SearchSearch

両バージョンの観劇が必須 青蛾館創立35年記念作品『毛皮のマリー』オリジナルver./未公開ver.

2019.03.13 Vol.716

 青蛾館は1984年に桐朋学園短期大学部演劇科の卒業生を中心に、寺山修司の「初期一幕物の美学」「見世物の復権」を舞台に再現すべく結成された劇団。寺山修司没後35年の今年で創立35周年を迎える。今回の公演はこの創立35周年を記念して行われるもので、寺山の代表作である『毛皮のマリー』を上演する。同作には日本で上演されたオリジナル版の他に、ニューヨークの老舗劇場ラ・ママ公演時にラストシーンなどを大々的に改訂した日本では未発表のバージョンも存在しており、今回は日を違えそちらも同時上演される。

 両バージョンでマリーを演じるのは青蛾館の主宰で座付き女形でもあるのぐち和美。今回で4度目のマリー役となる。

 オリジナルバージョンでは中年の男娼であるマリーと暮らす美少年の欣也を安川純平、2人の関係をかき乱す美少女を日出郎が演じ、ラ・ママバージョンではそれぞれを砂原健佑とシンガーソングライターの中村中が演じるなど、両バージョンの観劇が必須と思わせるキャスティングとなっている。

青蛾館創立35年記念作品『毛皮のマリー』オリジナルver./未公開ver.
【日時】3月14日(木)〜21日(木・祝)(開演はオリジナルバージョン(O)が14日19時、16・17日14時、19日14時/19時、21日12時30分。ラ・ママバージョン(M)が15・16・18日19時、20日14時19時、21日15時30分。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)
【会場】東京芸術劇場 シアターウエスト(池袋)
【料金】前売・全席指定 一般5500円、シニア(65歳以上) 4500円、U22(22歳以下) 3500円/平日マチネ割引各チケットより500円引/演目W観賞チケット 一般1万円(劇団のみの取り扱い) ※当日券は各500円増し。
【問い合わせ】青蛾館
(TEL:080-1614-6114=平日10〜18時[HP] http://seigakan.com/kegawa2019/ )
【作】寺山修司
【演出】寺山偏陸
【出演】のぐち和美(O)(M)、〈オリジナルバージョン〉安川純平、日出郎、加納幸和、小林桂太 他〈ラ・ママバージョン〉砂原健佑、中村中、土屋良太、松之木天辺 他

キャッチフレーズは「80分の駄弁芝居」あひるなんちゃら『ハルサメ』

2019.03.13 Vol.716

 あひるなんちゃらのキャッチフレーズは「80分の駄弁芝居」というもの。80分の部分は公演によって70分に変わる時もあるのだが、もともとその辺も「あんまり公演時間が長くなるとお客さんのお尻がつらくなるから」となんとなく決めた時間と思われるため、大勢にはほぼ影響はない。とにもかくにも駄弁芝居ということ。

 2003年にユニットとして立ち上げてから今年が17年目。ぶれずに駄弁し続けているのは冷静に考えるとすごい。普通はこれだけ長く続けていると、なんか大したことを言いたくなってしまうのが人の常。それを押し殺し、スタイルは曲げない。実はちゃんとしている人たちなのかもしれないが、そんなことはおくびにも出さず、今日も駄弁を重ねる。

 今回は初日の公演終了後にイベントを開催するという。

 これまでのオリジナルテーマソングをベストテン形式で発表して、その中から選りすぐりの数曲を、ゲストを招いてカラオケで披露するとのことなのだが、いったいどれくらいの時間やるつもりなのか?とかツッコミどころが満載で逆に見たくなる? 今後のアフターイベントに一石を投じることになるかもしれない謎のイベントだ。

境界がゆらぐとき。境界を越えるとき。天明屋尚展「国津神」

2019.03.12 Vol.716

 日本伝統絵画を現代に転生させる“ネオ日本画”を手掛ける現代美術家・天明屋尚の2年ぶりとなる新作個展。

 これまで戦国時代のバサラ大名や江戸時代の傾奇者、現代のストリート文化といった日本の祝祭的な美の系譜を取り上げてきた天明屋尚が、今回、モチーフとしたのは「国津神」。国津神とは、高天原から天降った神々である天津神とは対置され、豊葦原中国(とよあしはらのなかつくに)に生まれた、古来から日本の地に土着する荒ぶる神々のこと。

