高校入学の年に緊急事態宣言! 都内強豪吹奏楽部、3年目に訪れた念願の演奏会にパンサーが密着

 学校の授業以外での子どもたちの奮闘を追う番組『こどもスマイルテレビ』。1月15日放送の回では「高校生奮闘記編」として、新型コロナウイルス感染症の影響により、3年間の部活動の中、観衆の前で演奏する機会を持てずにいた吹奏楽の強豪校・都立葛飾総合高等学校吹奏楽部の奮闘に密着。その舞台裏を白井浩太郎プロデューサーに聞いた。

 

―今回の「高校生奮闘記編」企画のいきさつを教えてください。

「2022年10月の放送では架空のテレビ局“東京こどもテレビ”に勤める小学生の“こども記者”たちが興味・関心のあるテーマを取材に行くという切り口で、小学生が東京の水を調べる姿をお伝えしました。今回は、“普段の授業では学べないこと”という番組コンセプトは変えずに、課外活動に奮闘する高校生たちに密着。高校生が“主役”ということで、課外活動を社会参加につなげていく成長ぶりをお届けできると思います」

―今回、登場するのは都立葛飾総合高等学校の吹奏楽部。どのような取材をしたのでしょうか?

「都立葛飾総合高等学校の吹奏楽部が、学校のある地元・金町の駅前でふるさと・クリスマスマーケット(2022年12月に開催)で演奏するということで、それに向けた練習やステージを盛り上げるために頑張る姿を取材しました。今の3年生が入学したのは2020年4月、新型コロナによる緊急事態宣言が発令された中でした。それ以来、彼らは3年生になるまでずっと観衆の前で演奏することが叶わずにいたんです。実は、3年生の部長さんは中学3年生のときに都立葛飾総合高等学校吹奏楽部の演奏を聞き、地域の人と触れ合う高校の吹奏楽部の姿に感激し、志望校を同校に決めたといういきさつがありました。自分も同じように地域の人々に演奏を聞いてもらいたいと思っていたのに、その機会を持てないまま3年生になってしまった、と。番組でも、地域とのつながりを大切にしたいという高校生たちの思いを応援したいと、今回密着取材させていただくことにしたんです」

―そんな高校生たちに熱いエールを送るのは“東京こどもテレビ”の報道記者パンサーや“後輩記者”のネルソンズ。

「パンサーの向井慧さんが報道局長、菅良太郎さんと尾形貴弘さんが報道記者となり、まず11月に同校を訪れ、どうしたらステージをさらに盛り上げることができるかと企画する姿から取材していきました。その際、演奏する曲目の中に地域ゆかりの『男はつらいよ』の曲があったことから、パンサーの面々から“曲をさらに盛り上げるために、寅さんの寸劇をしては”という提案や、吹奏楽部のTwitterでも開催日に向けてPR動画を連日アップしたら、というアドバイスがあり、高校生たちも“なるほど!”と、さらにやる気を出してくれたようでした。ただ、さすがに寸劇はみんな初めての経験ということもあり、最初は僕らも心配するようなできだったんですけど(笑)、最終的には完璧に仕上がっていて、寸劇あり生演奏ありのステージで3年ぶりの地域の催しを大いに盛り上げることができました。地域の皆さんからも喜びや感動の声をたくさん頂きましたし、高校生たちにとっても貴重な経験となってくれたのではないかな、と思います」

―パンサーやネルソンズの面々も高校生たちから熱い気持ちをもらった様子。

「皆さん本気で応援していましたし、演奏中も観客席から彼らの音楽を心から楽しんでいる姿が印象的で、プロデューサーとしてもうれしかったです。演奏終了後、尾形さんは “今までで一番いい仕事だった”と仰っていました(笑)。それだけ、高校生たちの姿に感動したんだろうな、と思います。思えば尾形さんはサッカー強豪校でインターハイを目指した経験もお持ちで、部活にかける思いをよく分かっている“部活動に熱い男”じゃないかと思いますし、きっと彼らが一丸となってステージに挑む姿に、熱い気持ちをもらったんだろうな、と」

―取材を終えた感想は。

「東京というと“ふるさと感”がないというか、地域とのつながりも薄くなりがちな印象がありますが、今回登場してくれた高校生たちは、地域の人々にも愛される吹奏楽部でいたいという思いを持ち、ずっと地元の人々の前で演奏することを願っていました。素晴らしい演奏はもちろんですが、そんな彼らの姿に僕たちも深く感動しましたし、東京でも地域と子どもとのつながりをより大切にしていくべきなのではないかなと改めて思いました。

 先ほど部長さんが中3のころに同校の演奏を見て入部しようと思ったという話をしましたが、実際この日の演奏を会場で聞いていた中3の子が、私も入りたいと言っていたんです。いいバトンがこうしてまたつながったのではないかな、と思いましたね」

―これからも東京の子どもたちの姿を取材していきたい、という白井プロデューサー。

「東京の出生率が落ちていく中、これからも子どもたちが笑顔になれるような番組を作っていきたいです。東京の子どもたちが奮闘する姿を通して彼らの可能性を感じたり、東京の魅力を多くの人に再発見してもらえたりしたらうれしいですね。子どもたち相手の番組作りはプラン通りに行くことがなくて大変なのですが(笑)、その分、思わぬ収穫もあるのでそれも番組の魅力につながっていると思います」

『こどもスマイルテレビ~高校生奮闘記編~』
【放送日時】1月15日(日)19時~19時30分 <TOKYO MX1>
【出演者】パンサー、ネルソンズ、とよた真帆
【ナレーション】冨永みーな