インターネットとネット保守、若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行っている古谷経衡。最近ではテレビやラジオのコメンテーターとしても活躍中だ。そんな古谷氏が6月、新書と小説を2冊同時に刊行。『意識高い系の研究』『左翼も右翼もウソばかり』『ネット右翼の終わり』『ヒトラーはなぜ猫が嫌いだったか』など、これまでの話題となった著書とはまた違ったアプローチとなった同書について話を聞いた。
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マキタスポーツ&スージー鈴木の脚注ぎっしりの音楽本が話題! 「ハズキルーペでかなり読める」!?
マキタスポーツとスージー鈴木が出演する音楽番組『ザ・カセットテープ・ミュージック』(BSトゥエルビ、毎週金曜深夜2時~2時30分)を書籍化した『カセットテープ少年時代 80年代歌謡曲解放区』が発売された。
本の内容は「A面に入れたいサザンの名曲」「松田聖子の80年代名曲特集」「語られていないチェッカーズを語る」「画期的!ユーミンのコード&メロディー」と、番組に忠実だ。
「資料的な価値が高い」とマキタ。コード進行はもちろん、沢田研二だとか「ザ・ベストテン」、82年組といった言葉の説明で脚注がぎっしりと埋まっている。スージーがエクセルで自作した「メロディー図解」もあり、さながら教科書か参考書だ。
「東京ー大阪間で読み切れるような本のほうが売れるでしょ、たぶん絶対そうなんですよ。それを考えると脚注とかを載せるのはあまり喜ばれないかもしれないけど、(スージー鈴木は)一歩踏み込んだことを言ってるし書いてきている人だし、載せておいたほうがいい、と」
第一線で活躍するアーティストが生み出したコードやメロディーの展開に注目して語る。書籍の行間や真っ黒な脚注から、J-POPが引き継いだDNAも感じられ…。
「20代、30代の人にも読んでほしい」と、スージー鈴木。「僕らが中学生高校生だった80年代は、60年代の音楽を本で知りました。でも今はそういうガイドブックやガイダンスが無さ過ぎる。『昭和歌謡』と乱暴に括って、懐かしいものは全部素晴らしいみたいな話になっている。それをはっきりと選別したいんです」
番組は40~50代が楽しく見られるものを目指してスタートしたといい、6月2日に渋谷で行われたイベントの客席も年齢層が高めだった。「ハズキルーペを使えばかなり読める」というマキタの呼びかけに客席は大笑いだった。
「料理研究家がうちでやっているラクして楽しむ台所術」林幸子【TOKYO HEADLINEの本棚】
大人気料理研究家グー先生こと、林幸子氏の「料理研究家がうちでやっているラクして楽しむ台所術」が好評発売中。たまに作るのはいいけど、毎日料理をするのは大変。働く主婦にとっては、献立を考えるのすら苦痛だと感じる人もいるとか。そんな時のお助け技が、同書には詰まっている。著者の林先生は、30年以上活躍するカリスマ料理研究家。そんな先生が日ごろからやっている時短テクを惜しげもなく披露。最小の手間で最大限においしさを引き出す実用的な方法を教えてくれる。手抜きではなく、ちょっとした工夫で「ラクして楽しく」が同書の基本。無理せず、無駄なく、そして効率よく。道具選びから、出汁のとり方、献立づくり、料理のアレンジ術、残りものをおいしくする工夫、片づけ術まで、先生が実践している「台所しごと」のコツが満載。ひとり暮らしの人、新米ママさん、ベテラン主婦、そして料理男子も必読の書。
「不機嫌は罪である 」齋藤孝【TOKYO HEADLINEの本棚】
コミュニケーションに関する著書も多い齋藤孝の最新刊。現代の日本社会において、“不機嫌”な態度をする人が増えている。職場で、電車で、レストランで、そして家庭で。不機嫌をあらわにすることは、自分の気持ちをダウンさせるだけではなく、周りの人をも不愉快にし、状況はますます悪化していくばかり。現代は、不機嫌な態度により人を服従させ自分の思い通りにさせようとする人ばかりか、ただ単に不機嫌を巻き散らしている人も多い。著者はその原因のひとつに、SNSを上げる。ネット社会となった今、人は他者の不機嫌に傷つきやすくなる一方で、24時間攻撃性を発揮できるようになった。既読スルー、未読スルーに敏感に反応し、日常のささいなイラつきを手軽に発信する。
また芸能人の不倫報道など、自分には関係ない事にでも匿名性をいい事に、怒りの矛先を向けるのだ。それらの事が、仕事や人間関係に大きな損害をもたらす。そう考えると、いつも上機嫌でいる事は、自分自身にとっても、社会のためにも大切だ。不機嫌をコントロールし、その気分を自分の中から排除する。さらに、意識的に自分自身を上機嫌にすることで、人生が豊かになるのだと。同書には簡単に気分を変える呼吸法や、著者おススメの映画や書籍の紹介など、不機嫌を解消するためのすぐに実践できる方法も書かれている。上機嫌に生きたいと願う人の指南書として手元に置いておきたい。
【いまライブで聴くべきバンド】渋谷のライブハウス「TSUTAYA O-nest」編
今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!