 本展では、天明屋が創造した風神、雷神、雪神、雨神、虹神、海神、山神、火神の8つの神々を描いた作品が展示される。各神はそれぞれ神獣や雲に乗り来訪する神であり、此岸と彼岸の理を超越した目に見えない霊的存在、即ち鬼として描かれる。

 会場中央の奥には神社の御神体に着想を得た立体作品も設置。古代の神々をモチーフとした作品8点と御神体を配置することで、会場はさながら神社仏閣のような、神聖な空気に包まれた空間となっている。芸術を鑑賞しているのか、神仏を祀っているのか。境界が重なり合い1つになっていく感覚を感じつつ、天明屋らしいポップで躍動的、スケールの大きさを感じさせる作品を堪能しよう。

天明屋尚展「国津神」
【会場・会期】ミヅマアートギャラリー 開催中〜3月30日(土)
【時間】11〜19時
【休】日月祝
【料金】入場無料
【問い合わせ】03-3268-2500
【交通】地下鉄市ヶ谷駅より徒歩5分
【URL】http://mizuma-art.co.jp/

【明日何を観る?】『運び屋』『マイ・ブックショップ』

2019.03.10 Vol.716

『運び屋』

 90歳になろうとするアールは金もなく、ないがしろにした家族からも見放され、孤独な日々を送っていた。ある日、男から「車の運転さえすれば金になる」と持ちかけられる。その仕事はメキシコ犯罪組織によるドラッグの運び屋だった。

監督:クリント・イーストウッド 出演:ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン他/1時間56分/ワーナー・ブラザース映画配給/公開中 hakobiyamovie.jp

境界がゆらぐとき。境界を越えるとき。塚原琢哉写真展「国境 ポーランド国境を越えた国の日常」

2019.03.10 Vol.716

 人々をとりまく歴史や文化、自然などをテーマに、現代人に問いかける鋭い視点を持って国内外で取材・撮影を行う写真家・塚原琢哉の写真展。

 1972年に初めてポーランドを訪れて以来、度々同地で撮影や展覧会を行い、ポーランドを中心に数々のマリアイコンを調査し、撮影した『マリア幻想』シリーズを手掛けるなど、ポーランドとの深い絆を持つ塚原。冷戦後、政治情勢が大きく変化した東欧に足を運び、ときに行き来が困難な国境の旅を続け、22年間で撮り溜めた作品約160点を展示する。

 1989年、ポーランドでカトリックと連帯が1つになって黒いマドンナのミサに巡礼し民主化を求める姿、共産主義体制を維持するベラルーシの街に立つレーニン像、カリニングラード港に第二次世界大戦の戦勝記念碑として係留されている潜水艦、世界中から訪れるカトリックの巡礼者たちが積み上げた十字架が凍り付く極寒のリトアニア、カウナス。冷戦終結後に廃墟となった、オストラバの重工業地帯にたたずむ、冷戦中ソビエトの管理下に置かれていた化学工場跡…。

 ポーランドを取り巻く冷戦後の国境を越え、7カ国を取材してとらえた東欧の歴史の記憶と人々の姿とは。

山崎育三郎ら再びドラァグクイーン! ミュージカル『プリシラ』きょう開幕

2019.03.09 Vol.Web Original



 山崎育三郎らがドラァグクイーンを演じて好評を博したミュージカル『プリシラ』がきょう9日、日生劇場で開幕する。初日に先立ち、8日、同所で公開ゲネプロが行われ、山崎、ユナク、古屋敬多(Lead)、陣内孝則、そして演出の宮本亜門が取材に応じた。

 LGBTQのバイブル的作品である映画『プリシラ』を舞台化したもの。オーストラリアを舞台に、3人のドラァグクイーンの珍道中を描く。舞台は世界15カ国以上で上演され大ヒット。日本では2016年12年に初演されてチケット完売が続出した。今回は初演と同じメンバーが集結した。

 再びドラァグクイーンの衣装に身を包む山崎は「衣装で『プリシラ』が始まるぞという気持ちになってきました」と準備は整ったよう。「衣装を着ると『プリシラ』の世界にすっと入っていけます。衣装はひとつのスイッチになっていて、(劇中で)何度も着替えるんですけど、僕1人で22着衣装があるので着替えごとに自分の気持ちが変わっていくんです」。

