ZIPANG OPERA、新たなアプローチで挑んだ最新EPを語る「現代の日本の童話みたいなものを作りたかった」
佐藤流司、福澤侑、spiによる音楽パフォーマンスユニットのZIPANG OPERAが、最新 EP『ZIPANGRIMM』をリリースした。タイトルは「ZIPANG」とグリム童話を掛け合わせた造語で、spiが本格的にプロデュースに参画し、楽曲ごとに異なる物語が集まって作品全体でひとつの世界を構想する新たなアプローチで挑んだという。
――『ZIPANGRIMM』には、spiさんがプロデュースに関わられたと聞きました。この制作について、まずはタイトルが気になっています。
spi:「ZIPANG」とグリム童話を合わせて『ZIPANGRIMM』。今回は「歌劇」に立ち返って、EP自体をストーリーとして、歌詞を全部それと絡めるという方向性がありました。“物語”と音楽をリンクさせ、かつ悲劇性みたいなものをZIPANG OPERAが背負うことで、共感が生まれて、孤独が消えるような作品にできたらと。それについて考えながら、出てきたアイデアがグリム童話でした。3人とも大人なのに童心があるし、クールな物語が似合う人たちだなと感じるんですよ。
――なるほど。
spi:日本の和の表現と、西洋のおとぎ話のダークさ、その教訓が混ざり合う。新しい現代の日本の童話みたいなものを曲の歌詞や世界観で作りたかったんです。歌詞自体は社会風刺だったりするので、これがライブでどう表現できるか……。やりがいのある作業ですね。
――福澤さんは本作について「新しい挑戦」と表現されていました。
福澤:これから新しいものをさらに作らないといけません。ZIPANG OPERAと今一番向き合ってるのはspi兄だと思いますが、自分もZIPANG OPERAで新しい感情やアイデアを得ることが多くて。成長した自分にどの曲も刺さるんですよね。本作は僕ららしさもあるけど、そうじゃない部分も多いEPになるのかなと思ってます。
佐藤:spiくんがプロデュースに関わることで、フォーカスが明確になりましたね。
――以前のインタビューでも、spiさんがプロデューサー視点を持っていて、大きな視点で作品を考えているなと感じていました。今回は満を持しての機会だったのでは?
spi:周りから「やってみなよ」と声をかけてもらえて、という感じです。ものづくりにあたって「聴く前と後で人生が何か少し変わっていてほしい」とか、「少しでも影響を与えるものは何なのか?」という思想や問いがないと作れないタイプなんですよ。何を作るにしても心が伴わないと。そこで今回は制作からガッと入って、“種”を植えたイメージ。水はみんなにあげてもらって、どう育っていくかを剪定しながら「こうなったか」と見るみたいな。この“種”の共通認識を3人で共有できているのは大きいですね。「何がどう転んでも、このEPの原点はここだよね」と理解しあえている感じ。

