〈インタビュー〉品川区長選に出馬表明の前都議の森沢きょうこ氏「区民とともに進める区政を」

(撮影・蔦野裕)

区民の声が届く区政にしていきたい

 SDGs問題も課題の一つに掲げています。どういった取り組みを?
「街づくりでいうと、これから新庁舎ができる大井町では再開発が始まります。鉄道事業者、地域に住んでいる人たち、地域で会社をやっている人たちを中心に街づくりの協議会を作って議論が進んでいます。公民連携しての街づくり、品川区の新しい顔をどう作っていくかは大事な課題だと思っています。そして今、何が行われているかの情報公開や区民参画も重要です。

 SDGsという意味でいうと、地域経済をどう回していくかというのはすごく重要だと考えます。持続可能な地域経済。他の区でも行われていますが、地域通貨で地元の商店街で買い物をして、地域のポイントがたまっていくというように、地域で生み出したものを地域で消費するという経済。環境も、新庁舎の再生可能エネルギーの推進もそうですが、区有施設でもやっていきたいと思っています。

 また、民間企業の取り組みの後押しは必要だと思っています。それは補助金ということではなく、一緒にやっていこうという枠組みを作ることかもしれませんが、そういった形で持続可能な地域経済と環境に取り組んでいきたいと思っています」

 教育問題におけるSDGsについては?
「東京都も『東京都こども基本条例』で、チルドレンファーストの考えのもと政策を進めています。他の自治体では、学校の校則も児童・生徒が考えて決めていくということも行われています。品川区では公園づくりなどで子どもたちのアイデアを生かすためのワークショップなどをやっているのですが、他の分野でも子どもたちが参画していく仕組みづくりに取り組んでいきたいと思っています。そうやって身近なところから行政や区役所と関わっていくと将来的にシチズンシップ、政治や行政に参画しようという意識が生まれてくると思うんです」

 現在、東京都では女性区長が2人います。「女性活躍」の面についてはいかがでしょう?
「私は都議会でも主張してきたのですが『女性活躍』という言葉をなくしたいと思っているんです。女性は、すでに家庭や仕事で十分活躍しています。そうではなくて、男性も女性も性別に関係なく自分らしく生きていける社会を作っていきたいと思っています。一方で23区の女性区長はこの前、杉並区に岸本区長が誕生し現在2人になりましたが、多様性のある社会を実現していくために、もっと政治の世界に女性が増えていくという意味でも議員だけでなく、首長も増えていくべきだと思っています」

 森沢さんが区長になったら品川区はどんな区になりますか?
「性別や年齢、障がいの有無にかかわらず、誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていける品川区を目指していきます。価値観や生活スタイル、働き方もすごく多様化しているので、一人一人の区民の実情に合わせた制度や仕組みに変えていく、丁寧に声を聞いてやっていくという意味で、区民の声が届く区政にしていきたいですね」

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