〈インタビュー〉品川区長選に出馬表明の前都議の森沢きょうこ氏「区民とともに進める区政を」

 任期満了に伴う品川区の区長選挙が10月2日に投開票される(9月25日告示)。平成18年に初当選を果たし4期を務めた濱野健区長が不出馬を表明しており、今回は新時代の品川区の顔を決める選挙となる。現在、5氏が出馬を表明しているのだが、その中から東京都議会議員を2期務めた森沢きょうこ氏(無所属)に話を聞いてみた。(9月1日取材)

品川区長選に出馬表明した森沢きょうこ氏(撮影・蔦野裕)

濱野区政の良いところを継承しつつ進化、発展させていきたい

 まずは濱野区政の16年を振り返ってください。
「区で行ったアンケートでは“住み続けたい”という声が9割ほどあり、区民の満足度というものは高いのかなと思っています。実際に街で活動をしていても濱野区長の引退について “いい区長さんだったのに、辞めちゃうんだ”という声も結構あります。区民の方々が比較的満足しているという現状だと思いますので、良いところを継承しつつ、時代や区民ニーズに合わせて進化、発展させていきたいと思っています。

 具体的に濱野区政のどこが良かったかというと待機児童の解消であるとか、小中一貫教育など品川区が率先的に行った教育改革が上げられると思います。また、その中で財政健全化にも取り組まれました。一方で、例えば小中一貫校でも時が経ってデメリットも出てきています。小中一貫だと一緒にいる期間が長いので、人間関係の固定化が招くいじめとか不登校といった話も寄せられてはきています。そういった課題は解決していくことが重要だと思っています。

 子育て支援にしても、やはり働き方も家族の形も多様化しているので、現状に合わせた仕組みにしなければならない。細かい制度の話になるんですが、そういったところを見直していくべきかなと思っています」

 今回、出馬を決めたきっかけを教えてください。
「大きく分けると2つあります。都議を5年間務めている中で、もちろん都政に関するご相談もあるんですが、生活に一番身近な品川区の行政に関しての相談を受けることも多かったんです。それは子育てだったり教育だったり、街づくりやコミュニティーの課題といったことでした。私が目指す『年齢や性別、障がいの有無に関わらず誰もが自分らしく幸せに暮らしていける社会』のために、直接的に地域の課題解決に取り組んでいく必要があると思ったことが大きいです。そして2つ目は昨年の都議選で勝たせていただいた後、地域の皆さんから区長選への出馬を期待してくださる声が出てきたことです」

 品川区は区民の満足度が高い。それはご自身が暮らす中でも実感することですか?
「そう思います。実際に他の区から教育環境や子育て支援が充実しているということで引っ越してくる人たちも一定数います。なので、現状の品川区政をベースに、もっと充実させて進化発展させていくことが望まれていると私は感じています。もちろん“改革をしてほしい”という方もいらっしゃいますが」

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