起業を意識する今どきの大学生が本音トーク「就活までのタイムリミット内に決断」「起業を意識していることに周囲からの反応は…」

 近年、就職か研究かという大学生の進路の候補に“起業”という選択肢も見られるようになっている。高校や大学の中には、授業にアントレプレナーシップ教育を取り入れている学校も少なくなく“学生と起業”の距離はますます縮まっているようだ。そんな中、実際に起業を意識したことがある大学生たちに、その理由や思いを語り合ってもらった。

【参加者】
早稲田大学創造理工学部経営システム工学科3年・鶴岡秀士(ツルオカ シュウジ)さん
早稲田大学基幹理工学部応用数理学科3年・佐山円蔵(サヤマ エンゾウ)さん  
東洋大学健康スポーツ科学部健康スポーツ科学科2年・田上睦己(タノウエ ムツキ)さん
早稲田大学社会科学部1年・秋山友花(アキヤマ トモカ)さん

撮影・蔦野裕

高校時代から起業を意識してきた人や、すでに起業を経験した参加者も!

ーではまず、皆さんの現在の起業意識も含めて自己紹介をお願いします。

佐山円蔵さん(以下・佐山さん)「私は、群馬高専の電気系で5年間学んだ後、3年次編入で早稲田大学に入り、現在は数学を専攻しています。将来はスペインをはじめとする海外でビジネスに携わりたいと考えており、卒業後はスペインのビジネススクールなどで知識と人脈を広げる予定です。起業は今すぐではなく、海外で経験を積んだ上で25〜30歳頃に挑戦できればと考えています。分野は未定ですが、数学の研究内容を直接事業化するのではなく、論理的思考力や分析力といった強みを生かしたいと思っています」

秋山友花さん(以下・秋山さん)「私は、地域の伝統産業との出会いから起業を意識するようになりました。高校1年生から地元の伝統工芸に関わり、活動を通じて後継者不足や斜陽化といった課題を知り、固定観念にとらわれず伝統工芸の価値を再構築し、現代社会との“翻訳者”のような存在になりたいと考えるようになりました。そうした中でビジネスコンテストへの参加をきっかけに、異分野を掛け合わせて新たな価値を生み出す視点に触れ、具体的に起業を意識するようになりました。通っていた高校でアントレプレナーシップ教育のプログラムを設けていたことも大きかったと思います。来年、デンマークへ留学予定で、建築や都市デザインを学びながら課題を整理・可視化する力を磨き、帰国後の大学3年次での起業を目標に準備を進めています」

田上睦己さん(以下・田上さん)「私は大学でスポーツバイオメカニクスを専攻しており来年度から研究室に所属予定です。スポーツバイオメカニクスとは、生体力学を応用して運動の解析を行い、パフォーマンス向上や怪我の予防に生かす学問で、具体的には、複数のカメラと反射マーカーを用いた三次元動作解析により、動作や関節に加わる力を数値化して客観的なデータを分析するといったことをしています。実は、高校時代にソフトテニス部で全国・関東大会を経験し、その中で自分を含め、怪我に悩む選手を多く見てきたことから、怪我予防やパフォーマンス向上に貢献したいと考え、今の進路を決めました。

 起業は、大学に入ってから学生団体やスタートアップでのインターンを通じて起業家の意思決定を間近で見たことで、将来の選択肢の1つとして意識するようになりました。もともと私は仲間とともに課題を可視化したり新しい価値を創造したりといったことが好きで、今年自分でも学生団体を立ち上げて、アントレプレナーシップを意識しながら活動していますが、現時点ではまず社会で経験を積もうと思っています。企業の中での新規事業開発にも強い関心がありますし、将来的には起業も視野に入れています」

鶴岡秀士さん(以下・鶴岡さん)「私は大学ではデータサイエンスを専門とし研究室で論文読解や実装課題に取り組んでいます。高校時代から起業を志向していて、実際に大学2年次に友人と起業して約1年弱、事業を行いました。イベントなどを通した場づくりを行う事業だったのですが、イベント開催が忙しくなりすぎてしまい、方向性を見つめ直すためにも昨年、一旦クローズしました。今は学生団体でアントレプレナーシップを育む場づくりにも携わり、起業に限らず多様な挑戦のきっかけを提供したいと考えています。同時に専門性を高めることも重視し、データサイエンスの力を磨きながら実践経験を積み、両軸で成長していきたいと思っています」

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