渋谷のライブハウスの中では中規模で、これからまだ伸びしろのあるバンドのイベントを多く興行しているO-nest。そんなO-nestで日々、東京のリアルな音楽シーンを目の当たりにしているブッキング担当に、ライブハウスという音楽の中でも最も「現場」に近い人間だからこそ勧めることのできる「ライブでこそ聴くべきバンド」を教えてもらった。
さまざまなエンタメが楽しめる「Hibiya Festival 『The Stage』」
演劇、ダンス、舞踊、ミュージカル、そしてオペラまで、さまざまなエンターテインメントを気軽に楽しめる「Hibiya Festival」が26日にスタートする。メイン会場となるのは東京ミッドタウン日比谷。そのQホールでは「The Stage」として、国内を代表する気鋭のパフォーマーによる「出会いと融合」をテーマにした体験型展示とパフォーマンスが行われる。また「日比谷ステップ広場」ではさまざまなジャンルのショートステージが無料で見られる(4月27日〜5月6日)ほか、帝国ホテルや日比谷公園などでもさまざまな企画が行われる。
「Hibiya Festival」は26日〜5月20日。コア期間は27日〜5月6日。
【日時】4月27日(金)、28日(土・祝)(開演は27日15時/19時、28日は13時/17時)
【料金】前売・当日5000円
■累累ールイルイー 昼:『イーストサイド物語』夜:『おとしモノ』
【日時】4月29日(日)(開演は14時/19時)
【料金】一般前売3000円、学生前売(要学生証提示)2000円、子供(小学生まで)前売500円。累累昼夜セット券一般前売り5000円、同学生前売3000円。当日はそれぞれ500円増。未就学児童は保護者膝上は無料、一席座る場合は有料
■オリエンタリズム『シュハリ』
【日時】4月30日(月・祝)(開演は13時/17時)
【料金】一般前売3500円、同当日3800円/小中高校生前売1300円、同当日1500円 ※要学生証提示
■REVO side B『MIRAI no KIOKU ミライノキオク』
【日時】5月2日(水)、3日(木・祝)(開演は2日19時、3日13時/15時)
【料金】一般前売4000円、小中高校生前売2000円。当日はそれぞれ500円増。未就学児童は保護者膝上は無料、一席座る場合は有料
■が〜まるちょば『That’s が〜まるちょばSHOW!+ ウエスタン』
【日時】5月4日(金・祝)(開演は13時/17時)
【料金】一般前売4000円、4歳〜中高校生前売2000円、シニア(60歳以上)前売3000円。当日はそれぞれ500円増。特別モヒカン割引(当日審査あり)もある。
【会場】東京ミッドタウン日比谷 Qホール
【URL】https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/hibiya-festival/
【STAGE】日本のラジオ『カーテン』
今後の飛躍が期待される若手劇団を集めて贈る、三鷹市芸術文化センターの「MITAKA“Next”Selection」の第2弾。
この「日本のラジオ」の作品は、古典や実際に起きた猟奇事件をモチーフとし、性的倒錯者やセクシュアルマイノリティーといった個性的なキャラクターを登場させ、物語よりも言葉と関係性を重視し描いているのが特徴。
残酷な世界を描きながらも「観劇後にさわやかな気分になる」という感想も多いことから、劇団のキャッチコピーが「さわやかな惨劇」となっている。
代表で作・演出を務める屋代秀樹の「舞台と客席を隔てるのが嫌」という考えから、普段はギャラリーでの上演が多かったのだが、「どうしても劇場でなければ成立しないアイデア」があったところに“Next”Selectionの話があり、そのアイデアを作品化したという。
