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節目の年に向けた渾身のラインアップで楽しむ展覧会「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」

2021.04.17 Vol.740

 2022年に生誕150周年を迎える画家モンドリアンの“知っているようで知らない”魅力に迫る展覧会。日本では実に23年ぶりの回顧展となる。

 ピート・モンドリアンは1872年、オランダ生まれ。1908年に象徴主義の画家ヤン・トーロップに出会い象徴主義や神智学に傾倒。やがてキュビスムに影響を受けパリに移住。その後、モンドリアン芸術を象徴する表現となる、抽象的コンポジション作品を制作する。

 本展では、オランダのデン・ハーグ美術館が所蔵するモンドリアン作品50点と、国内外の美術館が所蔵するモンドリアン作品と関連作家作品約20点を展示。初期の自然主義的な風景画から、晩年に手掛けた、水平垂直線と原色平面で表現されるシリーズ「コンポジション」までを紹介。オランダからパリ、そしてニューヨークへと移り住みながら画風を変化させていったモンドリアンの軌跡をたどる。

 さらに、モンドリアンが主張した理念「新造形主義」に基づき「デ・ステイル」をともに結成したドゥースブルフなど、同時代の作家との交流も紹介。「デ・ステイル」のプロダクトデザインを合わせて、デザイン領域まで広がったモンドリアンの影響に迫る。

節目の年に向けた渾身のラインアップで楽しむ展覧会「サントリー美術館 開館60周年記念展 ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」

2021.04.14 Vol.740

 日本絵画のコレクションにおいて質・量ともに高く評価されているアメリカのミネアポリス美術館から、厳選された日本絵画を紹介する注目の展覧会。

 アメリカ中西部ミネソタ州最大の都市ミネアポリスにあるミネアポリス美術館は、1883年にミネアポリスの市民や実業家が美術協会を設立したことに始まり、現在では世界各地の約9万点を超える美術作品を所蔵する、世界有数の美術館の1つ。中でも、日本絵画のコレクションは、約2500点の浮世絵をはじめ、質・量ともに国際的にも高い評価を得ており、近年でも在米の美術愛好家から多くの日本絵画・工芸が寄贈されるなど、そのコレクションは今なお進化し続けている。

 本展では、同館の日本美術コレクションの中から、中世から近代にいたる日本絵画の変遷を選りすぐりの作品で紹介。水墨画・狩野派・やまと絵・琳派・浮世絵・文人画(南画)・奇想派・近代絵画と、江戸絵画を中心に日本絵画史の主要ジャンルをほぼ網羅するラインアップとなっており、中には初の里帰り作品も含まれている。

 国境を越え、時空を超えて一堂に会した人気絵師たちの競演を堪能できる、貴重な機会だ。

100年前の激動の時代に台湾に渡った日本人画家が求めた自由とは? 映画『塩月桃甫』

2021.04.07 Vol.web Original

 100年前、台湾に渡り台湾美術界に多大なる貢献をした宮崎出身の画家・塩月桃甫(しおつきとうほ)。彼の生涯を描いたドキュメンタリー映画『塩月桃甫』が、彼の出身地である宮崎県西都市で4月28日に公開される。

 同作の監督を務めたのは、宮崎県延岡市出身のアーティスト小松孝英氏。彼は10年前より台湾の国際アートフェアに多数出品するなどしており、現地で塩月の名を聞く機会も多かった。そんなある時、宮崎県児湯郡の骨董屋で塩月桃甫の描いた台湾原住民族(先住民)の油絵と出会い関心を持つようになる。しかし、調べて行くうちに台湾での知名度、貢献度とは対照的に日本ではほとんど知られていない現実を知り、彼の功績や生き様を広めるべく映画製作を決意するに至った。

 

密を避けつつ出かけたい、春のアート展『あやしい絵展』

2021.03.23 Vol.739

 近代、大きく移り変わる時代のなかで生み出された、従来の“美”とは異なる視点を感じさせる作品に注目した展覧会。

 明治期、西洋からもたらされた知識や技術はあらゆる分野に影響を与え、美術においても西洋の刺激から新たな表現が数多く生まれていった。そのような状況のもとで生み出された作品の中には、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティックといった「単なる美しいもの」とは異なる表現を持つものもあり、それは激動の時代に生きる人々の心をとらえ、大衆にも広まっていった。

 展覧会では、幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿図などからこうした表現を紹介。上村松園の《焰》や《花がたみ》、鏑木清方《妖魚》など、あやしくも美しい魅力にあふれた名画をはじめ、甲斐庄楠音《横櫛》、橘小夢《安珍と清姫》、秦テルヲ《血の池》などインパクト満点のあやしさを放つ作品など、近代日本美術の名作の数々に加え、アルフォンス・ミュシャ、ダンテ・ガブリエル・ロセッティ、オーブリー・ビアズリー、エドワード・バーン=ジョーンズといった、日本美術にも大きな影響を与えた西洋美術の作品も展示。

