歌人・俵万智、初の本格個展『#たったひとつの「いいね」』角川武蔵野ミュージアムでスタート

 埼玉県所沢市の大型文化複合施設「ところざわサクラタウン」内の「角川武蔵野ミュージアム」エディット&アートギャラリーにて、歌人・俵万智のデビューから最新歌集までの作品を紹介する企画展「俵万智展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」がスタートした。昨年出版された俵の最新歌集『未来のサイズ』(角川文化振興財団)が、短歌界で最高の業績を示した歌集に贈られる「第55回迢空賞」を受賞したことを記念したもの。なお、同歌集は「第36回詩歌文学館賞」短歌部門も受賞しており、今回でW受賞となる。

壁面に歴代の蛇笏賞(俳句)・迢空賞(短歌)の受賞作全117冊が並ぶ

 JR「東所沢駅」より徒歩10分、日本最大級のポップカルチャー発進拠点「ところざわサクラタウン」のランドマークが建築家・隈研吾がデザインした「角川武蔵野ミュージアム」である。4階のエディット&アートギャラリーの入り口には、デザイナーの平野篤史によるブルーの線画にピンクのハートマークのイラストが印象的な巨大ポスターと、昨年の7月6日に俵がツイッターでつぶやいた同展を象徴する言葉を展示。

 アート部門ディレクターの神野真吾さんは、エディット&アートギャラリーについて「作品が生み出された動機や経緯に光をあて、鑑賞者にとっての意味をとらえることができる場所。今回は俵万智という歌人に光をあて、今まで作ってきた歌の世界を再編集しています」と語る。会場に入ると、壁面に歴代の蛇笏賞(俳句)・迢空賞(短歌)の受賞作全117冊が並ぶ。会場全体は大きく『サラダ記念日』・回廊・『未来のエリア』の3つの展示エリアに分かれ、およそ35年にわたる歌業から約300首を厳選し、俵の言葉の森の中を散策するような体験ができる。

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