3DCG映画「ルパン三世 THE FIRST」で3DCG映画を存分に語る【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 今週も書いてます。ええ、台本をです。

 一応書き終わっているんですが、直しとかそういうのがあるんですよね。

 でも苦労した分、絶対にいい作品になってる自覚があります。うん。

 ということで、四谷一武道会出展 黒田勇樹プロデュース「坪川内科メンタルクリニック」、12月21日からです。よろしくお願いします。

 今週は鑑賞記です。では始めましょう。
黒田勇樹
 あの、名作アニメ「ルパン三世」の劇場版10作目「ルパン三世 THE FIRST」を観てきました。

 ストーリーは王道中の王道で、子供にも大人にも楽しめる様な、どちらかというと「こういうシーンが観たい!」を繋ぎ合わせて“筋”を通したような筋書き。その割に“影(シャドー)”と呼ばれる「作品最大の主人公に立ちはだかる存在」がナチスだったり、往年のルパンシリーズを彷彿とさせるなど、いい意味で懐かしさのある楽しい作品でした。

 さぁ!じゃぁ!存分に語ろうじゃないか!3DCG映画の!是非を!

 3DCGっつーのはですね、最近だとアナ雪を大ヒットさせてるピクサーがやってるアレです。今回のTHE FIRSTは、クオリティでいうと(完全に筆者の主観ですが)ファイナルファンタジー8~9のムービーシーン、トイストーリーだと1ぐらいの出来でした。

 あ、これ、馬鹿にしてるように聞こえるかもしれませんが“長編映画”で“邦画の予算”で作ったと思ったら、とんでもないことなんですよ!?

 クオリティは“高かった”と言って間違いないです。ただ、ここで問題になってくるのが「不気味の谷」と「メラビアンの法則」

 不気味の谷は、最近耳にすることも多くなったかもしれませんが、絵や人形、CGなどが人間に近づけば近づくほど、見る人が「違和感」を感じる現象。

 フォトショップで下手な加工された写真が気持ち悪く感じるアレですね。

 メラビアンの法則は、人間が情報を受け止めるときに、視覚を一番信頼し、続いて音、最後に言っている内容で受け止めるという法則。

 例えば、怒った顔で暗い声で「楽しい!」って言っている人がいたら、多くの受け止める側は「この人は怒ってるな」と思うよ、みたいな。

 小説と漫画、映画では、観客にゆだねられた“想像する範囲”が違うじゃないですか?

 いつものルパンは、この2つに共通する要素、視覚情報が絵だから、足りないところをこちら側の脳内だったり、声優さんの「音」だったりで補足して観てるのでストレスが少ないんですが、今回はフルCG、だけどいつもの声優さん。

 ルパン役のクリカンさんは、お見事。いつもとちょっとだけ変えてCGが表しきれていない部分を声で表現されてましたが、他の数名のキャストが「それってアニメ絵の時の演技じゃない?」っつー演技をしていて、凄い違和感。

 でもでもだって、アニメと同じキャスト使ってるからしょうがないですよね!

 もっと言えばゲストの皆さんなんて…

 アニメだと絵が抽象的だから、声で表現する必要がある情報も、CGの時に同じ表現しちゃうと情報過多になって冷めてしまうというか。

 リアルに近づくからこそ、ルパンにアゴヒゲ生えてるのに腋毛がない、次元の目が見えちゃう、不二子のおっぱいがたゆんたゆんしないことが気になって仕方がない!

 こういうことが声の演技にも多分に起こっていました。

 多分、セリフは先に録ってそれに合わせたCG作ってたと思うんですが、動作はアニメに寄せたピョコピョコした動きなんかを多用してたのでここも原因かと。

 あのリアルな像であの抽象的な動きをさせる難しさというところでしょうか。

 重箱の隅をつつく様な文句を言いましたが、この作品が生まれたからこその次の課題であり“可能性”なので、是非今後、声優さんの技術の中に「アニメ演技」「洋画吹替」に続いて「3DCG」用の技法や、演出が確立されることを期待します。
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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

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