 現実を超えたあやしさ、おどろおどろしいあやしさ、官能的なあやしさ…その時代の画家たちをとりこにしたあやしさを見つめてみては。

渋谷の街中にヨコガオ 「渋谷ストリートギャラリー」が始動! EXITらも参加

2021.03.19 Vol.Web Original

 

 渋谷の街の魅力と価値を向上させることを目的とした「渋谷ストリートギャラリー」が始動した。渋谷区観光協会を始め、渋谷区エリアの商業施設などのサイネージなど活用して、アートを街中に展開するもの。

 第1回の企画展は、クリエイターでシンガーソングライターのSETA(セタ)のイラスト展『ヨコガオ展』。趣旨に賛同したアーティストや渋谷にゆかりのある面々がモデルになっており、ネオ渋谷系漫才師と称されるEXITも参加している。

密を避けつつ出かけたい、春のアート展「まちへ出よう展 ~それは水の波紋から始まった~」

2021.03.16 Vol.739

 1995年に行われた伝説的な屋外アート展「水の波紋95」を呼び覚まし、街とアートの深い関係を見つめなおす展覧会。

「水の波紋95」は、1995年の夏に国際的キュレーター、ヤン・フート(1936-2014)とワタリウム美術館が協力し、青山、原宿の街中40カ所に現代美術の作品を設置したアート展。各所に作品が置かれた30日間、そこには魔法が掛けられたかのように不思議な空気があふれ、さまざまな出来事が起きたという伝説の展覧会だ。「水の波紋」とは水面に落ちた一粒の水滴が波紋となりゆっくりと広がっていくように、街に設置したアート作品が多くの人たちの心に届くことを願って付けられたタイトルだという。阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件といった大きな事件が次々と起こった1995年、東京が異様な緊張感に包まれ、困難を極めながらも開催された同展は、図らずも都市における行動の自由や場所のあり方、安全についても改めて考えさせられた展覧会となった。

 今回の展覧会では、コロナ禍の影響により人々が“不要不急”の外出を控えるなか、かの伝説的な屋外アート展の記憶を呼び覚まし、その源流となった作品をたどるとともに、その波紋に共鳴するかのようなアーティストたちの作品を紹介。ホワン・ヨンピン、宮島達男ら当時の出品作家の作品に加え、Chim↑Pom、キース・ヘリング、ヨーゼフ・ボイスらによる作品を展示する。

日本の美を描くため…モネ自ら造園した『睡蓮』の庭の四季を見つめた写真展

2021.03.15 Vol.Web original

 印象派の巨匠クロード・モネ。代表作『睡蓮』は、彼が自ら造園した庭をモデルに描かれている。彼が43歳から亡くなるまで暮らしていたアトリエ兼住居と庭園は現在、クロード・モネ財団によって管理・一般公開され、フランス・ノルマンディー地方の小さな街ジベルニーの一大観光名所となっている。

 この庭に“日本の美”を見出し、四季の情景をとらえた日本人写真家・塚原琢哉さん。

「オルセー美術館で『睡蓮』を見たときに、日本の美と通じるものを感じたのが始まりでした。太鼓橋のある風景はもちろん、庭の草花の佇まいに江戸の情緒を感じ、ぜひ実際にこの庭を見てみたいと思ったのです」

 モネの日本趣味はよく知られているところだが、ここではそれを随所に感じることができる。かつてモネが暮らしていた邸宅には、彼が集めた浮世絵コレクションが展示されており、睡蓮の池がある「水の庭」には、太鼓橋を彩る藤の花をはじめしだれ柳や竹、ツツジなど、日本人になじみの植物が植えられている。現在の庭はモネの没後、一時放置された後に復元されたものだが、実際にモネは当時交流のあった日本人美術コレクター黒木三次から贈られるなどした日本の植物をこの庭に植えたという。

「最初は特に撮影するつもりもなく訪れたのですが、そこにはモネのジャポニズムがあふれており、この空気感をぜひ撮影したいと思いました。でもそれには僕自身が“日本の美”とは何なのか、改めて見つめ直す必要があると考えました。そして、日本文化に深く根付いた“二十四節季、七十二候”の視点でモネの庭をとらえてみようと思い至ったのです」

 そこで、モネの庭の春夏秋冬を撮影しようとするが…。

「モネの庭は、基本的に11月から3月いっぱいまでクローズしているんです。そこでモネ財団に計画を話し、1年を通して撮影してみたいと相談したところ“どうぞご自由に撮影してください、塚原さんがいつでも撮影しに来れるように手配しておきます”と言っていただきました。閉館期間や時間外などには、自分で門を開けて中に入り撮影していましたね(笑)。あのように言っていただかなかったら、早朝5時に朝もやに包まれる睡蓮の池を撮るなんてことはできなかった。今回の作品を撮ることは不可能だったと思います」