【STAGE】KAAT×PARCOプロデュース『オーランドー』
本作は、20世紀モダニズム文学の重鎮で最も有名な女流作家のひとりであるヴァージニア・ウルフの代表作を、アメリカの劇作家サラ・ルールが翻案したもの。サリー・ポッター監督の映画「オルランド」(1992年)でも知られる人物オーランドーを、現代的に生き生きと描き、「愛とは」「人生とは」「運命とは」といった永遠のテーマを問いかける。
オーランドーは16世紀のイングランドに生を受けた少年貴族。エリザベス女王をはじめ、あらゆる女性を虜にする美貌の持ち主だったのだが、初めて恋に落ちたロシアの美姫サーシャには手ひどくフラれてしまう。傷心のオーランドーはトルコに渡り、その地で30歳を迎えたのだが、彼は一夜にして艶やかな女性に変身してしまうのだった。
オーランドーの数奇な運命を通じて“真の運命の相手には時代も国も性別も関係なく巡り合えるはず”というヴァージニア・ウルフの強いメッセージが描かれている。
オーランドーを演じる多部未華子らわずか6人の俳優が、16世紀から20世紀という長い時間をまたぎながら20以上の役を演じる。
【STAGE】T FACTORY『エフェメラル・エレメンツ』
2010年の30周年以降、川村毅はひとつのテーマを掲げ、そのテーマに基づいた作品作りを長いスパンで続けている。そしてこの2017年からの数年間は「自身の原点を再考する」新作を創っていくという。
川村は33年前、23歳の時に近未来、軍事用アンドロイドの人間への反乱を描いた『ニッポン・ウォーズ』という作品を書いた。当時としては荒唐無稽のSFでしかない話だが、今はAIと人間の共存というテーマがよりリアルになっている。そんな時代にもう一度、同じテーマで新作に取り組む。ヒューマノイド・ロボットの生命と感情を問いながら、人間というものをもう一度問い直す作品となるという。
公演期間中の23日(土)19時30分と24日(日)13時に『ニッポン・ウォーズ』のリーディング公演もある。第三エロチカの看板俳優だった宮島健と川村が、初演と同じ役で出演するという貴重な公演だ。
【STAGE】ブロードウェイミュージカル『ファインディング・ネバーランド』
ブロードウェイミュージカルの新作が日本上陸。時を超えて愛され続ける名作「ピーターパン」の誕生に隠された、作家とある家族の実話を描く。本作は、ジョニー・デップの主演した映画『ネバーランド』をベースにしている。
舞台は19世紀後半のイギリス。劇作家のバリは父親を亡くし傷心の少年ピーターと出会い、交流を深めていく。物語の中に希望を見出して成長していく少年やその兄弟の姿から、バリも劇作家としての原点を思い出し……。
ゲイリー・バーロウによる楽曲はドラマティックで空想想が膨らむ、『ヘアー』や『ピピン』を手掛けたダイアン・パウルスによる演出、セリーヌ・ディオンやシルク・ドゥ・ソレイユに携わったミア・マイケルスによる振付など、最初から最後まで見逃せない場面ばかり。
この夏、注目のミュージック『55』C&K
男性シンガーソングライターユニット、C&K(シーアンドケー)による最新アルバム。55分間のライブの後に握手会をするスタイルの全国ツアーを、そのまま収録したと言っても過言ではない内容。合宿をし膝を突き合わせながら楽曲を作る原点の方法に立ち返って作られた本作は、熱やさまざまなエモーションが濃縮して詰め込まれている印象。ライブを念頭に制作したというだけに構成も一回の公演を再現しているかのよう。盛り上がって、ちょっとクールダウン、そしてピークへ。アガらずにはいられない内容だ。シングル『Y』を含む全12曲を収録。初回盤にはライブ映像を収めたDVDも。
[J-POP ALBUM]ユニバーサルミュージック 7月26日(水)発売 初回限定盤(CD+DVD)5200円、通常盤3000円(すべて税別)

