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【DJダイノジ あなたの好き、肯定します!】第2回:トラックの使い方は意外と真摯! RADIO FISH

2016.05.23 Vol.667

『DJダイノジ深夜の回転体』(ニッポン放送)の
DJダイノジ、放送に入りきれなかったトークは…?

大地:RADIO FISH(レディオフィッシュ)のアルバム『PERFECT HUMAN』が、25日にリリースになるんだってね。しばらく前になるけど、本人にも言われたんだよ、「ありがとうございます」って。

大谷:俺ら、2年前に特集してるんだよね、ラジオで。こいつら、やばいって(笑)。
大地:本当にそう思ったからね。
大谷:芸人ってさ、もう多様性じゃない? 何かいろいろなことができるのが芸人でしょって思うんだよ。
大地:そうだよねー。

大谷:誰かに言われたからやってるんですとかさ、バイトみたいな感じでやらせてもらってますとか、余白でやってるっていうとカッコいいと思うの。ああいうことってね。でもさ、あ、役者さんでさ、シャーっていう人いるでしょ?

大地:シャー?
大谷:いるじゃない、カッコ良くて。シャーって!
大地:……市原隼人君?

大谷:そう、彼はさどんな役を演じても、どうやってこの役に臨みました! 本気出しました!って感じでしょ。いいと思うんだよなあ。すべてにおいて、なんちゃってっておもしろくないと思うんだ。そのいい例がさあ……、今までの、芸人の言う音楽と笑いの融合ほどおもしろくないものはなかったんじゃない?

大地:豊満乃風、ね。途中からいろんなことをいわれたりもしたし、中途半端になっていたかもしれない。

大谷:RADIO FISHはやっぱり、中田のプロデュースがすごいってことだと思う。『PERFECT HUMAN』も中田が神様“PERFECT HUMAN”で、ダンサーはそれを真剣に信じて踊ってるっていうことがありうるんじゃないかなって思っちゃうもん。ほら、ザ・ブルーハーツはさ、ダサい名前をわざとつけて、それをやりきったよね。ダサいって言わずに、それがカッコいいんだって。

大地:ダサいって誰が仕分けしてるんだろね! こんなに情報が多様化してるっていうのに。

大谷:RADIO FISHさ、おもしろいんだけど、トラックの使い方はすごい真摯なんだよね。それもまた、「おもしろい」になっちゃうんだけど。

大地:EDMね。

大谷:世界的に流行っている、好まれてるサウンド。聴いた人がみんなで手を挙げて盛り上がれるクオリティーがある曲。DJダイノジだったら、今かけたら盛り上がるっていうタイミングに目の前に音源があったら迷わずかけちゃうよ。芸人がやってるからかけたとか、芸人がやってるからかけないとかそういうのは全然ないね。

『DJダイノジ深夜の回転体』次回放送は6月12日。

黒谷友香「友香の素」vol.163 今、私とってもシアワセ

2016.05.23 Vol.667

 今、私とってもシアワセなのです。なぜかというと、シェフは自分ですが、晩ごはんのハーブ料理を堪能したからです! 特にディル。本当に美味しかった〜。以前、自分でハーブガーデンから何種類かのハーブを刈り取ってきてハーバルバス(お風呂にハーブを入れること)をした時に、ディルを入れすぎてしまいお風呂に入ってリラックス…のはずが、香りで食欲が刺激され、お腹がグーグー。早くあがって何か食べたーいっとなってしまったことがありました。そんなディルですが、最高でした。メニューはサーモンスープ。ジャガイモ、セロリ、玉ねぎに、サーモン、ローリエ(これもハーブ)、ディルを煮込む簡単料理ですが、サーモンとの相性抜群。食べるハーブではもしかしたら一番好きかも。秋にまた苗を植えて増やしておかねば! あと、セージのスクランブルエッグも作ってみたら良かったです。実はセージって今まであまり食べてこなかったんですが、あの香りはやみつきになりますね。美味しかったです。