自由自在、縦横無尽なアートたち。「多層世界の中のもうひとつのミュージアム——ハイパーICCへようこそ」

2021.02.19 Vol.738

 デジタルテクノロジーを駆使したメディア・アートの数々を、リアル会場とオンライン会場で紹介する展覧会。

 オンライン会場では「ヴァーチュアル初台とハイパーICC」が仮想世界に出現。東京オペラシティ街区の一部が「ヴァーチュアル初台」として再現される。さらにそこに“情報の建築”としてのハイパーICCを設置。リアル会場と連携した展示空間を体験できる(ウェブブラウザやPC用アプリケーションを利用)。オンラインからアクセスして体験できる作品は、リアル会場でも展示。ARでリアルでは見えない要素が追加されるなど、リアルとバーチャルが共存し情報が行き来する空間が立ち上がる。出展作家は、本展共同キュレーションを務める谷口暁彦をはじめ、メディア・テクノロジーを駆使し、作品制作や、ネットワーク上での作品公開を行ってきたアーティスト7組。

 近年、社会におけるデジタル領域の役割が比重を増すなか、新型コロナウイルス禍の影響により、日常の多くのシーンでデジタルシフトがさらに加速。多くの美術館でも、展覧会を中止しオンライン上で作品を公開するという試みを行った。そんな社会変動を経験した今、リアル空間とデジタル空間を行き来して、新時代のアート体験を楽しむことができる展覧会となっている。

自由自在、縦横無尽なアートたち。「佐藤可士和展 」

2021.02.11 Vol.738

 2007年の開館以来「さまざまな美術表現を紹介し、新たな視点を提起する美術館」を活動方針に掲げ、デザインや建築の展覧会を定期的に開催してきた国立新美術館が、その理念を体現する企画として、日本を代表するクリエイティブディレクター佐藤可士和の展覧会を開催。

 1990年代、株式会社博報堂でアートディレクターとして斬新な広告プロジェクトを次々と手がけた佐藤は、2000年の独立以降、さまざまな分野のクライアントを対象に、革新的なVI・CI計画やブランド戦略を手がけ、国内外から注目を集めてきた。

 過去最大規模の個展となる本展では、佐藤自身がキュレーションする会場構成のなかで、約30年にわたる活動の軌跡を多角的に紹介。展示室を巡る来場者は、佐藤の数々の仕事を「作品」として鑑賞する刺激的な体験を通して、そのクリエイティビティーを体感することができる。会場では、幼少期のコラージュ作品や博報堂入社当時にデザインした作品といった佐藤の原点から、クリエイティブディレクターとしての仕事の数々、さらにはアートワークのシリーズ「LINES」と「FLOW」の対比的なインスタレーションも展開する。

コロナ禍に直面して1年―アートが記憶したもの、記録するもの「DOMANI・明日展2021 スペースが生まれる」

2021.01.30 Vol.737

 1998年にスタートした、文化庁の「新進芸術家海外研修制度」経験者を中心に構成するアニュアル展。例年、年の初めに国立新美術館で開催され、今年度で23回目を迎える。

 2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、一時は開催があやぶまれたものの、夏に初めてオンライン上で展開され、好評を得た。

 そんな「DOMANI・明日展」が今年は、感染対策のうえ再び会場でのリアルな展示を実施。過去10年間に各国で研修経験を持った7人の新進作家と、それ以前に研修を経て、現在アートシーンの最前線で活躍する竹村京・鬼頭健吾、袴田京太朗の作品を紹介。「2020年代」を迎えた日本のアクチュアル、かつ国際的に開かれた表現を浮かび上がらせる。

 本展のサブタイトル「スペースが生まれる」には、東日本大震災から丸10年を目前に、被災によって生じた空間/景観の余白と、コロナ禍のステイホームで体験した時間的余白を経て、改めて何が本当に大事なのかを考え直し未来と向き合おうという願いが込められている。

 国際的な移動や発表を前提に活動してきた作家たちが、長期にわたる閉塞状態のアートシーンに遭遇したなかで思考を重ねて作り上げた展覧会で、さまざまな“スペース”を感じて。

制作過程に迫る初の大規模展覧会 石田スイ展[東京喰種▶JACKJEANNE]池袋で開催!

2021.01.24 Vol.737

 全世界累計発行部数4400万部を超える超人気コミック『東京喰種トーキョーグール』『東京喰種トーキョーグール:re』の作者で、3月発売予定のNintendo Switch用ゲーム「ジャックジャンヌ」の原作・キャラクターデザイン・シナリオを務める石田スイ。今年で画業10周年を迎える石田スイ初の大規模展覧会が池袋のサンシャインシティ 展示ホールAで開催される。

 代表作である『東京喰種トーキョーグール』シリーズと、Nintendo Switch用ゲーム「ジャックジャンヌ」の2作品を中心に、これまで謎に包まれていた石田スイの制作過程を多数のイラストや音楽、展示で表現。また、初期の作品における貴重なアナログ原稿も初めて公開する。

 キービジュアルには『東京喰種トーキョーグール』の金木研&「ジャックジャンヌ」の立花希佐の描き下ろしイラストを採用。圧倒的な画力と魅力的なキャラクター、小説のような心理描写など、石田作品が持つ独特の世界観を追体験できるファン待望の展覧会だ。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、チケットは全日日時指定制となる。

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