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格闘家イケメンファイル Vol.59 火の玉伝説継承者 平川智也(ひらかわ・ともや)

2016.10.24 Vol.677

 今回の取材は平川智也が務める格闘技ショップ「フィットネスショップ水道橋」にお邪魔する形で行った。ショップのユニフォームを着ての撮影では柔和な表情を見せてくれた平川だが、練習着に着替えてからは表情が一変。格闘家の顔となる。

「週5日はここで朝10時から夜9時くらいまでは働いています。仕事が終わって9時くらいから上の階にある道場(MASTER JAPAN)で11時くらいまで練習させていただいています。場合によっては朝仕事の前に練習してから10時に出勤したりとか、そういうふうにうまくコントロールしながらなんとか時間を作って、いろいろな方の力を借りながら練習しています」

 週2日ある休みはなにを?

「五味さんに相手をしていただけるのがその時間しかないので、その2日を大事に使って久我山で練習しています」

 五味というのはもちろん五味隆典。平川は大学生の時に五味のジム「久我山ラスカルジム」の門を叩いた。そもそも格闘家になろうと思ったきっかけは?

「昔、K-1やPRIDEが地上波で放送していたときに好きでよく見ていました。僕は横浜生まれなんですが、宇野薫さんが横須賀出身で横浜を拠点としていると聞いたこともあって、修斗はもちろん、UFCに参戦してからも宇野さんの試合はよく見ていました。そうやって格闘技を見ていく中で一番影響を受けたのが今の師匠の五味さん。僕が高校生の時ですかね。その時は格闘技をやるという気持ちはなかったんです。もともと小学生から高校までずっとサッカーをやっていて、選手ではないにしても何かしらサッカーに携わって生きていこうと思っていました。でも大学入学で東京に出てきたのをきっかけに、まだ自分が選手としてやれるものはないかということを考え始めて、ぱっと思いついたのが格闘技。本来バックボーンがないとやっていけない世界だということは薄々感じていたんですけど、そんなことは関係なく1選手としてどれだけやれるか試してみたいと思いました」

 やるなら五味さんのところしかないだろうと。

「始めるなら五味さんのところ、という思いがありました。試合や雑誌などで話していることを読んでいて自分の中に響くものがあった。感覚的に、この人についていきたいなっていう気持ちがあって、真っ先に五味さんのところに行きました」

 修斗の魅力とは?

「修斗の独特の雰囲気が好きなんです。新宿FACEもそうですが、やはりなんといっても聖地・後楽園ホールの雰囲気は他の団体じゃ出せないんじゃないかと思います。それは入場式の時から感じている。会場のお客さん、プロモーターの方、選手自身もそういう気持ちでいるんじゃないかと思うので、それがバシっとはまった時は興行自体が最高に盛り上がるじゃないですか」

 家と職場とジムを行ったり来たりの生活。

「僕は1試合1試合、そこで夢がついえるか続くか、というような気持ちでやっているので、その先なんて一切見ていない。負けたら引退、くらいの気持ちで毎試合闘っています。ケージに入る前にしっかりと準備できるかできないか、自分との勝負だと思っているので、そういうことを思っていつも試合に臨んでいます」

 そして11月12日の後楽園大会では高橋遼伍と環太平洋ライト級チャンピオン決定戦を戦う。

「相手は打撃が得意なので、多分バチバチにぶつかり合う試合をみんなイメージしていると思うんですが、僕は一方的に自分のやりたいことをやるスタイルで行こうと思っているんです。バチバチにやっても負ける気はしない。そこで負けると思ったら選手としてダメだと思います。今回は正面衝突でぶつかり合うような展開にはならないようにいろいろ考えています。高橋選手とはひとつステージが違うところを見せつけてやりたいです」

 自分の試合はもちろん、修斗を初めて見るような人に観戦のアドバイスを。

「あのキックが良かったとかタックルが良かったというような細かい技術の話よりも、大会全体の雰囲気を会場で感じてほしい。盛り上がるところは盛り上がって、泣けるところは泣く。会場って喜怒哀楽とかいろいろな感情が詰まっているんです。だから細かい技術論よりは思い切り泣いてわめいて叫んでくらいの勢いで試合を見て、感じ取ってもらえたら選手はうれしいんじゃないかなと思います」