 ハーブを育てていると良いことがいっぱいです。ガーデニングはどうしても、ちょこっと日焼けはしちゃうけど、その後のお楽しみがたまりません。香りに味に、心身共に深く癒されていきます。今日はカモミールの花がお茶にするのに調度良い開花状態だったので、食後はカモミールティーをいただきました。レモンバーム、スペアミントをブレンドしたカモミールティーは自然の優しい味わいでホっとします。旬のフレッシュのハーブをふんだんに使えるのもガーデニングの醍醐味かな。でもよく洗わないと、たまにちっちゃな虫ちゃんが残っていて、ヒッとなったりするのでそこは注意です(笑)。

 さ〜て、今日はミントとユーカリの爽やかハーバルバスにしようかな。ディルは食べたので、この組み合わせだとお腹も空かないはず。ゆっくり浸かってビューティータイムを満喫したいと思います。

小池百合子のMOTTAINAI 伊勢志摩よりもヒロシマ訪問に注目!

2016.05.23 Vol.667

 G7伊勢志摩サミットが近づいたせいか、都内の道路が混んでいます。要所、要所に警察車両が陣取り、交通規制が行われているからでしょう。世界中でテロが多発している今日、無事に会議が終わりますように。

 前回、わが国が議長国を務めたのは2008年7月、8年前のこと。いわゆる洞爺湖サミットです。サミットは日本語では先進国首脳会議、英語の表記をそのまま訳すと、経済首脳会議となります。本来は世界経済を巡る会議として1973年の石油ショックで世界経済が混乱したことをきっかけに1975年に始まったことはご存知のとおり。

 前回は洞爺湖サミットの2か月後にリーマン・ブラザースが破綻し、世界金融危機が起こりました。ちなみに2008年は名目GDP世界二位の地位が日本から中国に入れ替わった年です。2015年の統計によると中国のGDPは日本の倍以上に急激に伸びました。
 8年間でサミットのテーマも大転換したわけですが、もはや2〜3年単位で世界の景色は激変しています。難民問題、石油価格の急落、パナマ文書など。このことはいかに我々が歴史の転換点に立っていることを示しています。

 ただ、今回は各国の思惑が大きく異なります。経済ひとつをとってみても、日本とドイツでは財政出動への姿勢が異なります。参院選を前に「アベノミクスは成功!」と強調したい日本は積極的。かたや憲法にあたる基本法で財政赤字は0.35%以内と厳しく律しているドイツは消極的で、一致点を見つけるのは至難の業です。

 話題のパナマ文書にしても、首脳自らや家族、企業の関与が取りざたされており、あまり大事にはしたくない。

 結局、今回の最大の成果はむしろサミット後のオバマ大統領との広島訪問となるでしょう。オバマ大統領としての自らの政権の最終コーナーでレガシー(遺産)が残せ、大いに意味があります。

 原爆を初めて使った国が被爆地を訪れる…。まさに歴史的な訪問です。

 その後は? 衆参同日選挙? いえ、都知事選を含めてトリプル選挙?

 さて。
(自民党衆議院議員)

脱こじらせへの道 第22回 なぜ女性はおごられたいのか?

2016.05.13 Vol.666

 前回は自己評価における他者の視点の介在、それが引き起こすコンプレックスについてお話しました。
 
 今回は「男性とのデート、支払いはワリカン? おごり? 何が理想?」というアンケートをもとに、また他者の視点の介在について探ってみます。

 デートの支払いで他者の視点の介在? と思われる方も多いと思いますがまあ聞いてください。

 まずアンケートを見ると、
「彼が多めに支払う」という意見が半数以上を占めました。
 そして「割り勘」「彼が全額負担」と続きます。
 一人だけ「自分が多めに払う」という人がいました。

 この結果を見て、アラフィフの担当編集Aさんは「最近の若い女の子はいくらかでも払ってくれるのか…。時代は変わったな…」とおっしゃってました。

 というように、このテーマは時代とともに結果も大きく変わってくる部分が大きいようです。

 Aさん世代だと男が全額払うというのがスタンダード。
 でも今は経済とかいろんな状況が変わってきたので、男が多めに払ったり(女性も払う)、割り勘というのが多くなってきています。それが当たり前になってきました。

