造ったのは “箱” ではなく “街の誇り” ――FC今治「アシックス里山スタジアム」を支える人々
サッカーJ2・FC今治の本拠地「アシックス里山スタジアム」の足跡をたどるシリーズ。前編では、アシックス里山スタジアムの増席という節目に、岡田武史会長・矢野将文社長が語る “心の豊かさ” のまちづくりと、それを施工面で支えた四国通建の存在を紹介した。後編では、増席工事を担った四国通建の担当者、スタジアムに隣接するカフェ「里山サロン」店長の声を紹介する。(全2回のうち第2回/前編から続く)
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四国通建・村上公一さんが語る、増席工事の舞台裏
今回の増席工事は新築ではなく、稼働中のスタジアムを維持しながらの増築だった。
四国通建の村上公一さんは「最大の難所は、平日はドッグランや散歩、ランニングといった独特の機能を維持しながら、2週間に1度Jリーグのホームゲームがあることを見据えた施工だった」と明かす。今回は一般利用者という「第三者にも気を使わなければいけない特殊な改修工事」で限られた空間、限られた動線の中での施工を強いられた。
スタジアムの一番見てほしいポイントとして村上さんが挙げるのは、増席エリア通路の空間デザインだ。「メインスタンド以外に屋根がない構造だからこそ、この通路はサポーターが雨風を避けたり、ホッと一息ついたりする “大切な憩いの場所” になると考えました」。

もう一つ、村上さんが苦労を語ったのは排水用の水路だ。スタジアム周辺の景観を損なわないよう、あえてコンクリートで固めない “土の水路” を採用したが、梅雨や大雨のたびに崩れてしまい、定着させるまでに時間がかかったという。排水が流れ込む部分だけはコンクリートで補強しつつ、それ以外は土のまま自然になじませる――地道な手入れを重ねた末に、ようやく崩れにくい水路に育った。村上さんは「時間と手間をかければ、ちゃんと定着するんだと分かりました」と振り返る。
昨年12月から始まった増席工事で、席が増えていく光景を目の当たりにし「今治に根差す企業として、ミライト・ワン グループの一員として、今治市民として、このような事業に挑戦できたことを誇りに思っています」と語る村上さん。そして少し照れながらこう付け加えた。「個人的には、家族にも自慢できるかなと思っています」。


