仮面シューターJr.・世紀末寝技伝説 渡部修斗× 渡部拳士郎

格闘家イケメンファイル Vol.49

 修斗と拳士郎の渡部兄弟は、父親が初代修斗ウェルター級チャンピオン・渡部優一氏という最強の遺伝子を持つ。現在27歳と24歳の2人の格闘技人生とは。

修「僕は生まれた瞬間に修斗という名前に決まっていました。男だったので、両親が何の迷いもなくつけたと聞いています」
拳「僕にはドラゴンボールから悟空という名前を付けようと思っていたようです。結局双方の祖父母に反対されて、悟空は却下されましたが、どうしてもドラゴンボールから離れられず、ベジータとかカカロットにしようとしたそうです。そうならなくて本当に良かった(笑)」

 誕生してすぐに格闘家としての道に足を踏み出していた2人。その後…。

拳「僕が小学校1年生、兄貴が小学校4年生ぐらいの時に、2人で一緒に柔道の道場に行くことになりました」

修「父親にいきなり見学に行くぞって言われて行ったら、次の日から通うことになっていた(笑)。でもめちゃめちゃ嫌で、いつもどうやってサボろうかと考えていた。当時は遊びたくてしようがなかったので、遊ぶ時間が削られるのが本当に嫌だった」

撮影・神谷渚

 プロになったきっかけは。

修「部活もせずに普通の大学生4年生だった時、大みそかにさいたまスーパーアリーナで、生まれて初めて格闘技の試合を見たんです。選手たちが無茶苦茶格好良くて、周りのファンの応援もすごい。プロになったらこんなすごいところで試合ができるんだ、気持ちいいだろうなってその時思いました。それで年明けすぐにジムを探して、1月中には入会し総合格闘技を始めていた(笑)」

拳「僕は兄と全然違って、プロの道は考えていませんでした。普段は寝技中心のブラジリアン柔術をやっているんですが、それをやっていく中で兄の団体の代表の方から、弟だということでお話をいただき、寝技のグラップリングでプロデビュー戦をさせていただきました。成り行きでチャンスをもらい拾ったという感じです」

 対照的なキャラクターの2人だが、お互いをどう思っているのか

修「自分は人見知りだし、苦手な人とは付き合わない、ダメな人はダメっていうタイプだけど、弟は社交性があり、人づきあいがいい。外だといい顔してるけど、どっちかっていうと外面がいいタイプだと思う(笑)」

拳「僕は段飛ばしで行くようなタイプだけど、兄貴は丁寧に一歩一歩進んでいくタイプ。そういうところは本当に尊敬できますし、何より地道に頑張る姿が一番すごいです」

修「こういうところが外面がいいんです(笑)」

撮影・神谷渚

 8月にはZSTの試合に出るとか出ないとか。

拳「まだ対戦相手もまったく決まっていない状況なので、何とも言えないですが、グラップリングの試合になることは間違いない。お客さんには、こういう寝技だけの試合もあるんだなって関心を持ってもらえたらいいと思っています。自分のファイトスタイルは形にはまらず、つかみどころがないと言われている。どんな体勢からも技に入っちゃうので、寝技をあまり見たことがない人には、逆に分かりやすいかもしれないですね」

修「僕の試合はトイレタイムにならないと思います。勝った試合は1Rで決めちゃうので、トイレ行っている間に試合が終わっちゃうかも。ですからトイレに行くのは僕の試合の後にして下さい(笑)。僕の目標はZSTのチャンピオンになること。しかし、ZSTのバンタム級には柏崎選手がいて…。あいつ負けないんですよ(笑)。僕も1回負けてるし、しかもその試合から彼が急成長した。今の彼を作ってしまったのは僕なので、今の彼を止めるのは僕しかいない。周りも彼に勝てるとしたら僕しかいないと思っていると思うし、自分のケツは自分で拭かなきゃ(笑)。柏崎選手とのタイトルマッチを望んでいますが、どうなるかはまだ分からない。でもZSTのチャンピオンになるということは、いずれ倒さなきゃならない相手なので、いつでもいけるように常に試合は意識しています」

【兄・渡部修斗(左)】
1989年2月27日生まれ、栃木県足利市出身。初代修斗ウェルター級チャンピオン・渡部優一氏の長男として生まれ、高校時代は名門・足利工業大学付属高校でレスリングを学ぶ。ZSTアマチュア大会「PRE STAGE」で成績を残し、2012年5月27日「BATTLE GENESIS vol.10」内のSWAT!バウトでデビュー。同年行われた「SWAT!バンタム級トーナメント2012」で優勝し、11月23日「ZST.33」で本戦デビューはたしている。ストライプル新百合ヶ丘所属

【弟・渡部拳士郎】
1991年6月15日生まれ、栃木県足利市出身。柔道インターハイ個人ベスト8。第1回全日本グラップリング選手権ライト級優勝。2013年全日本SAW選手権全日本ルーキークラス優勝。2014年全日本サンボ選手権74キロ級優勝。世界サンボ選手権日本代表。パラエストラ吉祥寺所属。8月7日(日)に開催される新宿FACEの昼夜大会、昼「ZST.52」夜「ZST.53」のどちらかに、兄弟とも出場予定。