 ここで注目すべきことなのは「多めに払いたい」という女性が少ないということと、「本音を言うと、彼が多めに払ってくれるとうれしい」という心の奥底の意見が見え隠れしていること。

「できるかぎり男性に多く払ってほしい」というのは、旧態依然な考え方に基づいているところもあるかもしれませんが、そればかりではないと私は思うんです。

 お金を多く出してもらえること=特別な女性として扱われていると思える、という意識が裏側にある場合があるのではないでしょうか。

 私はフェミニストではないのですが、少なくとも日本では、女性は化粧をしたり外見をきれいにしたりすることを求められますよね。
 一般社会では、化粧をしていることがマナーとすら考えられています。男性はすっぴんなのに、です。
 そういうところから女性は、社会から「女性であること」を求めてられているということがうかがえます。男性中心の社会だからこそ、男性とは異なる存在である「女性」として存在することを求められている、とも言えます。

 ただ、それ自体は仕方のないことだと思います。「女性の社会進出」という言葉があるくらい、社会は男性中心で動いてきた長い長い歴史があるのです。
 その点に関しては、今回のコラムでは一旦おいておきましょう。

 ただそういう「女性」としての存在を求められての弊害があります。
 女性が必要以上に「女性」であろうとしてしまうことです。
 いつもダイエットをしていたり、ネイルアートやまつ毛エクステも定番化。最近ではカラーコンタクトをしている女性がすごく多いことに、男性の皆さんは気づいているのでしょうか? プチ整形だけじゃない美容整形をする女性も少なくありません。

 もっとキレイになりたい、と理想の自分を追いかけて、自分磨きを続ける女性。
 最初は自分のためだったのに、いつしかそれを「認めてもらいたい」「ほめてもらいたい」と考えるようになってしまう。

 だから、自分には魅力や価値があり、その対価としておごってもらいたい。

 昔は男性のほうが稼ぎも良かったですから“依存”という側面があったと思うのですが、今は自分の価値を測るものさしになってきている。

 おごられる、たくさん出してもらえる特別な自分という考え。
 決して自分磨き=男性に愛される、という図式は成立していないにも関わらず、です。
 どうですか? こんな自分磨きはこじれてますよね。

 もちろんそうじゃない人もいますよ。純粋に美を追求したい、とか、メイクが大好き、という人もいると思います。

 でも、ネイルアートを新しくした、ダイエットスムージーを作った、とか、インスタグラムにアップしたりとかしますよね。
 その目的はなんでしょうか? 他者とのつながりですか? それとも、他者からの評価でしょうか?
 日本の女性は他者の評価に依存が非常に大きい、そして承認欲求も大きい。男性にそういう部分が皆無とはいいませんが、圧倒的に女性のほうがその傾向があると思います。

 GIRL’S CHでは、レビューに「わかる!」ボタンというものがあります。

 誰かのレビューに賛同したときに、「いいね!」のようにクリックしてもらうものなんですが、この「わかる」ボタンには、女性の承認欲求を満たしてレビューの書き込みを促進させたい、という目的もあるんです。

 先日、テレビでやっていたんですが、外国人は、日本人がSNSでご飯の写真ばかりを上げることを変だと思っているようです。

 外国人は自分を中心に考えているから、美味しいものを食べたとしても、美味しいものと自分で写真を撮る。
 日本人はご飯だけを撮る。

 自分が中心にいないというのは日本独特の文化かもしれないですね。
 これを広げていくと、他者に依存するという傾向が強くなってくるのではないでしょうか。

 アンケートをみると、割り勘と答えている人は20代〜30代が多いんです。
 それを見たAさん曰く「でも僕が20代の子と飲んだとしても、その子は割り勘にはしてくれないですよね」。

 でも時と場合によるんじゃないでしょうか。チェーン系の居酒屋で総額3000円くらいだったら「割り勘かよ!」と思うかもしれませんが、フレンチで2人で1万円とかする高いところだったら「2000円だけいい?」「分かりました」なんて感じになりませんかね。

