「TRF」ETSU&CHIHARU、小児がんの子どもたちへ「 “きっと明るい未来があるんだ” と信じて」

ステージに出演する子どもたちに「上手にパフォーマンスすることを気にするより楽しんで踊ってもらえたら」とETSUさん

初の試み、小児がんサバイバーの子どもたちがダンスに挑戦

 そもそもETSUさん、CHIHARUさんが小児がんの啓発活動に携わったきっかけは?

ETSU「こちら(保屋松さん)です」

CHIHARU「保屋松くんはTRFの初期のマネジャーなのですが、生まれた時から知っている彼の息子さんに小児がんが発覚したのです。それまで身近に小児がんを罹患した人はいなかったし、症状が進行してから知ったのですごく驚きました。幸い息子さんは辛い治療を経て克服したのですが、保屋松くんから小児がんは特別な病気ではなく、罹患している子どもはたくさんいるのになかなか支援が届かない現実を聞きました。そうした経験からチャリティーライブを立ち上げたのはすごい決断だと思います」

保屋松「『LIVE EMPOWER CHILDREN』は、医療機関も含めて10以上の小児がん支援団体にご協力いただいていて、ライブの収益金や寄付金はすべて支援団体の皆さんに均等に分配しています。一例をご紹介すると、日本では珍しいファシリティドッグ(医療機関など特定の施設で活動するために専門的に育成された犬のこと)の支援団体があります。小児がんや重い病気の子どもに寄り添い、手術室まで付き添えるよう訓練されていて、実は私の息子も入院時ファシリティドッグのお世話になりました。こちらの団体ではそうした犬の訓練や維持に使われています」

 今回のステージの見どころを教えてください。

CHIHARU「初の試みとして、5~18歳の小児がんサバイバーの子どもたちと一緒にダンスするナンバーがあって、そこは一番注目していただきたいところです。このライブのテーマソング『My Hero~奇跡の唄~』のMVにもサバイバーの子どもたちのコーラスが入っているのですが、何かもうひとつ特別な体験が作れないかといろいろ話しているうちに、私たちと一緒にダンスできたらいいのではと、とんとん拍子に決まりました」

ETSU「振り付けの映像を子どもたちに送って覚えてもらった後、実際にみんなで集まってレクチャーしました。本番はどうなるのか未知数ですが、上手にパフォーマンスすることを気にするより楽しんで踊ってもらえたらいいなと思います」

CHIHARU「私たちには簡単に思えても、ダンス経験のない子どもたちにできない動きもあるので、ダンス未経験の新人マネジャーを連れてきて、彼女ができるかどうかを探りながら振り付けしました(笑)。ダンサーではない普通の子どもたちが、ステージでどんなふうに表現してくれるのか私たちにとっても楽しみです。ステージに上がる子どもたちを見て、治療中の子どもたちの “いつか自分たちも” という希望になってくれたらいいなと思っています」

保屋松「ライブの最後には『My Hero~奇跡の唄~』を出演アーティスト全員で歌います。2021年に坂本龍一さんとつんく♂さんに書き下ろしていただいたのですが、この曲で皆さんの思いがひとつに集約され、イベントの趣旨が画面越しからも伝わる象徴的なシーンです。毎年 “心が安らぎました” “元気をもらいました” という声をいただきます」

出演アーティスト全員で歌う『My Hero~奇跡の唄~』は「イベントの趣旨が画面越しからも伝わる象徴的なシーン」と保屋松さん