黒谷友香「友香の素」vol.168 私は「チューリップの秋」

2016.10.24 Vol.667

 すっかり秋ですね?。このところの気温の変化に、毎日何を着て行ったら良いやらとクローゼットの前で服を取っ替え引っ替え、夜の冷え込みに念のためのストールをカバンに突っ込みバタバタっと出掛ける日々ですが、ファッションの面では、秋冬のほうがオシャレを楽しめて好きっという方も多いのではないでしょうか。

 あ、食の面でもそうでした! 「食欲の秋」。何もかもが美味しい季節になってきましたが、これは油断していると太る?! 女子にとっては食後のデザートをいくかいかないか、特に悩む季節でもあります(笑)。

 秋の旅行も空気が気持ちが良くて良いですよね。どこかの紅葉を見に行きたいな?。四季があるおかげでさまざまなことが楽しめて、自然に感謝です。ちなみに今年の見ごろは全国的には平年並み、近畿地方は少し早いらしいですよ。

 っとその前に、私の秋のイベントといえば、チューリップの植え込みです! 来年の春に綺麗に咲かせるために、本格的な寒さが来る前の、11月上旬までに球根を植えないといけません。去年はいろんな種類のチューリップの球根を347個植えました。その記念に、さまざまな色のチューリップの花びらをドライフラワーにして、お部屋に飾っていますが、それは今でも色あせず、洋菓子のようにとっても綺麗です。

 今年はチューリップだけではなく、ムスカリやヒヤシンスの球根も植えたいと思っています。紫色のムスカリは群生していると可愛らしいし、ヒヤシンスの花は水栽培のものが雑貨屋さんなどで売られていたりするように、色とりどりで見た目も美しいですが、その香りが本当に素晴らしいです。ガーデンを歩いている時に、フワっと風に乗って薫ってくるヒヤシンスのあの重厚な香りに包まれると、本当にウットリとしてしまいます。今まで地植えで楽しんでいましたが、今年は水栽培のヒヤシンスも買って楽しんでみようかな!

一木美里のおいしくたべようの会 vol.11『甘いいたずらできるひと』

2016.10.18 Vol.676

 一木美里です。そろそろハロウィンですね!
 今週末の22日は日比谷のClubDIANAで行われるハロウィンイベントでDJします!何の仮装をしようかな?と悩み中です。
 ぜひ遊びに来てください?

脱こじらせへの道 第32回 セックスは牛肉、オナニーは○○?

2016.10.14 Vol.676

 今回は、ある意味究極の選択とも言えるこの問いについて、見ていきたいと思います。
 他のアンケートとくらべても多くの回答をいただきました。

 やはりよそではしにくい話なので、ここでいろいろ吐露したいという側面もあったのかもしれません。

 結果は7割近くの人が「セックス派」ということに。
 大変健全です!よかった!!(笑)

 ざっと眺めてみると、20代だと「セックスはするけどオナニーはしない。足りている」とか「セックスしているからオナニーしなくてもいい」という意見もありました。

 単純に恋愛の機会が多くオナニーをする必要がないという場合もありますし、若いため性欲や性感も未成熟でオナニーをしたいと思わないという場合もあるので、このへんは納得できるご意見です。

 30代以上の方からは、そういう意見はほとんどありませんでした。

 また、若い世代の人の中には「オナニーは虚しいからしない」という意見も見受けられます。

 それってやはりオナニーに対して罪悪感があるということが大きいのだと思います。

 もうひとつ考えられるのは、オナニーよりもセックスを上位概念に置いているからということ。
 たぶん私も、潜在的にはセックスのほうを上位に置いていると思います。

 でも、実際そうだと言えるのではないでしょうか?
 生産性という意味でもセックスのほうが有益なのは確かです。オナニーで子供はできませんからね。
 

 でも、そういうものだと割り切ってしまって良いと思います。事実なんだから。
 そして、割り切れば虚しさは感じなくて済むと思うんです。

 たとえば、セックスとオナニーは、牛肉と豚肉みたいなものだと考えてみましょうか。

 価格で見ると牛肉のほうがちょっと高いイメージですが、豚肉のおいしさったらないですよね。

 高級焼き肉でのメイン食材は牛肉かもしれませんが、家庭の料理で良く使うのは、使い勝手や価格から豚肉が多かったりしません?
 そうなんです。別物なんです。

 オナニーが虚しいと思ってセックスをしたいと思うのは普通の感覚かと思います。
 逆に、「今すぐにセックスはできないから今日はオナニーでお茶を濁すか」というのもごく普通の感覚だと言えます。