 ちょっと勇気を出して言ってみればいいのに。
 結果がどうなるかは責任持てませんが。

 ただ合コンなんかは、まだまだ全額男性負担が多いですよね。
 まあ合コンは置いておくとして…、将来的にはもっと割り勘が多くなってもいいと思うし、そうなっていくんだろうと思います。

江戸瓦版的落語案内 夢の酒(ゆめのさけ)

2016.05.10 Vol.666

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

これから始まる「修斗世界制覇」の主人公 飛鳥拳【格闘家イケメンファイル】Vol.48

2016.05.09 Vol.666

 伝説の空手家・大山倍達の半生を描いた作品『空手バカ一代』。1973年にはテレビアニメ化され、大山は架空の空手家“飛鳥拳”として描かれた。そんな空手バカなリングネームを持つのが、修斗のイケメンと名高い飛鳥拳。

「父親が格闘技好きで、何か格闘技をやらせたいということで、6歳の時に空手の道場に入れられました。小学校の時は結構真面目にやっていましたが、実際楽しくなかった(笑)。空手が嫌というより、小学生だったので、友達と遊んでいるほうが楽しかったので。中学に入ると部活でサッカーを始めたので、週1回という割とゆるい頻度で続けていました。そして高校生、17歳の時に今のジムに入り総合格闘技を始めました。もともと父親とPRIDEを見ていて、五味隆典選手にあこがれていたこともあり、挑戦してみようと。17歳で入門し、翌年初めて試合に出て、大学1年生でプロに。アマチュアから一つずつ地道に勝ち星を積み重ねて、新人王まで勝ち上がったという感じです」

 2013年フライ級新人王獲得、そしてインフィニティリーグ優勝と順調にキャリアを重ねてきた飛鳥。いよいよ7月17日(日)東京・後楽園ホールで、空位となった世界フライ級チャンピオン決定戦に挑む。相手は、澤田龍人。

「ずっとベルトを持っていた同門の先輩である内藤のび太選手が、ベルトを返上したことで、ようやくタイトルマッチに挑める事になりました。本当はインフィニティリーグで優勝したらチャンピオンに挑戦できるということだったんですけど、当時も王座を保持していたのび太選手が同門だったため、この機会をずっと待っていた。澤田選手とはライバルといわれていますが、そもそも最初に僕が対抗意識を燃やしていたことが、因縁のライバルのようにいわれるきっかけ(笑)。向こうはいわゆるエリートコースで、なんというか…エリートが飛び級してきたみたいな感じで…。僕は普通にアマチュアからやって…とコツコツルートで上がって来たので、なんかムカついた(笑)。そういう反骨心もあり、リーグ戦での初対戦の時は、絶対にぶっ飛ばしてやろうと思っていました。その意地もあって、勝てましたし、このリーグ戦では優勝もしたので、ライバルとはもう思っていません」

 ライバルと思っていないといいつつ、格闘技エリートに思うところはあるようで…。

「インフィニティリーグも優勝を争いましたし、今度の試合もベルトがかかっているので、絶対に負けられない。澤田選手はもともとレスリング出身で、レスリングは強い選手ですし、一本やKOが多くとれるところはすごい。僕はいつもKOを狙っているけど、判定が多いので、一本やKOを取れるのは本当にすごいなと思います。前回、僕が勝ったので、向こうは絶対に負けられないという気持ちでくると思いますが、僕も負けられないのは同じ。相手がどうくるかですが、前回みたいにタックルを切って、相手の得意な状態に持ち込ませなければ、間違いなく勝てると思います」

 笑顔がさわやかで女性にも人気の飛鳥だが、プライベートは…。

「自分でも困るぐらい趣味がない(笑)。休みの日は、出かけたりもしますが、大したところには行かないし…。何をしているかって言われると、本当に困りますね。好きな女の子のタイプは…すごい優しい人がいいです。自分が性格的にあまり引っ張っていくタイプじゃないので。優しく見守ってくれる感じで、包容力のある人が好きです。タレントさんだったら深田恭子さんとか。包んでくれそうなタイプなので」