【明日何を観る?】『スパイダーマン スパイダーバース』『ウトヤ島、7月22日』

2019.03.09 Vol.716

『スパイダーマン スパイダーバース』

 名門私立校に通う頭脳明晰な中学生マイルス・モラレスは実はスパイダーマン。しかしその力をいまだにうまくコントロールできない。そんなある日、何者かにより時空が歪められる大事故が発生。その時空から異なる次元のスパイダーマンたちが現れる。

監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン/1時間57分/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給/公開中 spider-verse.jp

フジロック、アジカン、エルレらラインアップ第2弾! 出演日程も発表

2019.03.08 Vol.Web Original

 人気夏フェスのフジロックフェスティバルが8日、ASIAN KUNG-FU GENERATION、ELLEGARDEN、Superflyら28組の出演アーティストを発表、また既に出演があったアーティストを含め、出演日程も明らかになった。

 初日のヘッドライナーは、クラブとライブハウスをつなぐサウンドで支持を集め続けるTHE CHEMICAL BROTHERS。ELLEGARDENを筆頭に、スガシカオ、ORIGINAL LOVEら今回発表になったアーティストも加わる。

【明日何を観る?】『移動都市/モータル・エンジン』

2019.03.01 Vol.715

『移動都市/モータル・エンジン』

 最終戦争後の世界。残された人類は空や海、そして地を這う車輪の上に移動型の都市を作り出し、他の小さな都市を“捕食”しながら生き延びていた。他の都市を飲み込み続ける巨大移動都市“ロンドン”に立ち向かうため1人の少女が立ち上がる。

監督:クリスチャン・リヴァーズ 出演:ヘラ・ヒルマー、ロバート・シーアン他/2時間9分/東宝東和配給/3月1日(金)より全国公開 http://mortal-engines.jp/

【いまライブで聴くべきバンド】「立川BABEL」編

2019.02.23 Vol.Web Original

今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!

今月登場していただくのは、「赤い公園」や、オバ犬と呼ばれ愛される「OverTheDogs」など、数々の有名バンドを輩出してきた西東京の有名ライブハウス、立川BABEL。300人という東京の中では比較的大きめなフロアを持つオールジャンルライブハウスならではの、多彩なネクストバズアーティストを教えてもらった。

江戸と東京。それぞれを見つめた表現者たち「田沼武能写真展 東京わが残像 1948ー1964」

2019.02.23 Vol.715

 終戦直後から活躍し、90歳を迎えようとする今も第一線で活動し続ける写真家・田沼武能(1929〜)。生誕90年、写真家生活70年の節目に合わせ「戦後東京」をテーマにした初の大規模個展が開催される。

 田沼は1949年に東京写真工業専門学校(現・東京工芸大学)を卒業した後、サン・ニュース・フォトス社に入り、木村伊兵衛の助手として写真家人生をスタート。『藝術新潮』の嘱託写真家として文化人の肖像写真による連載で注目を集めたのち、アメリカのタイム・ライフ社と契約しフォト・ジャーナリズムの分野でも活躍。また、黒柳徹子ユニセフ親善大使の援助国訪問には1984年の初回からすべてに同行するほか、これまで120カ国を超える世界中の子どもたちを撮影してきた。

 卒寿を迎える今も写真家として第一線で活躍している田沼だが、子どもや文化人の写真と並びライフワークとしてきたのが、自身の生まれ育った下町を中心とした東京の写真。戦後の焼け野原から出発し、さまざまな矛盾を内包しながらも再生を目指し激しく変貌した都市・東京。本展では、田沼が見つめてきた東京の写真作品180点を「子ども」「下町」「街の変貌」の3つの視点から紹介。さらに世田谷美術館での個展開催にちなみ、特別企画として、世田谷区ゆかりの文化人の肖像写真24点も展示する。

 会期中は田沼本人が登壇する講演会も実施される(3月16日14時〜、13時よりエントランスホールにて整理券を配付。当日先着140名。参加費無料)。

田沼武能写真展 東京わが残像 1948ー1964

【会場・会期】世田谷美術館 開催中〜4月14日(日)
【時間】10〜18時(入場は17時30分まで)
【休】月曜(2/11は開館、翌12日休館)
【料金】一般1000円、65歳以上800円、大高生800円、中小生500円
【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル)
【交通】東急田園都市線「用賀」駅より徒歩17分
【URL】https://www.setagayaartmuseum.or.jp

Copyrighted Image