“毎月の支出の半分をコスメに充てる女”美容系インフルエンサーありちゃんと考える、「自分に合う美容」の見つけ方


コスメ選びは「自分を知っていく」過程

 現在は、仕事として新作コスメや美容アイテムを試す機会も増えているというありちゃん。たくさんの情報を発信する中でも「全員に対していい商品というのはない」という前提を常に持つようにしているという。

「ひとつの商品を紹介するとしても、似合う似合わないも、好き嫌いもみなさんそれぞれだとは思っているので、メリットとデメリット、どちらも伝えられるように意識しています。自分がよくないと思っても、そのコスメが似合うという人もきっといるはず。みんなが知りたいのは”自分に合う”商品だと思うので、どこかに寄り過ぎた発信になりすぎないように気をつけています」

 たしかに、肌質や肌色は人それぞれだ。コスメを選ぶ時には、好みだけでなく、自分に合うものを選びたいという声も多い。

 情報が飽和しているからこそ、メイクや美容もカテゴライズした情報発信が増えてきている。自分の肌の色を診断してメイクのカラーを選ぶ「パーソナルカラー」や顔の系統をカテゴライズした「顔タイプ」など。こういったカテゴライズに合わせて”自分に合うものを選ぶ”という考えが浸透してきている反面、カテゴリに縛られすぎて窮屈そうにしている人もいる。

「私も化粧品に関する資格を取りながら、色々勉強してきた中で、自分に似合う、を見つけるためには、パーソナルカラーなどを意識することも重要なことなのかなと思っています。パーソナルカラーや顔のパーツの位置で似合うものが変わるというロジックは実際に存在するものだから、まずは一度知ってみることも重要ですよね。

 でもやっぱり、似合うものと自分が好きなものって別な時もあるじゃないですか。似合うものを知った上で、自分が心地よく選択できるものはどれなのかを選択するのがいいんじゃないかな。今はそういう選択肢がある時代だと思っているので、妥協せず自分に一番合うものを選択してみてほしいですね」

 パーソナルカラーや顔タイプを考えることで、自分の元の良さが生かされるというメリットはあるという。しかし、良さを活かすために好みでないカラーを選択するかどうかを含めて、自分らしさを考える選択は続いている。

「似合うが分からないうちは、自分のカテゴリに合うもの、バズっているものを使ってみるのもいいと思います。あとはやっぱり、プチプラコスメから選んでみるとか。私もたくさんのコスメを比較して使ったりしてみているけど、今って本当にプチプラでもいい商品があったりするんですよ。似合うか分からない、高いコスメを買うとなると勇気がいるけれど、流行っているプチプラコスメなら、やっぱり手軽ですよね。友達と情報交換したり、テスターを借り合ったりするのも楽しいし」

 

 学生の頃、教室でやっていたみたいに、おすすめのコスメを友人と情報共有し合えば、試す機会も広がる。カラーを試し合う時などは、まずは付属のチップなどは使わず、アイテムに合わせて綿棒や爪楊枝、コットンなどに取ってからハンドテスターすれば、衛生的にも気になりづらい。なるべく安くてカラー展開の多いもので、色々試してみるのも楽しそうだ。

「自分に何が似合うのか、何を好きなのか、何が似合わなかったのか、どうなりたいのか。コスメ選びって、自分を知るきっかけになっていくと思います。私もコスメ選びに失敗したこともたくさんあります。それでも研究を続けたから、今はなりたい自分像が明確になってきていて。情報も商品もたくさんあって迷っちゃうかもしれないけど、まずは手軽なものから、気軽に試していくのもいいのかなと思います。失敗することを恐れすぎずに、アイテムを選ぶことや自分を知ることを楽しんでほしい」

 情報発信もどれを参考にしていいか分からない人は、プチプラ系発信からチェックしてみるのがいいのかもしれない。そして迷いすぎる前に、まずは試してみることも重要だ。

 美容を知り、試し、自分を知っていくことができれば、多すぎる情報に振り回されることもなくなる。情報に対し「自分に合う」を知るためには、とにかく行動してみるしかない。美容情報リテラシーを正しく活用するコツは……最後は自分で思考すること、ということだ。

 

(取材と文・ミクニシオリ)