 7月の試合について読者へメッセージ。

「就職はせず、この道一本で行くことに決めたので、ようやく巡ってきたこのチャンスでタイトルを獲るという事は、絶対に実現させなきゃいけないこと。将来的には海外で試合をしてみたいとか夢はありますが、今は7月に集中するだけです。若いイケメン俳優とか、ジャニーズのアイドルファンは多いと思うのですが、戦う暑苦しい男たちもかっこいいと思うので、ぜひ試合会場に足を運んで、そんな男たちの真剣勝負を見て下さい」

新しい“ジブン発見”コラム My Discovery vol.03 大地洋輔(おおちようすけ)

2016.05.09 Vol.666

大地洋輔の“My Discovery” 身近なものだから、より大切に。

長島昭久のリアリズム 国家と安全保障を考える(番外編:立憲主義再考その一)

2016.05.09 Vol.666

 今年の憲法記念日を迎え、相変わらず、野党内にも、世間にも、憲法学者の間にも、集団的自衛権の限定的行使を容認した一昨年の閣議決定や、昨年9月に成立し今年3月に施行された安保関連法制に対し「戦争法だ」「憲法違反だ」「立憲主義の蹂躙だ」という声が鳴り止みません。そこで改めて、政府が閣議決定して修正した憲法解釈の憲法適合性について、私自身の考え方を整理しておきたいと思います。

 まず、集団的自衛権の本質は「他衛」です。実際、過去に集団的自衛権が行使された事例を振り返っても、自国の存立が直接脅かされるというよりも、密接な関係を持つ同盟国などに向けられた武力攻撃に対しその国を守る、あるいはその国に加勢すること(すなわち、他衛)を通じて自国の安全や生存を図ろうとするケースが殆どでした。したがって、従来の政府の定義も「他衛」としての集団的自衛権であり、そのような自衛権の行使は我が国に対する直接の攻撃を排除する必要最小限を超えるものとなり憲法上認められないと結論付けたのです。そもそも政府は、憲法13条の「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については・・・国政の上で、最大の尊重を必要とする」との規定に根拠をおいて自衛権の行使を合憲と解してきましたので、現行憲法の解釈としてそのような「他衛」権を容認できるはずがありません。

 ちなみに、「他衛」概念の集団的自衛権は、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」(昭和56年5月29日の政府答弁書)と定義されてきました。しかし、この定義からは、想定されている武力攻撃が我が国に対し直接向けられたものでないことは明らかであるものの、その攻撃により我が国の国民の生命、自由、幸福追求の権利がどのような影響を受けるかについては定かとなっていません。つまり、「自衛権の行使」といっても、自国に直接向けられた武力攻撃に対し反撃するしか選択肢が残されていないような差し迫ったケースというより、能動的に(自国と密接な関係にある)外国にまで出かけて行って、そこへ加えられている攻撃を実力で阻止するような態様を想定しており、受動的な自衛というより「他衛」というべき概念です。

 ところが、今回、国際情勢の変化や軍事技術の進歩に鑑み「自衛」の視点(我が国に対する脅威の近接性、切迫性、および武力攻撃波及の蓋然性等)から改めて集団的自衛権をめぐる政府解釈の基本的論理を見直したのです。したがって、今回の閣議決定や安保法制を直ちに違憲、立憲主義の蹂躙などと断定するのは早計です。次回は、その根拠について明らかにしたいと思います。(衆議院議員 長島昭久)

鈴木寛の「2020年への篤行録」 第32回 熊本震災で痛感した“LINE世代”の力

2016.05.09 Vol.666

 このたびの熊本の大地震で亡くなられた皆様とご遺族に心よりお悔やみ申し上げます。また、被災された皆様にもお見舞い申し上げます。

 私自身も東北の復興で、いくばくかの経験、人脈もありますので、微力ながらご支援していきたいと思っています。
 さて今回の震災はITの観点から注目した事象が数多くありました。まず、大規模災害時の利活用が想定されていたドローンですが、国内では初の「実戦」になりました。国土地理院がドローンで被災状況を撮影し、テレビ報道で使われるだけではなく、ユーチューブにアップされた動画を国民が直接アクセスできるようになり、検証材料として社会的に共有されやすくなりました。