 だからといって「オナニーだけで十分だ」といってセックスをわきに追いやってしまうのはこじれているし、「虚しさが残るからオナニーはしない」という考え方もこじれていると思いますけどね。

 そしてたとえばセックスが上位概念だとしても、セックスする「人」とオナニーする「人」を比較しているわけではありません。
 オナニーを恥ずかしいと思うのは、そこが混同されているからというのもひとつあるのではないでしょうか。

 最近はよく、
「独身の男女の何割が性経験がない」
 というようなニュースを見ますが、
 少なくともこのアンケート結果からは、
「オナニーで満足しているからセックスをしなくなった」「性欲がなくなった」
 ということではないように思えますね。
(そもそもこういったニュース自体、独身男女が全体の何割で、全体で見るとどうなの、とか
ツッコミどころはとても多いのですが)

 ただアンケートを見ていて気になった回答がふたつほどありました。

 まずは「相手がいると気持ちいいとこを相手に伝えることがなかなかできずに痛いまま終わることがあるので1人でする方が好きです」というもの。

 以前、女性同士で性の話題がしにくいというアンケートを考察してみたことがありましたが、
 女性に言いにくいのに、男性にもさらに言いにくいのは想像に難くないです。
 
 これに対して、相手の男性とコミュニケーションがうまくとれていないのでは?と思う方もいるかもしれません。
 もちろんそれは大きい理由だと思います。
 しかし、多くの女性に、
「結婚は夫に従うもの」「妻は家庭のことをこなすもの」そして「セックスは男性に身を任せるもの」
という考えがつきまとっているのは大きいと思います。

 このところ何度も話題にしていますが、
 長きに渡る日本の男女の関係性から、いまだにそういった考え方が強いようです。

 この記事を読んで、「セックスで我慢している女性」がいたら、伝えることから始めてみませんか。
 それが色々なことを解決する大きな一歩になるかもしれませんよ。

 またもうひとつ、違った観点からこじらせそうな意見が。
「セックスはコミュニケーションだから」というもの。
 もちろんセックスはコミュニケーションですが、それだけではありませんよね。
 自分の性欲・性癖にも素直になれているでしょうか。

 自分の性欲・性癖を踏まえて、コミュニケーションがとれているかどうかを、今一度見つめ直してみたいところです。

一木美里のおいしくたべようの会 vol.10『スッキリキヌアタブレ』

2016.10.11 Vol.676

一木美里です。
すっかり秋本番、秋といえば、読書、芸術、食欲、そしてファッション。
ファッション系のイベントやパーティが続く続く今日この頃、ドレスコードに「ピンク」が多くて、やっぱり今年はピンクなのかなぁと思っています。スモーキーなピンクのかわいいアイテムを探し中。
第2週目のテーマは「わたしのレシピ」。

江戸瓦版的落語案内 錦の袈裟(にしきのけさ)

2016.10.10 Vol.676

 町内の若い衆が久しぶりに吉原に繰り出そうと相談をしていた。なんでも日ごろから仲の悪い隣町の若い衆が、最近吉原で、芸者を揚げての大騒ぎをしたあげく、緋縮緬の長襦袢を揃いで作り、総踊りをして評判をとったとか。

 そこでもっと豪華な錦の褌をそろいで誂えて、裸踊りで驚かせようと算段がまとまった。実は質屋に質流れの錦の布があり、兄貴分は番頭から“何かの時には使って下さい”と言われていたのだ。しかし、質流れの錦の布は10枚だが、吉原に繰り出すメンバーは11人で、布が1枚足りない。兄貴分は与太郎に「おかみさんに相談して、錦の褌を用意できたら連れて行ってやる」と与太郎を帰らせた。話を聞いてはあきれていたおかみさんだったが、町内の付き合いという事なら仕方がない。早速、錦の褌をどこで調達しようかと考えた。「そうだ。お寺へ行ってお坊さんに錦の袈裟を借りておいで。褌にするなんて言ったら貸してもらえないから、『親戚の娘に狐がつきました。偉いお坊さんの袈裟を掛けて祈祷をすると狐が落ちると申しますので、一晩貸していただけませんか』と頼むんだよ」と教えられた。与太郎、早速お坊さんの所に行ったが、明日の檀家の法要に使うからダメだという。

