ランナー、観客に安全と安心を東京マラソンがテロ対策訓練

TOKYO MARATHON 2016 ランナー、東京を走る!

 東京マラソンは、ランナーはもちろん、彼らを沿道で応援する人たちの安全、そして安心を確保しようと準備を整えている。先日、フルマラソンコースのゴール地点となる東京ビッグサイトで、テロを意識した訓練が行われた。2020年には東京でのオリンピック・パラリンピック大会も控える。安心、安全は大会を成功させるためのキーだ。
1.ナイフを振り回す暴漢を警察官や警察犬が確保 2.連行後、置き去りにされた荷物に声を出しながら近づいていく 3.爆発物と判明したバッグはアームつきの特殊車両で特殊な車両に移動した
 テロ対処訓練の会場は、東京マラソンのフィニッシュ地点である東京ビッグサイト。ゴールや客席、手荷物検査場などが作られ、警視庁、東京湾岸警察署、そして海上保安庁の協力のもと、本番さながらの環境の下で訓練が行われた。大会の審判員、ボランティアとして参加する人なども参加。それぞれが真剣なまなざしで一連の訓練を見守った。

 この日行われた訓練は、「爆発物処理訓練」と「ドローン対応・避難誘導訓練」の2種だ。
「爆発物処理訓練」は、フィニッシュ地点に設けられた手荷物検査場に不審者が爆発物と思われる不審物を持ち込んだという想定。不審者は手荷物検査を頑なに拒否するだけでなく、刃物を取り出して抵抗したが、機動隊複数名と警察犬が取り押さえて検挙、警察車両で搬送。その後、アナウンスをして、観客を安全なエリアへと誘導した。放置された不審なバッグは、警察が爆発物である可能性が高いことを確認。爆発物処理班によって、特殊車両などを用い、慎重に処理された。緊迫したシーンの連続だったが、「現在、どういう目的で、この作業をしているのか」という細かな説明もあり、参加者はじっと耳を傾けていた。

 今年初めて行われたということもあり注目を集めたのがドローンに対応する訓練だ。昨年来、日本でも小型ドローンによる事故や事件が頻発。そのため、今回からフィニッシュ地点にはドローン探知システムが新設される予定だ。訓練では、ランナーが次々にゴールしてにぎわうフィニッシュ地点からすぐ目の前の海上に不審な船が停泊しており、そこからドローンが飛び立ち、じわじわと迫ってきた。すると、探知システムが作動。それとともに、警視庁の迎撃ドローンが飛び立ち、広げたネットで捕獲した。それと並行して、海上では操縦者を確保。ゴールエリアでは、ランナーも観客も安全な場所に避難誘導されるという流れだった。

 また同日別会場では、ランナーやボランティアスタッフとして大会に参加する人1000人を対象にAEDなどを使用した普通救命講習会も行われた。
 一般財団法人東京マラソン財団の櫻井幸次理事長は「これまではランナーの命を助けるという方向でいましたが、それだけではすまなくなってきた。(東京マラソンは)関心の高い大会。万全の準備をしなければいけないと思う。訓練の様子を見て、我々自身もテロを防止するという気持ちで臨んでほしい」と話した。
警察のドローンは大きな網を広げて、怪しいドローンに正確に近づいていく。網でドローンを巻き込んで確保。それと同時に海上で操作する人物も捕らえる