タレントのスザンヌさん「何かあったら “私も誰かを助けてあげたいな” という意識を持つこと」【関東大震災から100年】

熊本地震の経験から「日々の積み重ねというのはすごく大事なんだなと感じました」と語る

 そうした経験を経て、スザンヌさんが日頃から「自然災害」や「防災」について意識していることは?

「熊本地震を経験して “地震がない場所というのはないんだな” ということを感じ、それから防災の意識を強く持つようになりました。実は東京でも東日本大震災を経験していて、震源地は遠かったけど強い揺れがあったので、その後ベッドの横に防災リュックと靴を置いて寝ていました。何年か前の私はあんなに “ちゃんとしておこう” と思っていたのに、引っ越してからそういう意識がおろそかになっていて。今は自分でできることとして防災リュックは常に自宅に置いて、定期的に中身をチェックして古くなっているものがあったら入れ替えるようにしています。

 私の祖母は当時マンションの10階に住んでいたのですが、避難所に “おばあちゃんがまだ来てないよ” という時に、近所に住む若い男の子たちがおばあちゃんを背負ってきてくれたんです。おばあちゃんが普段からいろんな人に声をかけて、コミュニケーションを取っていたから、いないことに気づいた男の子たちがおんぶして避難所まで連れてきてくれたんだなと思うと、日々の積み重ねというのはすごく大事なんだなと感じました」

 災害への備えは「自助」「共助」「公助」の3つがありますが、おばあさまの例はまさに「共助」に当たります。

「東京に住んでいた時は、同じマンションに住んでいる人同士でも一緒のエレベーターには乗らないということがありました。防犯の面ではそのほうがいいのかもしれませんが、何かあった時に安心なのは、どこに誰が住んでいてどう助けてくれるかが分かること。何かあったら “私も誰かを助けてあげたいな” という意識を持つことが大事だと思います。

 熊本に帰ってから “○○○号室の○○さん” と言えるくらい密接なコミュニケーションが築けているので、そこは地元に帰ってよかったなと言えることのひとつです。ハザードマップで地域の避難場所は確認しているのですが、それ以外にも地域の見守り活動が盛んで受け入れ態勢が整っているのかなと思います」