おにぎり行列店直伝の味!西小山「一汁おにぎり 一粒万福」強みは “和のエッセンス”

 今年に入って飲食業界に突如訪れた「おにぎり専門店」ブーム。そんな中、品川区西小山に飲食業界未経験から脱サラして立ち上げたという注目店「一汁おにぎり 一粒万福(以下、一粒万福)」がオープンした。どちらも行列店の大塚「おにぎり ぼんご」、雑司ヶ谷「おにぎり・とん汁 山太郎」で修行したというおにぎりの味は?

西小山「一汁おにぎり 一粒万福」のおにぎり(左より和風えびマヨ 450円、お月見そぼろ 400円、さけの親子 600円)

 東急目黒線「西小山駅」から徒歩約3分。福の字から取った「ふ」のロゴマークの生成色ののれんをくぐると、さまざまな具材の並んだ白木のカウンターの中できびきびと動き回る女性たち。「事業を通して日本の和の心を表現し、一粒から世界にこぼれ落ちるほどの福を」を軸に、同店を運営する株式会社一粒万福代表の早川由華さんと、メニュー開発やSNSを担当する河尻彩江さんだ。

 実家が米農家で、学生時代はバックパッカーとして海外を飛び回ったという早川さん。大学卒業後に一般企業に就職してコロナ禍に直面、海外に渡航できなくなったことで改めて日本文化の魅力に気づかされた。そこで着目したのが、日本のソウルフードで人が握って対面で提供でき、日本の心が伝えやすいおにぎりだ。

 大塚「おにぎり ぼんご」で指導を受け、雑司ヶ谷「おにぎり・とん汁 山太郎」で修行して握り方を継承。プロギング(ゴミ拾いとジョギングを掛け合わせたフィットネス)のイベントで知り合い意気投合した河尻さんと「一粒万福」を立ち上げた。

「冷めてもおいしく、外はやわらかく芯がしっかりしている」との理由で京都の老舗米店「八代目儀兵衛」のおにぎり専用ブランド米を使用。型を使ってふんわり握り、口の中でほろりと崩れるおにぎりは “ぼんご” の系譜だ。味噌汁の味噌はしじみに合うよう京都と信州の赤味噌をブレンドし、自家製のお新香はメインターゲットの30~40代女性に合わせて塩麹で漬けた。さらに、同店の強みは和のエッセンスを加えたオリジナル具材だという。

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