コロナ自粛で主流化する“オンラインお見合い”、気になるメリットとデメリットは

オンラインお見合いならではのメリットは多いが (写真はイメージ)

オンラインお見合いのメリットとデメリット


 対面でのお見合いが組めない現状では、結婚相談所にとってもオンラインお見合いを行うメリットは大きい。前述のスタッフいわく「オンラインでもお見合いを行うことができれば休会や退会を防ぐことができますし、何より会員の方のモチベーションを保つことができるというのが大きいです。月会費を払って婚活しているわけですし、お見合いができないと婚活そのものに対するモチベーションが下がりかねません。オンラインでもお見合いができると思うだけで、心にゆとりができて、なんとか気持ちを保っていられるという方は多いです。また、対面のお見合いだと相談所がラウンジを探し、席を予約し、当日は遅刻や不測の事態に備えてスタッフが待機していなければならないんですけど、オンラインだと主催(ホスト)側としてオンラインミーティングのURLを発行するだけでいいので、作業効率は良いですね」。

 一方で、注意すべき点も少なくない。積極的にオンラインお見合いを行っている別の結婚相談所のスタッフはこう指摘する。「昔ながらの仲人さんがやっている相談所などでは、オンラインに対応しきれず、オンラインミーティングのホストを会員に丸投げしてしまうケースもあるようです。そうなると会員自身がURLを発行しなければならないなど、会員側どちらか一方の負担が大きくなってしまいます」。

 利用者の手間になるだけでは済まない可能性もある。「オンラインお見合いのホストを会員自身が務めたり、会員同士が直接IDを交換すると、プライベートで使用しているアカウントが相手に伝わってしまう可能性があります。さらに、ホストの権限によって、お見合いがレコーディングされるなどといった危険もあります。うちでは必ず相談所がホストを務め、パスワードを複雑にしたり、待機室を設定したり、いろいろと工夫することでそういった危険から会員の方を守っています」。オンラインお見合いを利用する際は、自分の個人情報が不用意に伝わらないよう配慮されているか確認が必要だ。

 会員側のメリットとしては、交通費やお茶代、洋服代などがかからないという金銭的なものから、移動時間がないので1日にたくさんのお見合いをこなせ、スケジュール調整もラク、お見合い後すぐに自宅でリラックスできる…など広い意味で負担が少ない。

 しかし、オンラインではどうしても情報量が少なくなるというデメリットも。実際にオンラインお見合いを体験した女性(30代・都内在住)は「オンラインでは伝わらないことでも、対面では伝わるというのがよく分かりました。対面は会話以上に、その人について知る要素がたくさんあるんだと思います。体形、トータルファッション、姿勢、メニューの選び方、注文の仕方、座り方、食べ方、飲み方、お店の人への態度、匂い、清潔かどうかなどなど。それがオンラインでは分からないので、はたしてお見合いと言えるのか…」と複雑な思いを口にする。

 その一方で「オンラインお見合いでは、対面でのお見合いに比べ、仮交際(プレ交際)まで進む人が約20%以上アップしたという報告もあります。相手の事がよく分からないだけに、もう一度対面で会って確かめようと思う人も多く、またエスコートや身のこなしといったものより、会話に焦点が当たる事で、逆に相手の本質が分かると考える人もいますね」(前述スタッフ)。

 コロナ自粛で“会わない婚活”が広がる現在。規模や成婚率などだけではなく、オンラインお見合いにどう対応しているかも、今後は結婚相談所選びの基準となりそうだ。ルールの厳格さや情報管理の安全性、気楽さや自由度など、自分が何を優先するかを考えて、どんな相談所やサービスを利用するかじっくりと考えてみては。
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