 そして、LINEの利活用もポイントです。熊本地震は、スマートフォンの普及率が日本国内で50%を超えてからは初めての大規模震災になります。東日本大震災でもツイッターは情報伝達に活用されましたが、LINEは「3・11」を機に高まった、家族や仲間たちとの「絆」大切にしたい世相を反映するように登場し、瞬く間に世界的なコミュニケーションアプリに成長しました。今回はLINEにとっても大規模災害でどう活用されるのか真価が問われました。

 熊本で東北の教訓が生かされなかった反省点の一つが、人や物資の需給ミスマッチです。震災直後から自治体には水や食料、生理商品などの支援物資が届けられているものの、避難所に必要な分を届けるだけの輸送体制が整っていないなどの事態が指摘されています。ミスマッチを解消するには、どこでどれだけの人、物が必要なのか情報共有が必要です。

 自治体職員や地域の大人たちが手が回らない中、大活躍したのが、まさに「LINE世代」である熊本市内の高校生たち。各避難所の人数、お年寄りの比率、必要な物資、外部への連絡事項をヒアリングして、LINEで連絡を取り合い、ネット上にアップしました。私は大学等で教えている「LINE世代」について、「人にお願いをする時に電話一本できない」「チャットに慣れてしまった分、メールで体裁の整った文章を書けない」などと厳しく指摘してきた経緯がありますが、高校生たちは機動力に優れた、見事な対応だったと思います。

 実は、地方創生や災害でITを利活用しようという時、一番のネックになるのは、便利なツールを使いこなす人材が少ないことなのです。巨額のシステムを構築するハードへの投資ばかりが、政策論議で浮上し、予算もつけられる傾向があるのですが、本当に大事なのはソフトなのです。財政難のご時世ですが、LINEのような身近なツールを使いこなして成果を出せれば、無駄なコストもかかりません。熊本の高校生たちの活躍は、テクノロジーを駆使できる人材育成という点でも大きな示唆を大人たちに与えました。
(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

『SSFF & ASIA 2016』カウントダウン!vol.3 「これが世界の一流ショートフィルムだ!」

2016.05.08 Vol.666

 カンヌ国際映画祭やアカデミー賞など、世界最高峰の映画祭に出品された一流のショートフィルムを堪能できるのも、アジア最大級の国際短編映画祭SSFF & ASIAならでは。今年も、そんな世界の優れたショートフィルムが大集結。今回は、ヨーロッパから届けられた豪華で多彩なショートフィルムたちに注目!

 アカデミー賞やカンヌ映画祭の短編部門でノミネートされた『Ave Maria』はパレスチナ人監督によるコメディー。ガザ地区に住む5人の修道女たちと、修道院の壁に車をぶつけてしまったイスラエル人一家とのやりとりをユーモラスに描いた作品だが、実はパレスチナ問題をシンプルかつシュールに表現している秀逸なショートフィルムだ。

 ヨーロッパの華やかな雰囲気に浸るなら〈ファッションショートプログラム〉をチェック。『Wonders Never Cease』はロンドンを拠点とするファッションブランドTed Bakerが手掛けた作品。ロンドンの博物館に貴重な品を競うように寄贈するセレブの男女。しかしなぜか2人の出品するものはどこか似ていて…。衣装も物語もオシャレな一本。
 日・ベルギー友好150周年を記念しベルギーのショートフィルムも特集上映。新作『神様メール』の公開を控えるベルギーの名匠ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の『ミスター・ノーバディ』の元となった短編作品を上映。他にもフランス映画祭2016に出品された選りすぐりの作品も特集上映。

 また今年は会場にてKuKuRuZa Popcorn(ククルザ ポップコーン)とタイアップしてオリジナルフレイバーのポップコーンを販売。特別な映画&ポップコーンタイムを楽しんで。

江戸瓦版的落語案内 金明竹(きんめいちく)

2016.04.27 Vol.665

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

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