堀潤と宮瀬茉祐子に聞く『モーニングCROSS』の異彩さとその魅力

堀潤(撮影・堀田真央人)
 宮瀬さんから見た堀さんはどんな人ですか?

宮瀬「“いつ寝ているんですか?”って言いたくなります。今は新型コロナの影響で、災害取材には行けませんが、災害があったときは番組が終わったらすぐに飛び出していって、夜遅くまで取材をして、ぎりぎりに帰ってくるということを1週間に3回くらいしているんです。多分マネジャーさんもヒヤヒヤしていると思うんですけど(笑)」

堀「香港から帰ってこられなかったこともあった(笑)」

宮瀬「でもとにかく現場ありきというのはすごいところ。一度私も西日本豪雨の時に災害取材に同行させていただいて岡山に行ったことがあるんです。暑い中の取材で疲れてしまって、帰りの新幹線の中はさすがに寝てしまったんですけど、堀さんは新幹線の3時間の中で、その日の取材をまとめて編集していたのを見て、この人は超人だと思いました(笑)」

 普通、メインキャスターと言われる人はそんなにぎりぎりのタイムスケジュールで外には出ないのでは?

宮瀬「もちろんです。普通は本人が行きたいと言ったら、周りがお膳立てをしてくれるところが多いと思うんですが、堀さんの場合はリュックひとつで予約から全部自分でやって一人で行きますから」

 戻れなかったら大変なことになるので他局だったらプロデューサーさんもあまり遠距離の取材などには行かせないのでは?

宮瀬「絶対ダメです(笑)。海外取材だったら、前日には日本いないとダメですよ(笑)」

 香港から戻ってこられなかったときはどのような状況だった?

堀「香港に取材に行くときは番組が終わって9時40分成田発の飛行機に乗れば、日中と夜に取材ができて、向こうを夜の12時40分に発つ飛行機に乗ると朝の5時に羽田に着くんです。そのままMXに来られるので、いつもそのスケジュールで動いていたんですけど、一度、天候の都合で名古屋のセントレア空港に着陸することになってしまいまして。機内WiFiがつながっていたのでメールで報告したのですが、最初にどう伝えるべきか考えました。“東京に帰れません”というと、みんなが混乱すると思ったので、取りあえず“セントレアから中継ができます”ってメールしたんです(笑)。そうしたら“そうしましょう”って返ってきた(笑)」

宮瀬「でもその連絡が入ったのって、番組開始まで1時間切ってましたからね(笑)」

 それでも対応できる現場がすごい。

宮瀬「皆さん、どんどん有事に慣れていってくださるので(笑)」

堀「コメンテーターのリモート出演に関しても、各局はまだゲストをスタジオに呼んでいる時に、いち早くリモートに踏み切りました。今までやったことのないことなのに局内にあるパソコンをかき集めて、必要な機器を買ってきて、とにかく総力戦。普通の局だったらできないことでも、“やる”ということをいつも優先している」

宮瀬「普通の局だと100%整えてからじゃないと始めないところをCROSSは月曜からやり始めて金曜までに整えばいいねっていうような感覚」

堀「ITベンチャー的な“やりながら改善する”というのがうれしいですよね」