 しかし、今晩一晩借りて、明日の朝返しに来ますと頼み込み、なんとか借りることに成功。家に帰って締めてみると、ちょうど股間の所が金ぴか。前には袈裟輪や房がぶら下がり、なんとも不思議な形。何はともあれ、全員そろったという事で、吉原に繰り出し、芸者幇間を揚げてどんちゃん騒ぎ。最後は尻をまくって、総踊りをしたものだから、座は大いに盛り上がり「どうやら大名たちの遊びに違いない」と噂が。中でも与太郎に注目が集まる。「一人だけ輪をぶら下げているのがお殿様で、他は家来ね。あの輪は小用を足すときに、手を使わずにあそこをあそこに通して使用するんだわ。チン輪ね。そして脇についている房で滴を払うのよ」と驚きの珍説が飛び交う始末。結局、その晩は与太郎が一人だけモテて、他の連中は家来だと思われことごとく振られてしまった。

 翌朝、皆が帰る時間になっても、与太郎は花魁と布団の中に。花魁が離してくれないと言う。怒った連中が「じゃ俺たち先に帰るぞ」というと与太郎「待ってくれよ。花魁、起こしておくれ」「いいえ、主はどうしても今朝は返しません」。すると与太郎「袈裟は返さない…?! いけない、お寺をしくじっちゃう」

【鈴木寛の「2020年への篤行録」】第37回 ガラパゴス化から脱却できない日本のエリート

2016.10.10 Vol.676

 7月下旬、UCサンディエゴ(カリフォルニア大学サンディエゴ校)がライフサイエンスの研究企画連携拠点を、日本橋に開設しました。同校にとっては初の海外拠点。アメリカの「研究投資力」と日本の大学の「基礎研究力」日本の製薬業界の「開発力」が、まさに太平洋を超えて医療イノベーションを推進する取り組みをスタートします。今回の拠点設置を機に、がんや難病の治療、再生医療の進化につなげていきたいと思います。

 この間、何度か渡米し、両者の取り組みをコーディネーションするべく活動してまいりましたが、その一方で、この役回りは現職の国会議員だった時には難しかったと痛感します。なぜならば、国会議員は、海外に行って予定外のスケジュールをいれていくということがほとんど困難だからです。国境を越えたイノベーションは、産学官の間に立って、誰かがコーディネートせねばなりません。

 政策への見識、国内外の人脈を持ち合わせた人材、たとえば政治家ですが、国境を超えたプロジェクトになると、海外にも足を運び、ある程度の時間をかけて人脈・知見を広げる必要があります。ところが、閣僚クラスは、国会会期中はそう何日も不在にできません。政府の役職を兼務していない国会議員であっても、参議院では、会期中に7日以内の渡航をするには議長の許可を得なければならず、7日を超えると議院運営委員会の了解を取るという物々しさです。国会対応を最優先しなければならない高級官僚も最近は一週間を超えるような出張、ましてや長期出張は難しいでしょう。

 政治家が外交で渡航することを「外遊」といいますが、いい意味で「遊び」がなければ、外遊先での深い人脈形成につながらないのもまた現実です。私が政治家を辞めた後、医療イノベーションに関する訪米に関して言えば、最初のサンディエゴは10日間滞在しました。二回目からは、数日間のこともあれば、一週間のこともありますが、いつも、Aさんという有力者との懇談から、Bさんという別の有力者の存在を教わり、「今からBさんに電話するから、明日会いにいきなさい」と進められるわけです。スケジュールは、アドリブで時事刻々変わります。いま思うと、あの時、「もう日本に帰ってしまうので、お会いできません」と言って断ってしまっていたら、今のネットワークは作れませんでした。サンディエゴで積み重ねた人脈の糸のどれか一本でも欠けていれば、UCサンディエゴの日本橋進出はなかったと言っても過言ではありません。これも、一定日数以上、現地に滞在できたことによります。

 イノベーションがグローバル化する潮流にあって、政策当事者の政治家、官僚は真の意味での「外遊」がしづらい状況です。最近、政治家の二重国籍が問題になりましたが、法的に多重国籍を認められない以上、政治・行政のトップリーダーのグローバル対応を意識しておく必要があります。そうした問題を指摘すべき大手マスコミのジャーナリストも数えるほど。日本のエリートたちのガラパゴス化は早期に見直すべきでしょう。
(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

