靴にまつわるマイストーリー 石田純一

「靴は男が自分を主張する一番の小道具」

ヨーロッパに「良い靴を履きなさい。そうしたら靴はきっとあなたを素敵な場所へ連れていってくれる」という諺があるように、靴は人生を歩む上でも重要なアイテム。そんな靴にまつわる思い出やこだわりを石田純一が語る。

 素足に革靴という定番のスタイルで颯爽と取材場所に現れた石田。

「靴の話をするとよく素足のことを聞かれるんだけど(笑)、特にこだわりがあるわけじゃなく、ただ気持ちがいいっていうだけなんです。僕自身、ローファーとかモカシン、ドライビングシューズ、スリッポンなど、紐がない靴が好きなので、裸足のままサッと履いて、出かけられる軽快さがいいんですよ。今はそれが自分スタイルになっているけど、実は人から言われるまで全然気づいていなかった(笑)。その軽やかさもいいし、足の裏で地面を感じるのがすごく好きだし、足の感覚を大事にしたいからなおさら、そんなスタイルになっていったのかも知れません」

 若い時、自分へのご褒美に、そして男として成長するための象徴的アイテムとして選んだのが靴だった。

「男が経験を積んで、少しずつ自信を持っていく過程で、靴ってすごく大切だし、人生を一緒に歩んでいる気がします。実は若い時に、びっくりするぐらい高い靴を買ったことがあるんです。30年近く前で10万円以上するような靴でしたから、当時の自分にとってはものすごい高価な買い物です。自分である程度頑張ったなっていう時でしたが、まだまだ無名で一人前にはほど遠かった。かなり身分不相応でしたけど、なぜか買っちゃったんですよね。ドイツに行って、マエストロに作ってもらったんですけど“ここまで頑張ってきた”っていう気持ちと“もっともっと頑張って、これが似合う男になろう”っていう気持ちでしたね。もちろん、今でも手元にあります。その靴を見ると、当時のことや気持ちを思い出しますよね、やっぱり」

 自分なりのセンスやこだわりは時計と靴で主張したい。

「靴は時計と並んで、男が自分を主張する一番の小道具ですね。どんな靴を履くのかっていうのは、とっても重要。洋服は、ブランドというより、形が自分に合っていればいいと思うんですけど、時計と靴には自分なりのセンスやこだわりが反映する。アクセサリーをする男性もいますが、そんなにいろいろな種類があるわけではないので、男にとっての装飾品って時計だと思うんですけど、それと匹敵するぐらい、主張しますよね、靴は。ただ、靴はとても個性的だったり、奇抜である必要はないと思うんです。ずっと愛されている定番のデザインも多い。違いも新しいものを追求するより、ほんの数ミリ、ステッチが内側に入っているとか、気持ちつま先が尖っているとか、逆に丸みを帯びているとか、すごく繊細なバランスだと思うんです。ほんのちょっとの差違なんですよ。世界中、そんなに激しく靴の形が違うことはないけど、なぜかセクシー、なぜかかっこいいって感じるものがある。それが職人さんやデザイナーのスピリットというか、作った人の魂が宿る部分なんじゃないでしょうか」

 これまでの人生の記憶には、いつも靴があった。

「当時の思い出がよみがえってくるのが、僕にとって靴なのかも知れない。その時々の自分の人生を代表するものですね。小学校のころはいわゆるズックを履いていて、オニツカタイガーのスニーカーがあこがれで、本当に欲しかった。あと、高校、大学時代はアイビーが流行って、ボストニアンとか、リーガルですよね。リーガルも手が届かなかったけど、バイトしてついに手に入れたときはうれしかったな。どこでデートしたかは忘れたけど、リーガルを履いてデートしたことは鮮明に覚えています(笑)。ちょっとボルドーのタータンチェックのパンツ。相手の女の子と靴とパンツは覚えているけど、上半身の服とデートの場所はまったく覚えていない。そんなものです(笑)。そしてアメリカに留学していた時は、アディダスのタバコ。リーバイスにアディダスの茶色いバックスキンに3本線のあるタバコっていう靴。リーバイスも、ちょっとお坊ちゃん系なので、コーデュロイのほうだけど(笑)。で、役者を始めたころはコンバースで、トレンディードラマのころは、ドライビングシューズをよく履いていました。変な話、どんなジャケットを着ていたとか、その時どんな格好をしていたとかは思い出せないんですけど、靴は思い出せるんです。音楽と同じぐらい、当時の心情に密接だし、インパクトがある。自分の人生を振り返った時に、供に人生を歩いてきた靴も同時に思い出すんです。これからもっと年を重ねていった時に、どんな靴が思い出に加わってくるのか、すごく楽しみですね」

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オリジナルからナショナルブランドまで多彩な靴がそろう
SHOE・PLAZA


 この日、石田が靴を見に来たのは、ナショナルブランドから、ビジネス、スポーツなどのアイテムを幅広く提供している「シュープラザ 上野店」。場所柄、会社員や学生のほか、国内外からの観光客も多く訪れる大型店だ。インポートブランドも充実し、最新トレンドが分かる店としても人気。

吉祥寺本店
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