水原希子が語る、アジア7カ国を旅して消えた“不安”と見つけた“柔軟さ”

撮影・蔦野裕
 その体当たり感も相まって“バックパッカー・水原希子”のドキュメンタリー要素は、よりリアルに。カメラは、水原自身に起きた予想外の出来事もとらえていく。

「旅の中でも特にインドは行く前から緊張していました。もちろん行くのは初めてでしたし、未知な部分が多すぎて、いろいろなことを心配していたんです。インドではガンジス河に行くことになるんですが、自分でもいろいろ調べたところ、河に入って体調を崩す観光客がよくいる、しかも病気になるのは日本の人が多いという話もあってすごく不安になってしまって(笑)。旅は続くし、撮影に支障が出てしまうといけないから河に入るのはやめておこう、と。でも、現地の人は普通に沐浴しているし、そのまま石鹸で体を洗ってお風呂として使ったりしていて。彼らにとっては聖なる河であり、日常の一部なんですよね。それを見ていたらだんだん気持ちが傾いてきて…さあどうするか、それは本編を見ていただければ(笑)。ネットで調べて知っていたことでも、実際に経験してみるとまったく違うことを感じたりするんだ、と改めて感じました。そのギャップが特にインドで大きく、結果的にはインドが大好きになりました」

 インドではサリーにも夢中に。

「成都のチャン族の衣装もベトナムのアオザイも大好きなんですが、実際にサリーを着たときは本当にうれしかったです。インドに着いた瞬間、当たり前なんですけど、女性がみんなサリーを着ていて圧倒されました。サリーを着た方とすれ違うたびに目で追ってしまって、お店に入ったらなかなか出られなくなって、撮影時間を押してしまって…スタッフさんにご迷惑を(笑)」

 着付けをしてくれた現地の女性たちとも楽しい時間を過ごした水原。

「このサリーには赤いリップが似合う、とかブレスレットもつけなきゃ、と言って貸してくれたり、ビンディ(額の印)もつけてくれたり。自分たちのカルチャーを海外の人に伝えたいという気持ちがすごく伝わってきました。あと、みんな私より若かったんですけどもう結婚していて、夫の家族が厳しい家だと毎日サリーを着ないといけない、という話を聞いたりもして、なるほどなあ、と思いました」