草彅剛が主演する舞台『シッダールタ』が今秋、世田谷パブリックシアターで上演される。ノーベル文学賞受賞作家であるヘルマン・ヘッセの同名の最高傑作を舞台化するもの。草彅は「迷いやプレッシャーもありますが、未だかつて観たことのない、壮大な舞台をお届けいたします!」とアピールしている。
同作は20世紀前半の激動のヨーロッパを生きたヘッセが、2つの世界大戦に衝撃を受けて、インドを訪れたことで東洋思想と出会い、古代インドを舞台に宗教家が悟りに至るまでの姿を描いた物語。芸術監督の白井晃と劇作家の長田育恵が、原作の壮大な世界観をベースに、作家自身の思索も補助線として、現代を映す舞台へと昇華させた。作曲家・三宅純による音楽も加わって、情報の氾濫、価値観の変容、哲学の喪失によって混沌とした世界の中で、宗教とは何か、他者とは何か、そして、個のアイデンティティとは何かを、この作品を通して映し出し、平和主義を唱えたヘッセが本作で何を伝えようとしたかを考えていくという。
主演の草彅は、実在する宗教家で仏陀(釈迦と言われる仏教の始祖ブッダ)と同じ名を持つ青年シッダールタと、「現代を生きるヘッセ」に重なるひとりの男を演じる。草彅は「未知なる壮大なテーマを持った作品で、ひとりの人間としてこの壮大なテーマに立ち向かっていくことにドキドキした気持ちです。自分自身の全力で取り組まないと薄っぺらいものになってしまうと思うので、筋肉を鍛えて(笑)頑張りたい」と、意気込む。
また、再タッグを組む白井を「僕の可能性を広げてくれる、とても情熱的で素敵な方」とし、「今までご一緒させていただいた作品はどれも自分の人生のターニングポイントになってきたので、今回もそんな作品になると期待に胸を膨らませています」と話している。