【拡大版】格闘家イケメンファイル Vol.58 卜部功也

2016.10.08 Vol.676

 K-1スーパー・フェザー級世界最強トーナメントを制し、王者に輝いた卜部功也。強いだけではなく、そのルックスで、圧倒的な女性人気を誇る新生K-1のスター選手だ。スーパー・フェザー級世界最強という称号を手にし、卜部は次なる高みを目指す。

一木美里のおいしくたべようの会 vol.09「お昼がくるまえに、子どもみたいに」

2016.10.04 Vol.675

一木美里です。先日YSLBeauteの新しい香水”モンパリオーデパルファム”のパーティへ。めまいがするほどの恋の香りを嗅いでますますパリに行きたくなってきた今日この頃。
第1週目のテーマは”朝ごパン”です。

一木美里のおいしくたべようの会 vol.08「あたらしいわたし、季節、新宿」

2016.09.27 Vol.675

 こんにちは、一木美里です。
 先日、新曲のレコーディングをしてきました?
 聴いていただける日が楽しみです。
 今週のテーマは「夜お茶」。新宿駅からすぐの新スポットをご紹介 します。

【DJダイノジ あなたの好き、肯定します!】第6回:宇多田ヒカルのニューアルバムは希望のヒカリ

2016.09.26 Vol.675

大谷:70年代に北海道から歌手を目指して10代で東京に出てきた藤圭子さん。宇多田ヒカルのお母さんで、もう亡くなられているんですが、宇多田ヒカルのニューアルバム『Fantome 』(9月28日リリース)にはお母さんに対するメッセージがすごくある。自分自身も母になった宇多田ヒカルが、自ら死を選んでしまった母に対して、どう作品に昇華するのかっていうのを含めて、すごく注目しています。大地さん、藤圭子さんの曲知ってます?

大地:僕は正直、そんなに知らないですね。

大谷:『新宿の女』っていう曲があるんですけど、いわゆる渋谷系に対して新宿系ってあったよね。椎名林檎さんとか。

大地:あった、あったねー。歌舞伎町とか。

大谷:僕はこの年代の人って、いわゆる地方からの出稼ぎの人とかの思いを背負わなきゃいけない業を託されたんじゃないかと思うのね。『圭子の夢は夜ひらく』っていう曲なんてほんと暗いのよ。その時代の山崎ハコさん、井上陽水さん、そして藤圭子さん。一人で体育座りしながら深夜ラジオを聞いている人には、刺さったんだろうな。

大地:届くんでしょうね。僕らが好きな『人間交差点』っていう漫画があるじゃない。

大谷:あはは。好きだね(笑)。

大地:その『人間交差点』にはあったんですよ、そういう感じの。東北から出てきた男女2人が東京で…。悲劇的な終わりなんですけど。

大谷:藤さんって、そういう時代にあったものすべてを記号的に背負わされた人だったんだと思うんだよね。

大地:なるほど。

大谷:それで1999年に宇多田ヒカルが出現して、小室哲哉が自分は終わったと。メロディーの譜割りがあり得ないんだって。

大地:へーっ。

大谷:藤圭子さんがご結婚してアメリカに移住して。芸能界を捨てて、1983年1月19日に“ヒカル”という娘が誕生する。暗い歌を歌っていた何年か後に自分に生まれた娘に“ヒカル”って名付けている。希望だよね。

大地:希望…そうだね。

大谷:俺はこれから宇多田ヒカルの紡ぐ歌は、いろいろな意味合いがあると思うし、ひとつの希望として聞きたい。都会に出てきて、ひとりぼっちで、こんな夜中にラジオを聞くしかない人の横について、背中をさすってくれるみたいな。

大地:サビの部分の跳ね方もすごくいいし、歌詞もいいよね。

大谷:ポジティブとはまた違うけど、希望がある。

大地:そうだね。

大谷:“光”って絶体絶命の中でも探し出すものだし、それを希望と解釈することも。このアルバムに対してはそういう向き合い方をしたいな。2016年の後半の目玉は、『君の名は。』であり『シンゴジラ』であり「SMAPのエンターテインメント」であり、この宇多田ヒカルのアルバムだと思う。

大地:SMAPが幕を下ろすということも含めて、ネガティブなことばかりじゃないということだね。
※次回の放送は10月9日

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