分がこういう曲を作りたいという話ですよね。踊れる邦ロックを作りたいって。アジカンさんの「You To You」みたいな曲調で、華やかではあるんだけど壮大で聴き終わった後に目の前が開けていく感じの曲で、BPMはこれぐらいで、そこにダンスミュージックの要素を組み合わせたらどうなんですかね……とか。

ーー呼吸してる?ぐらいな感じで話してる感じが浮かびますね(笑)。リリック、メッセージの部分については?

小森隼:ゴッチさんには、以前、僕がアジカンにどうやって出会ったのかお話したことがあるんですけど、改めてそれに触れながら、僕が「マーチングバンド」を聴いたときのように、偶然出会った曲に背中を押されたあの感じを聴いてくださった方も感じてもらえたらって。特定の世代ではなく、闘いながら悩んでいるすべての人たちに届くようなものを、と。あの時の僕は高校生だったけど、年齢を重ねてきた方なら自分がそこまできたプロセスは間違いじゃなかったんだとか、何か掴み取った人たちなら昔の自分に戻れたり、聴いた人が明るくなるようなメッセージ性を持った曲を作りたいんですって。

ーー 後藤さんはその時はどんなことを?

小森隼:……ゴッチさん、ほとんどしゃべらないんですよ。

ーー 聞く人だ。

小森隼:インプットしてたんだと思います。僕から出てくる言葉を聞きながらイメージを膨らませてる感じなんです。だから僕がグワーッと話す感じになっちゃったんですけど……「分かりました」「なんとなくイメージはつきました」って。そこからはゴッチさんが制作に入られて、歌詞もあがってきて……何も言うことはない!って歌詞で。デモもポンって届いて。そこからBPMを少し調整していただいたり、ハメ音とか、あとダンスブレイクのところは相談させていただきましたけど。

ーーそこはダンス&ボーカルグループならではのパートですからね。制作は、他のメンバーの方と同じように、昨年のツアーと並行して?

小森隼:これが……12月半ばから1月の末っていう、すっごい忙しい時期。毎年のことですけど、1年の中で1番訳が分からない時期(笑)。ゴッチさんとお話した時はゴッチさんもご自身のツアー中だったんですよね。それもあって受けてもらえると思えなかったんですけど。小森君の願いだからって……。ゴッチさんと喜多(健介)さんでギターまで弾いてくれてるし。

「音楽って生活。希望があるってことを言ってないと


ーー仕上がった曲を初めて聴いたのは、どういうシチュエーションですか?

小森隼:自分の家、家のデスクで。深夜、それこそラジオ終わりに聴いたんじゃなかったかなあ。マネージャーさんがデモ来ましたって送ってきて。

ーーラジオが終わって……ひとり部屋でって、「MY GENERATION」を聴くには最高のシチュエーションですね。それで聴かれて……?

小森隼:感動しました。うれしかったです、すごく。僕もアジカンをずっと聴いてきてるんで、ソリッドな感じで、世の中に対して歌ったりってところだったり、今のアジカンのピースフルな感じだったり。そして何より希望がある歌詞! そうそう、今こういうのが絶対いいよねって、そういうものが出来上がったなって思いました。

 ーー希望がある歌詞、希望を感じさせてくれる歌詞って重要ですよね。時代だとか、ジャンルだとかに限らずですが。

 小森隼:僕がそういうものが好きっていうのもありますが、希望がある歌詞って今すごい必要だなと思ってるんです。今、未来が明るいって思えますか? ニュースからも身の回りの現実からも、今の日本って明るくないな、元気ないなって感じます。すごく悲しいニュースがあふれているし、未来って明るいよ、最高だよ、このまままっすぐ10 年進んでいけば、みんな大丈夫だよ……何をもってそう言えるの?って僕は思います。そんな中で、音楽は光を照らし続けなきゃいけない。音楽って生活です。希望があるってことを言ってないとって思うんです。昔みたいにCD を買わないと聴けない時代じゃないし、より身近なものになっていて、どこかで耳に入ってくるものだから、希望があるものじゃないとダメだなって。それも踏まえて、ゴッチさんにお願いしたかった。

ーー他のメンバーからはどんな反応やリアクションがありましたか?

小森隼:この間、パフォーマンスのリハーサルをしたんですよ。その時に不意に「いい曲だねえ」って。口ずさんでくれたりもしてて、すごくうれしかったです。HIROさんにも「後藤さんに作ってもらった曲、いい曲だね」って言ってもらえたんですよ!メンバーに温かく迎え入れてもらえたので、あとは皆さんに迎え入れてもらうだけです。

ーー片寄さんにお話を伺ったとき、この曲はパフォーマンスするのが難しいんじゃないかとおっしゃってましたが。

小森隼:そんなに長い曲でもないですし、構成的にも意外とショート。めちゃくちゃテクニカルでめちゃくちゃ踊りまくっててめちゃくちゃ難しいですっていうわけではないんですけど、ちゃんとパフォーマンスをしているなっていう印象を与えられるものになっていると思います。生でギター弾いてもらっているから温度を感じられるサウンドだし、調和したパフォーマンスができて、すごくいいものを作れました。

ーーリリックビデオもプロデュースされていますが、そちらは?

小森隼:フィクションとノンフィクションの融合みたいなところをテーマにしています。ダンス&ボーカルグループっていう枠組みの中でも、僕にしかできないようなギミックを使ったものを作ってみたので、想像を膨らませながら楽しんでいただければと思います。